この冬いちばんロマンティックで元気になれるコメディ映画といえば、「ロマンティック・キラー」。物語は恋愛キャンセル界隈の女子高校生・星野杏子(上白石萌歌)の前に恋愛をエネルギーとする魔法使いが現れたことから、怒涛の胸キュンシチュエーションが巻き起こる日々に一変するストーリー。
大勢のイケメンと戦う杏子の姿は、めちゃめちゃカッコ良かったです
――本作は、恋愛に興味がない主人公の杏子(上白石萌歌)が人間の恋愛エネルギーを糧にする魔法使いによって、次々と恋愛トラップを仕掛けられ、ロマンティックな展開に巻き込まれるストーリーです。どんなところが面白い作品になっていますか?
上白石萌歌(以下・上白石) 私はお話をいただいてから原作を拝見しました。まず、「ロマンティック・キラー」というタイトルから一体どんな作品なんだろうと思って。原作とアニメを観て、その名の通り、あらゆる角度から降りかかってくるロマンティックをどんどんぶった斬っていく杏子の逞しさには笑いながら、気づけばこの作品の虜になっていました。今この時代に恋をしたくないというのは、すごく新鮮ですよね。新境地の役でしたが、10代の半ばでご一緒した時、とても現場が楽しかった英監督のおかげで終始楽しく杏子を生きることができました。
高橋恭平(以下・高橋) いろいろなラブコメ作品がある中で、率直にすごく楽しい作品だなと。最初に脚本を読ませていただいた段階で、香月司という役は僕とリンクする部分が多い役だなと思いました。あと、杏子をかき回す男子たちの中でも深く杏子と関わっていくことになる3人の同級生役として、異なるボーイズグループで活動している3人での共演も楽しみでした。グループの垣根を越えるような新しい作品になっているところも見どころです。
木村柾哉(以下・木村) 台本を読んだ時、クスクスと笑ってしまうようなシーン、青春を感じて胸が熱くなるシーンなど、怒涛のストーリーで本当に面白いなと思いました。僕が演じる速水純太という役については、超スポーツマンで純粋で一途なのにどこか抜けているキャラクター。
中島颯太(以下・中島) この作品は、ドキドキとキュンキュンと面白さで世界観に没頭できる作品で、台本を始めて読んだときは全身で笑いました。これを映像化するという想像つかなくて逆にワクワクしましたし、撮影が楽しみになりました。僕ら3人と萌歌ちゃんはもちろん、たくさんの豪華なキャストの方々とご一緒できることが嬉しかったですし、完成した作品は本当に面白くて、何も考えずに見てもらえる作品だなと思いました。必ず笑ってもらえるコメディ作品になっています!
本人に役がハマっていたのは誰?
――皆さん個性が大爆発するキャラクターを魅力的に演じていましたが、この4人の中で、「この人のこの役、めちゃくちゃ本人にハマっていた!」と思うのは誰でしょうか?
木村 それは、もちろん聖役の颯太くんです!
上白石 えっ?
中島 まぁまぁ、一回、聞いてみましょうか。
木村 聖のすごくお金持ちなところとすごく上からなところが、めちゃくちゃハマってました(笑)。
中島 いやいや、違うでしょ(笑)。
木村 聖はお金持ちやけど、ピュアで優しいキャラクター。そのやさしい雰囲気が醸し出されているところが、すごくハマってたかなって。本当に聖本人かと思っちゃうくらい、しぐさとか立ち振る舞いも颯太にハマっていた!
高橋 分かる、分かる。自販機を押すときでさえ、めっちゃ姿勢が良くて聖な感じ。
中島 ありがとう。(ニコニコ)
上白石 私は純太ですね。今はこういう風貌で髪色が違いますが、原作に寄せた髪型だったんです。クランクイン前に本読みを2回したんですけど、1回目は赤とか、ちょっとピンクっぽくて。
木村 そうだったね。
上白石 2回目完全に純太のヘアスタイルで来た時に、原作から本当に飛び出てきたみたいだなと思って。スポーツマン役だったので、黒髪で短髪になってたんですよね。あと、元々笑顔がすごく素敵で、純太スマイルがハマっていたんですが、現場でもすごく癒しになっていました。
木村 嬉しいです! ありがとうございます!
高橋 僕は杏子ですかね。僕が演じる司と杏子のシーンは穏やかなシーンが多かったんですけど。僕がクランクアップした翌日オフだったので、現場を見に行かしていただいたんですよ。その現場が本当に僕らのやってたシーンとは全然違うシーンだったんです。
上白石 そう、次々とイケメンがロマンティック攻撃を仕掛けてくるシーンで。
高橋 あれは、本当にもうアクション!! もういろんなタイプのイケメンたちがいっぱいいて、それこそ謎の刀剣役の佐藤大樹くんとか、謎の兵士役の與那城奨くん、うちの丈くん(藤原丈一郎)が謎のSAT役で現れて、大勢のイケメンと戦う杏子の姿は、めちゃめちゃカッコ良かったですよ。ゆるぎない気持ちで、“恋愛しない”という姿勢を守ろうとする姿も「うわ、すごいな」と思いました。
上白石 うれしいです! あの日は、1番近くにいた3人の範疇を超えて、もっと大勢のロマンティストたちと一人で対峙しなくてはいけなかったんで、孤独な気持ちだったんですよ。高橋さんはお休みなのにわざわざロケ地まで来てくれて心強かったです。結構、遠かったでしょ?
高橋 遠かったね~!
上白石 そんな中、差し入れも入れてくださって。現場がすごく和みました。
高橋 めちゃくちゃ美味しいドーナツを差し入れしました。みんなが「美味しい」って言っていっぱい食べてくれて、もう気づいた時にはなくなってましたからね。
上白石 現場を盛り上げてくれて、本当に助かりました。
中島 恭平が演じる香月司ですね。僕は恭平と元々仲が良かったので、めちゃくちゃボケるし、めちゃくちゃ喋る姿を見ているので、役と違うのを知ってるんですよ。
高橋 いえいえ(照)。
中島 本番に入る時の役のオーラの纏い方がすごくて、それを間近で見ていてすごいなって思いました。スイッチ入ってた?
高橋 もちろん! いっぱい色々なスイッチがあって、たまにどこ押そうか迷う時ある(笑)。
上白石 さすがです(笑)。
上白石さんが先生でした
――高橋さんと木村さんと中島さんは、魔法使いの力によって杏子に急接近する恋のライバル役を演じましたが、撮影現場の印象的なエピソードはありますか?
中島 空中ウォークという宙に浮いているように見えるステップが一時期SNSなどで流行っていたんですが、ロマキラの現場でもそれが流行りましたね。
木村 自分はちょっと遅いんですけど、ブームの1年後ぐらいにハマって。空中ウォークをロマキラの現場で萌歌ちゃんが先生として教えてたんですよ。1個もできてはないんですけど、現場でみんなに空中ウォークをさせてたでしょ(笑)。
中島 あれは、本当に難しくて。
上白石 あははは。
高橋 多分、僕はこの中では、最後に上白石さんに空中ウォークを「これ、できる?」って教えてもらったんですよ。
木村 それぞれ別の現場でやってたから、ここ(木村と上白石)だけでやってんのかと思ってたんですよ。だから、何とも思ってべなかったんですけど。皆、それぞれの現場で空中ウォークやってるって知った時に「え、萌歌ちゃんが先生だったの?」ってビックリ(笑)。
中島 俺もさせられました。
上白石 そんな被害者みたいに言わないでよ(笑)。
高橋 長い1本道があったら、すぐやりますからね。
中島 うちら、狭いコンビニロケでもやりましたからね。
木村 うちは神社でやってます!
高橋 最終的に誰もできてないよね?
木村 でも、萌歌ちゃんが先生でした。
高橋 門下生でした!
――ちなみに誰が一番、優秀な門下生でしたか?
上白石 もちろん私が1番優秀でした!
高橋 いえ、先生なので、門下生よりずっと上です。「私できてるでしょ? でも、高橋はできてないでしょ?」みたいな感じでしたもん(笑)。
上白石 ふふふふ。
4人のロマンティックなところは?
――では、タイトルにかけて、この4人それぞれのロマンティックなところを教えて欲しいです!
木村 ロマンティックなところ……。萌歌ちゃんの勇ましい姿ですかね。野球のシーンで控え室が一緒だったんですけど、急に僕の過去の映像を見始めまして。「いや、はずい、はずい」って僕が言ってるのに、気にせず堂々としていらっしゃって(笑)。何かその瞬間、すごい勇ましさを感じて。ロマンティックじゃない杏子の勇ましさっていうのは、僕の中ではロマンティックに感じました。
上白石 あれはなんだったんだろう。張本人がいる横で見る贅沢を味わいたかったのかもしれない(笑)。
木村 めちゃくちゃ恥ずかしかったですよ。めっちゃ過去の映像で、できれば見てほしくないやつを急に見始めて、恥ずかしいしかない。
上白石 そうだったの? じゃあ、私は2000年2月28日生まれの高橋さんで。私たち、生年月日が全く一緒なんですよね。
高橋 一緒。確かにロマンティックやん。
上白石 生年月日が一緒なんて、これは最大級のロマンティックかと。同じ誕生日の方は、いっぱいいるんですけど、なかなか生まれた年まで一緒の方って出会ったことがなくて。しかも、同じ仕事をしていて、まさか共演できるなんて、嬉しかったですね。
高橋 いやいや、ホントにそうです。僕は颯太。ホントに生きてるだけで、ロマンティック! FANTASTICSというグループのボーカルとしてもロマンティックだし、ダンスもめちゃくちゃ上手くて、そして、ホントに器用なんです。歩く姿もロマンティック!! そういうところはもちろん、僕の無茶振りにも嫌な顔せず、すぐ答えてくれて、すぐ拾ってくれる。いや~、本当に一緒にいて、マジでええやつなんですよ!
中島 えー、めずらしいな、恭平が俺を褒めるなんて。
高橋 1年に1回だけね! だから、もう褒めない(笑)
中島 結構、褒めてくれたね。ちゃんと文字として残せるようにしてくれた(笑)。
高橋 でしょ? ん……文字で残す? いやいや、ちゃんと考えてるから!
中島 ありがとう。僕は柾哉くん。結構、この中でもロマンティック力は、強いんじゃないかなと思います。
木村 えっ? そう?
中島 まっすぐ褒めてくれるタイプなんです。「今のシーン、めっちゃ好きだった」とか「今日の衣装、いいね」とか褒めてくれます。
高橋 僕も言うでしょ? 言った!!
中島 あと、柾哉くんはゆっくりご飯を食べるんですけど、「先に(現場へ)行っていいよ」って言ってくれました。そういうところがロマンティックだなと思いました。周りをちゃんと見ることができる人です! でも、皆ロマンティックですね(笑)。
『ロマンティック・キラー』大ヒット公開中!
https://romakira-movie.toho.co.jp/
撮影/稲澤朝博、取材・文/福田恵子
■上白石萌歌さんスタッフ:
ヘアメイク/坂本怜加(Allure) スタイリスト/道端亜未
■高橋恭平さんスタッフ:
ヘアメイク/花井菜緒(JOUER) スタイリスト/三島和也(Tatanca)
■木村柾哉さんスタッフ:
ヘアメイク/武井さやか(MASTER LIGHTS) スタイリスト/岡本健太郎
■中島颯太さんスタッフ:
ヘアメイク/島田聖香(Luana) スタイリスト/中瀬拓外

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