
Bunkamura Production 2025/DISCOVER WORLD THEATRE vol.15『リア王』が、2025年10月から11月に東京・THEATER MILANO-Za、大阪・SkyシアターMBSで上演される。
Bunkamuraでは、DISCOVER WORLD THEATREシリーズとして、日本と海外のクリエイターの共同作業のもと、優れた海外戯曲を今日的な視点で上演する企画に取り組んでいる。
『ハムレット』『マクベス』『オセロー』と並ぶ四大悲劇のひとつである『リア王』は、シェイクスピア作品の中でも最も現代的なテーマを持った作品であると評されている。生と死、親と子、権力と政治……。裏切りと愛憎が交錯する中で、狂気へと走らざるを得なかった愚かしくも痛ましいリア王の姿は、現代社会を投影した今を生きる私たちの悲劇でもあると言える。
今回演出を手がけるのは、シリーズ最多登場を誇るフィリップ・ブリーン。『罪と罰』『アンナ・カレーニナ』での翻案が記憶に新しく、人間を深く見つめ物語を繊細に紡ぎ出す斬新な演出手法が高く評価されている。今回の上演台本もブリーンが手がけ、これまで日本で上演されてきた戯曲を一新させ、現代的で新鮮な再翻訳版として上演する。
本作でタイトルロールのリア王を演じるのは、これまで多くのシェイクスピア作品に出演してきた大竹しのぶ。今回は男性の王・リアという難役を務める。大竹は1979年、2017年上演の『にんじん』で少年役を演じているが、成人男性役を演じるのは初となる。
そして、リアを甘い言葉で翻弄し、無残にも切り捨てる長女・ゴネリルを宮沢りえが演じる。コロナ禍で上演中止となった『桜の園』以来の大竹との共演で、今回は父と娘として対峙。
さらに、ゴネリルとリーガンを誘惑するグロスター伯爵の庶子で野心家のエドマンドに成田凌、リアの三女で実直であるがゆえにリアに勘当されてしまうコーディリアに生田絵梨花、グロスター伯爵の嫡子でエドマンドの策略によって勘当されてしまうエドガーに本作が初舞台となる鈴鹿央士、リアの忠臣だったにもかかわらず追放され、その後変装して再びリアに仕えるケント伯に横田栄司、リアの次女でゴネリルと同じく言葉巧みに父を手玉に取り裏切る次女・リーガンに安藤玉恵、リアの精神状態を映し出す存在である道化に勝村政信、息子・エドマンドの謀略によって貶められるグロスター伯爵に山崎一が名を連ねた。
■大竹しのぶ コメント
大好きなシェイクスピア。それも大好きな『リア王』に挑戦できるなんて、私はなんて幸運なのだろうと、身が引き締まる思いです。中学二年生の時に、文化祭でやった思い出の作品に再び(?) 挑戦できるのですから。
役をどんな風に作っていくかは、これからフィリップと相談しながらにはなりますが、その心情を表現することに集中して演じれば、人間「リア」を演じることは出来るのでは!と思っています。
とにかく稽古場でのフィリップの言葉は、私たち役者にとって毎日プレゼントを貰うように楽しく、貴重で有意義な時間になること間違いなしなので、ワクワクしています。一年ぐらいずっとフィリップの稽古場にいたいです。
『リア王』は、とてもとても面白いストーリーです(中学生だった私がそのストーリーに魅かれたぐらいなのですから)。劇場で、その『リア王』の人生を一緒に体感してもらえたら嬉しいです。
■宮沢りえ コメント
しのぶさんがリア王!
演出するのはフィリップ!
このお話をいただいた瞬間、心が踊りました。自分が演じる長女ゴネリルのハードルの高さへの怖さそっちのけで、おふたりの試みに私の心は好奇心と探究心で満たされています。
■成田凌 コメント
今回演じさせていただくエドマンドは、ものすごく魅力的な人間です。ですが、皆さんの目には悪人に映るかもしれません。
生まれながらに傷ついた人間、いらない、と言われて育った人間。頼れるのは自分の頭脳と強い意志。彼の正しさは、勝つこと、自分の存在を証明すること。その手段が嘘と裏切りと暴力。それは喪失感と孤独からくるもの。現実的で現代的な考えの人間です。
と、現段階ではエドマンドをそう解釈していますが、稽古を通して精度を高めていきたいです。
幕が上がる直前は全く違うことを言っているかもしれません。
今はとにかく、知性的で魅力的なエドマンドを精一杯演じたいと思っています。
2年ぶり、3度目の舞台です。新人です。自分が一番できません。死に物狂いで頑張ります。
まだ先の話ですが、もう緊張しています。あっという間に本番だと思います。ぜひ応援しにきてください。
■生田絵梨花 コメント
シェイクスピア四大悲劇のひとつである『リア王』。
この作品にコーディリアとして、素晴らしい出演者の皆さまと共に向き合えること、とても嬉しく光栄に思います。
以前大竹しのぶさんとご一緒した際に、演出家のフィリップさんのお話を伺って、いつかご一緒したいと願っていました。フィリップさんがどんな世界を描かれるのか、どんな風に飛び込んでいけるのか、今から楽しみで緊張しています。
実直に精一杯コーディリアを務めさせていただきます。
ぜひ劇場に足をお運びください!
■鈴鹿央士 コメント
いつかはやりたいと思っていた舞台の世界に、まさかシェイクスピアの作品から踏み入れることになるとは思ってもいませんでした。自分にとってエドガーという役はチャレンジングで、演じていてどんな気持ちになるのか、いまからとてもワクワクしています。
舞台の世界にはどんなものが広がっているのかわからないことも多く、少し不安になるところもあります。
でもいつかお会いしたかった先輩方との共演や、初めての舞台を心の底から楽しんで、最終日まで駆け抜けたいと思います。
劇場でお待ちしています!
と、胸を張って言えるよう、頑張ります!
■横田栄司 コメント
「しのぶさんがリアを演じるなら、ぜひ近くで毎日見ていたい」。最初に今回のお話をいただいた時の第一感です。ご観劇されたお客様も大勢いらっしゃると思います、大竹さんが演じられた『ピアフ』。ぼくは出番ではない時も隙を見つけては舞台袖に行き、全身全霊で演じられ歌われる大竹さんを夢心地で見つめ、毎日人生への勇気をいただいていました。あの時の夢よもう一度。大竹さんの『リア王』の“旅”にしっかりお供をさせていただきます。
■安藤玉恵 コメント
大竹しのぶさんのリア王を、稽古中から見ることができるという興奮がまずありました。
こんなに悪態をつくってどんな時代だったんだろうと、『リア王』を読んでいると思いますが、ふと、今もそうかも知れないと思い至ると、悲しいし笑ってしまいます。道化の心をしっかり持たないと、まともに生きていけないかもしれません。
フィリップさんの演出で、きっと素敵な公演になることと思います。その場のひとりになれることを嬉しく思っています。
■勝村政信 コメント
今作で、普段から連絡を取りあっているフィリップと再会できることが、本当にうれしいです。
ただ『リア王』の道化は、世界でも名優が演じる、非常に難しい役です。話をいただいた時から、不安しかありません(笑)。
『リア王』は舞台だけでなく、映画やドラマにもなっていて、世界中で愛されている作品です。なので、今回のアンサンブルでどんな『リア王』になるのか、フィリップがどんなプランを持ってきてくれるのか、とても楽しみですし、僕らもわくわくしています。どうかみなさま、楽しみにしていてくださいませ。
■山崎一 コメント
今からワクワク・ドキドキしています。
役者人生の全てを注ぎ込みたいと思っています。なんてちょっと大袈裟ですが、でもそれくらいグロスター伯という役は難しくて魅力的な役だと思っています。役者人生の集大成になればこんなに幸せなことはありません!
気負わず、演出家のフィリップさん、そしてスタッフキャストの皆さんと創作の現場を楽しみたいと思います。
皆様、ぜひ御観劇下さい。劇場でお待ちしています!
【ストーリー】
ブリテンの王であるリアは、高齢のため退位するにあたり、国を3人の娘に分割し与えることにした。長女ゴネリルと次女リーガンは巧みに甘言を弄し父王を喜ばせるが、末娘コーディリアは実直な物言いしかできず、立腹したリアに勘当され、それをかばったケント伯も追放される。コーディリアは勘当された身でフランス王妃となり、ケントは風貌を変えて素性を隠し、リアに再び仕える。
リアは先の約束通り、2人の娘ゴネリルとリーガンを頼るが、裏切られて荒野をさまようことになり、次第に狂気に取りつかれていく。リアを助けるため、コーディリアはフランス軍とともにドーバーに上陸、父との再会を果たす。だがフランス軍はブリテン軍に敗れ、リアとコーディリアは捕虜となる。ケントらの尽力でリアは助け出されるが、コーディリアは獄中で殺されており、娘の遺体を抱いて現れたリアは悲しみに絶叫し……。
<公演情報>
Bunkamura Production 2025
DISCOVER WORLD THEATRE vol.15『リア王』
NINAGAWA MEMORIAL
作:ウィリアム・シェイクスピア
上演台本・演出:フィリップ・ブリーン
出演:
大竹しのぶ、宮沢りえ、成田凌、生田絵梨花、鈴鹿央士、
西尾まり、大場泰正、松田慎也、和田琢磨、井上尚、吉田久美、比嘉崇貴、青山達三、
横田栄司、安藤玉恵、勝村政信、山崎一
<ミュージシャン>会田桃子(vn)、熊谷太輔(perc)、平井麻奈美(vc)
【東京公演】
2025年10月9日(木)~11月3日(月・祝)
会場:THEATER MILANO-Za
【大阪公演】
2025年11月中旬
会場:SkyシアターMBS
公式サイト:
https://www.bunkamura.co.jp/cocoon/lineup/25_kinglear.html