12月13日(土)から21日(日)までの9日間、東京・ユーロスペースにて、特集上映「BABEL LABEL 全国ミニシアターキャラバン」の特別上映イベントが開催された。
BABEL LABELは、ドラマや映画において数々の話題作を生み出し、日台合作映画『⻘春18×2 君へと続く道』や映画『正体』を手掛けた監督の藤井道人を筆頭に、映画『帰ってきた あぶない刑事』の原廣利、藤井とともに監督を務めたNetflixシリーズ『イクサガミ』の山口健人など、気鋭のクリエイターが所属するコンテンツスタジオ。
そして、全国のミニシアターを巡る特集上映「BABEL LABEL 全国ミニシアターキャラバン」は、BABEL LABELがこれまで数々の作品を生み出してきた原点とも言えるミニシアター文化への感謝を込め、日本各地の劇場とともに歩んだプロジェクトだ。ユーロスペースは、その最終地点となる。
期間中は、藤井道人監督、綾野剛、東出昌大、豊原功補ら、同レーベルに縁のあるキャスト・監督陣が連日登壇。ミニシアターという文化への敬意と、映画製作にかける熱い想いが語られた。1年をかけて全国各地の映画館を巡った本プロジェクトのフィナーレをレポートする。
■Day1 12月13日(土)『LAPSE/ラプス』
登壇者:中村ゆりか、深水元基、アベラヒデノブ監督、志真健太郎監督、山田久人プロデューサー
全国ミニシアターキャラバンのフィナーレ初日は、満席となった会場では、本キャラバンを振り返りながら、これまで作品を育ててくれたミニシアターという存在について、それぞれの想いが語られた。BABEL LABELにとって、『LAPSE/ラプス』という作品が、「この作品から自分たちが、自分たちの責任で映画を撮るんだ」という強い想いのこもった作品であると監督らが話すと、ゲストで登壇した中村、深水からはBABEL LABELについて、「ホームに戻った感覚になる」「戻ってくる場所」という温かい言葉が寄せられ、絆の深さを改めて感じる時間となった。
■Day2 12月14日(日)『生きててごめんなさい』
登壇者:山崎潤、山口健人監督
山口監督は、山形の「まちなかキネマ」、群馬の「前橋シネマハウス」に続いての登壇。山崎は、BABEL LABELと出会ったきっかけや、黎明期から現在について、「若い才能たちが燻っている姿を見ていたので、日本を代表するクリエイター集団になっていったことが自分のことのように嬉しい」とコメント。山口監督も「⻘春時代を過ごした“オアシス”」と表現するミニシアターでの観客との大切な触れ合いの時間となった。
■Day3 12月15日(月)『君に幸あれよ』
登壇者:小橋川建、髙橋雄祐、櫻井圭佑監督
7月にBABEL LABELに加入した、櫻井圭佑監督の『君に幸あれよ』が上映された。本作は約3年前にユーロスペースでの上映を皮切りに全国に広がった作品だ。
■Day4 12月16日(火)『わたしの頭はいつもうるさい』『Blind Mind』2本セット上映
登壇者:『わたしの頭はいつもうるさい』宮森玲実監督、『Blind mind』灯敦生(脚本)、矢野友里恵監督
7月にBABEL LABELに加入した宮森玲実が監督を務めた『わたしの頭はいつもうるさい』と、灯敦生が脚本を務めた『Blind mind』が上映。舞台挨拶には、宮森玲実と灯敦生の他にスペシャルゲストとして、『Blind mind』で監督を務めた矢野友里恵が登壇した。3人ともBABEL LABELとも深い繋がりがある日本大学芸術学部の出身ということや、矢野監督も学生時代にBABEL LABELで働いていた過去があるなど共通点が多く、和気あいあいとした雰囲気に。3人は、企画を立ち上げた先輩メンバーたちの意志に最大限に敬意を払いつつ、最後に「映画館は新しい出会いがある場所」「こんな感情が私の中にあったんだ、という掘り出し物を見つけてくれる場所」「感情の交換が出来る場所」と表現し、新たに生まれた出会いに感謝した。
■Day5 12月17日(水)『朽ちないサクラ』
登壇者:豊原功補、遠藤雄弥、原廣利監督
『朽ちないサクラ』から、豊原功補、遠藤雄弥 、原廣利監督が舞台挨拶を実施。これまで本作以外にも、BABEL LABELが携わった作品に多数出演している豊原、遠藤からは改めて15周年に対して、お祝いの言葉が。また、BABEL LABELの印象について、撮影時のエピソードも披露。最後にミニシアターについて3人は「好奇心を刺激して、背伸びをさせてくれる場所」「学校の休み時間の校庭のようなみんなが集まる場所」「こういう機会で、また仲間に合わせてくれる場所」「原点」と、それぞれが思い思いの言葉で表現した。
■Day6 12月18日(木)『ヤクザと家族 The Family』
登壇者:綾野剛、藤井道人監督
『ヤクザと家族 The Family』から、主演の綾野剛と、藤井道人監督の登壇による舞台挨拶を実施。本編の上映が終了した瞬間に、満席となった客席からは大きな拍手が。イベントがスタートすると、綾野は、「藤井監督と出会って、役者としての第2フェーズに入った感覚がありました。同じ時代を生きて、共感できる、“血は繋がっていない家族”だと思っています」と答えると、藤井監督は「誰よりも監督の味方をしてくれる俳優」とお互いの絆について語り合った。観客からのQ&Aコーナーでは、作品にまつわる質問や、今後のふたりの作品について、感極まって涙ながらに質問をする観客の姿も。最後にふたりから、ミニシアターでの出会いや、このような時間を与えてもらえたことへの感謝が語られると、その日一番の拍手が鳴り響き、イベントの幕が閉じた。
■Day7 12月19日(金)『ジャパニーズスタイル』
登壇者:武田梨奈、山崎潤、日高七海、アベラヒデノブ監督
大晦日を描いた本作に相応しい年の瀬の上映ということもあり、これまでの舞台あいさつとはまた違ったユニークで笑いの絶えない雰囲気となった。登壇した武田梨奈、山崎潤、日高七海、アベラヒデノブ監督たちも、約3年前に行われたユーロスペースでの舞台を思い出して感慨深い様子。そんな中、トークは大盛り上がりで、会場は大きな笑いに包まれ、年の瀬の喧騒を忘れる時間となった。最後に4人からは、映画を届けることの難しさ、届いた時の喜び、そして観客との対話の機会への感謝が語られた。
■Day8 12月20日(土)『Winny』
登壇者:東出昌大、松本優作監督
上映が始まる前に降り続いていた雨をかき消すかのように、上映終了の瞬間には大きな拍手が場内に響き渡った。登壇者の東出昌大、松本優作監督が登場するとさらに大きな拍手が。
■Day9 12月21日(日)Netflix映画『パレード』
登壇者:藤井道人
1年にわたる「BABEL LABEL 全国ミニシアターキャラバン」の最後を飾ったのは、Netflix映画『パレード』。物語の重要なシーンがユーロスペースで撮影されたとあって、聖地での上映は満席となり、多くの涙が見られる中、藤井監督が登壇。「ユーロスペースはインディーズ時代の憧れだった」と話し、今は亡き河村光庸プロデューサーとの思い出、そして今日この場所だからこそ話せる初公開のエピソードを語った。
最後に、⻑年ミニシアターの文化を守り続けてきたユーロスペース支配人・北條誠人が登場。ミニシアターについて北條は、映画を届けることの難しさと、それでも文化を繋いでいく意義を噛み締めながら、「いつまでも、つづけられますように」という祈りのこもったメッセージを贈った。
実はこの言葉は、1年間全国15カ所のミニシアターを巡ってきた「旅するパネル」の最後を締めくくる一筆でもあった。キャラバン期間中、共に歩んできた「刈谷日劇(愛知)」や「サツゲキ(北海道)」の閉館が決定するという、ミニシアターを取り巻く厳しい現実にも直面した。
パネルに刻まれた各地の支配人たちの直筆メッセージ、そして最後に書き加えられた北條支配人の「いつまでも、つづけられますように」という願い。
藤井監督は最後に「映画を作るのは、辛く難しい瞬間もありますが、映画っていいものだなと思っていただきたいし、自分自身も思いたい。より良い環境、状態で映画を残せるようにしたい」と次代へ繋ぐ決意を語り、鳴り止まない拍手の中で1年にわたるプロジェクトはユーロスペースで幕を閉じた。
BABEL LABEL15周年特設サイト:
https://retrospective.babel-pro.com/

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