hideを愛する新旧のファンが集う恒例のイベント、今年は本人の誕生日に開催【オフィシャルレポート】
hide

2025年12月13日(土)、川崎CLUB CITTA’にて『hide Birthday Party 2025』が開催された。毎年、hideの誕生日近辺の週末にこの会場で行われるファンにとっては恒例のイベント、今年は暦のはまりが良くて久しぶりに誕生日当日に開催されることになった。

hideとゆかりのあるアーティストたちが顔を揃え、hide を愛する新旧のファンが同じ空間に集う1年に1度の素敵なパーティー。最近は新しい世代のファンも増えているそうで、チケットは早々に売り切れることが多かったが、今年も8月上旬にはSOLD OUTになったそうである。



hideを愛する新旧のファンが集う恒例のイベント、今年は本人の誕生日に開催【オフィシャルレポート】

桃知みなみ

開場時間になるとステージ上のDJブースに、桃知みなみが登場。まだ誰もいないがらんとした客席に向けて、DJを始める。そこへひとり、またひとりと、来場者が走りこんでくる。「おはよう」「いらっしゃい」と手を振りながら、声をかける桃知みなみ。良き相棒のパンザブロウもステージに登場して、これから始まるイベントを一緒に楽しむ仲間たちをhideの音楽で暖かく迎え入れているのが微笑ましい。徐々に客席がオーディエンスで埋まっていき、DJタイムが終わる頃には会場はほぼ満員になっていた。



オープニングの映像が流れ、いよいよパーティーの始まりである。MCはお馴染みのDJ浅井博章。彼はこのパーティーにはナレーションのみの参加のことも多いが、今日はリアル登場である。今年5月のhide with Spread Beaverワンマンライブの感想などを話したあと、スクリーンの画像を見ながら今日の出演アーティストのラインナップを紹介していく。

バンドの名前が呼ばれるたびに歓声と拍手が湧き上がり、イベントへの期待がどんどん膨らんでいく。



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machine

ステージを覆っていた白い幕が上がると、爆音のSE。イベントのトップバッターは、今年の夏に再起動を宣言したmachine。1999年にPENICILLINのHAKUEI(vo)とhide with Spread BeaverのKiyoshi (g)が結成したロックユニットである。Kiyoshiが天を仰いで「ハッピーバースデー、hide!」と叫び、ステージがスタート。初っ端からスピード感あふれる激しい「Baby Blood」「invader」をプレイし、オーディエンスを一気にmachineワールドに引きずりこむ。「こんにちは、machineといいます。早い時間から皆様ご苦労様です」とHAKUEIの飾り気のないMCで会場をなごませた後、「皆さんに相談があります。犬を探しています」といって演奏が始まったのは、hideの楽曲「LASSIE」。サポートメンバーのseek(b/Psycho le Cému)、CHARGEEEEEE...(dr)、COLA(マニピュレーター)のアニマル感も功を奏して、ワイルドなmachine流「LASSIE」に会場も大喜びだった。



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VINYL 

続いて登場したのは、今年25年ぶりに本格再始動したVINYL。90年代にD’ERLANGER~STRAWBERRY FIELDSで活躍した福井祥史(vo)と元黒夢の鈴木新(g)が結成したユニットで、1996年にhideが世に送り出したコンピレーションアルバム『LEMONed』で鮮烈なデビューを飾ったふたり組である。

彼らはまず1曲目にそのコンピレーションアルバム収録曲の「BE」を演奏。パンキッシュなスピードチューンで、25年のブランクをまったく感じさせないプレイはオーディエンスの度肝を抜いた。続いて今年1月にリリースした未発表楽曲集『unreleased』から「KEEP MY SECRET」を演奏し、福井祥史が「1996年の千葉マリンスタジアムから29年、今日も変わらずぶっ飛ばしていくぜ、いいか?」という元気のいい声でMC。独特なハイトーンボイスで歌い上げるメロディーのはっきりした歌と、自由に弾きまくるギターが絡む楽曲はいかにも90年代的ではあるが、スリリングで心地よい印象を受ける。サポートベースのJUN(Valentine.D.C.)は二人の再始動のきっかけのひとつとなった盟友HEATH(X JAPAN)のベースを持ち、HEATHの衣装を身にまとってふたりのステージに花を添える。来年はオリジナルの音源のリリースも考えているそうで、hideの仲間がまた1組未来に向けて歩み始めようとしているシーンを見るのは、うれしい限りだ。



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heidi.

2日前に急遽出演が決まったheidi.がステージに登場すると、拍手がわきあがる。このイベントの常連参加アーティストであるhide with Spread BeaverのキーボーディストDIEが、イベント直前に目の緊急手術で入院したため、急遽出演をキャンセル。かわりに、hideのレーベルからCDをリリースしたこともあるheidi.が出演することになった。1曲目の「ピンク スパイダー」、ダンサブルなスピードチューン「おまえさん」でオーディエンスを盛り上げた後、「急遽参戦させていただいたheidi.です。大先輩とそして皆さんとhideさんを思い切りお祝いしたいと思いますので、よろしくお願いします」とhideの顔が浮き上がるペンライトを振りながらMCをする義彦(vo)。チケットが早々に売り切れていたことから、会場にheidi.目当てのファンは多くはなかったと思う。

しかし、全身全霊でオーディエンスを楽しませようと真摯にライブを繰り広げるメンバーと、あたたかく応援する会場の一体感はまさにhide Birthday Partyの醍醐味である。ポップな歌メロの「従花」、「ヘイヘイヘイ」という掛け声で会場と一体になる「マネキン」の後、デスボイスと激しいヘドバンのメタルナンバー「一瞥」と多彩な面を見せて、heidi.のメンバーはステージをあとにした。



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DJ-INA

セットチェンジで幕が閉まっている間に、幕前に出てきて準備をしているDJ-INA。スタンバイOKなのになかなかBGMが途切れず「なげーな」とひと言漏らした瞬間に音が止まり、STC(木村世治、TAKA、CUTT)の3人とDJ浅井博章がろうそくに火が灯ったバースデーケーキを押してあらわれる。一瞬、びっくりした表情を見せるINAだが、「あ、そーいうことね」とすぐに納得した様子。hideの共同プロデューサーINAのバースデーは12月12日で、hideの1日前なのだ。INAの誕生日を祝ったあと、hideへのバースデーソングをみんなで歌い、DJタイムが始まった。DJブースの中にとどまらず、マイクを持ってステージをあちこち動いて、オーディエンスを巻き込んでいくINA。「FISH SCRATCH FEVER」では「DIEちゃんがこの曲をやりたいっていうのでデータをあげたりしてたんだけど、できなくなっちゃったから応援メッセージを送りたいと思います」とスマホでオーディエンスと一緒にメッセージを撮影。この動画には、緊急入院でイベントに出演できなかったDIEも喜んだことだろう。その後、DJ浅井博章が登場したり、お客さんをステージに上がらせたりと楽しく遊んだあと、「あっという間すぎたので、次はあっちのバー(会場2階のアティック)でDJやってるので遊びに来てください」とひとこと。INAのDJタイムはまだまだ続くのだ。



そして、ステージに登場したのは、このイベントには欠かすことのできない存在であるSTCのひとりで、hideとも縁が深いCUTTがボーカルを務めるshame。



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shame

1999年に『hide TRIBUTE SPIRITS』に「LEMONed I Scream」で参加して注目を集めた彼らは、解散と再結成を繰り返しながら今年3年ぶりに再集結し、久しぶりにhide Birthday Partyへの参加となった。骨太なロックサウンドに聞きやすいボーカルが魅力のバンドだが、サービス精神旺盛なCUTTのMCも聞きどころのひとつである。「子 ギャル」のバースデーバージョンで会場を盛り上げたあと、「shameの曲でも盛り上がっていきましょう」とオリジナル曲「Doll」の練習をしたり、「LEMONed」の意味をしっかり説明したり、オーディエンスを満足させるためにいろいろ考えて実行しているところはエンターテイナーの鏡である。ラストを思い出の曲「LEMONed i Scream」で締めくくり、演奏が終わって幕が降りてきても、最後の最後まで会場に手を振り続けていた彼らは来年久しぶりのツアーも予定しているという。



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Sillys

幕が開くと、ドラムセットの前にメンバー3人が座っている。木村世治(vo&ds / ZEPPET STORE),Chirolyn(vo&b / hide with Spread Beaver)、高野哲(vo&g / ZIGZO)の3人からなる全員ボーカリストのスリーピースバンドSillysのhide Birthday Party初参戦。とはいえ、木村世治とChirolynはこのイベント常連組なので、新鮮でありつつ、安心感も共存するという不思議な感覚である。ドラム、ベース、ギターのシンプルな音の上に3人の個性が違うボーカルがのり、ソロで歌ったり、ツインボーカルになったり、ユニゾンだったり、コーラスだったり、曲によってパートによってメインボーカルが変わる。その表情はまるで少年のようにとても生き生きとしていて、自由で楽しいロックンロールの初期衝動を彼ら自身が楽しんでいることが伝わってくる。3人で和気あいあいと「ピンク スパイダー」を演奏したあと、最後にChirolynの「懐かしいの、いっちゃうよ~!」という声でソロの代表曲「君は変わっちまった」をプレイ。強烈なインパクトを残して、彼らのライブは幕を閉じた。



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defspiral

出演アーティストの最後を飾るのは、DJ浅井博章に「永遠の若手」と紹介されていたdefspiral。幕が上がるとツインドラムが2台セットされており、ベースアンプが2台、ギターアンプが3台とステージ上は機材だらけである。最後のセッションのためのセッティングであるが、defspiralがイベントのバンドトリをつとめ、セッションのキーパートを担当するこのスタイルはずっと変わっていない。彼らはhideのミュージカルやホログラフィックライブでも演奏を担当しており、こういうシーンでは絶大な信頼がおけるバンドであると同時に、この一大イベントのトリを務める貫禄をもっていることにほかならない。ライブの1曲目はヘヴィな「Nyx Dance Hall」。音源リリースとツアーをコンスタントに行なっている彼らだけに、音のまとまり感が実に気持ち良い。hideの楽曲「DOUBT」「限界破裂」はカバー曲と思えないほどdefspiral流に昇華されている。ラストに演奏されたゴージャスな「SPIN THE UNIVERSE」、ドラマティックな「銀河航路」は3ヶ月連続音源リリース企画の第2弾・第3弾として、今年9月・10月にリリースされた楽曲だし、その着実な進化は本当に頼もしい限りである。



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defspiral

すべての出演者のステージが終わったところで、毎年恒例の大セッション大会。PATA(X JAPAN/RA:IN)とJOE(hide with Spread Beaver)が登場し、この日の出演者も全員ステージに呼びこまれる。曲は「CELEBRATION」と「TELL ME」の2曲。毎年恒例ながら、自由に楽しそうにステージ上で演奏している(一部遊んでいる人も?)出演者を見ていると、本当にハッピーな気持ちになれる。

もはや年末の風物詩である。演奏が終わって全員での記念撮影の時、Chirolynがいないことが発覚。全員で名前を呼んで、物販スペースにいたChirolynもステージに駆けつけ、無事に集合写真の記念撮影を行うことができた。5月のhide with Spread Beaverワンマンライブの時は車椅子での出演だったPATAもしっかり歩いてギターを弾き、「今年もありがとうございました。松本も喜んでいると思います」と挨拶。JOEも「来年もよろしく!」と満面の笑みでオーディエンスに手を振った。



このBirthday Partyとシンクロするように、前日の12月12日から14日までの3日間、横浜のローソン・ユナイテッドシネマ STYLE-S みなとみらいにて今年5月に行われたhide with Spread Beaverのワンマンライブ映像『hide with Spread Beaver VRシアター』が上映された。イベント前日の12月12日、映画館のアフターミニトークショーに登壇した松本裕士氏(hide オフィシャルマネジメントオフィス ヘッドワックスオーガナイゼーション 代表取締役)が、2026年の3大ビッグニュースを公表。この日もイベントの締め括りに登場し、自らを「口の軽い男」と笑いながら、改めて来年の予定を発表した。5月2日(土)に『トリビュートライブ - Hi-Ho! -』を、9月6日(日)に9年ぶりの復活となるフェス『MIX LEMONeD JELLY』を開催。その後、hide with Spread Beaver が3年ぶりのワンマンツアーを行う。



2026年もhideファンにとって、楽しいことがたくさんある1年になりそうである。





hideを愛する新旧のファンが集う恒例のイベント、今年は本人の誕生日に開催【オフィシャルレポート】

ALL CAST
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Text:大島暁美 Photo:Miho Nagai (LINKSOLU,Inc.) / Hiroyuki Ueno (LINKSOLU,Inc.)





【公演情報】
『hide Birthday Party 2025』
12月13日(土) 神奈川・川崎 CLUB CITTA'

<イベント情報>
『トリビュートライブ ―Hi-Ho!― 』5月2日(土)
『MIX LEMONeD JELLY』9月6日(日)



<ツアー情報>
『hide with Spread Beaver ワンマンツアー』
※各イベントの詳細は決定次第、hideオフィシャルサイトにて順次発表いたします。



hide オフィシャルサイト

http://www.hide-city.com



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