「頑張ってるよね」その一言を届けたくて――高尾颯斗が語る、葛藤と主演作の裏側
(撮影/稲澤朝博)

「人生はままならない。それでも……」。そんな等身大のメッセージが込められたドラマ『ゆかりくんはギャップがずるい』。主演を務める高尾颯斗(ONE N' ONLY)は、かつて2年にわたるストリートライブを経験し、理想と現実の狭間で「ままならなさ」を誰よりも味わってきた表現者だ。
初の主演ドラマで「子犬のように可愛い男子」と「大人の色気」と、2面性のある「ゆかりくん」を演じた高尾に、難しかったと言う「可愛い系男子」の役作り、劇中で披露される見事な“筋肉美”の裏側に隠された意外なエピソード、そして今後の俳優業の目標まで語ってもらった。「誰かの心を動かしたい」と語る彼の真摯な眼差しからは、より高みへ羽ばたいていく未来が見えた。



「可愛い」を演じるのが難しかったです

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――「子犬系の可愛い男子」と「クールなかっこいい警察官」という二面性のある“ゆかりくん”、演じ分けが難しかったのではないかな?と思いましたが、いかがですか?



ゆかりくんは、あえてやっているのではなくて、無意識に二面性を持っているので、客観的に見ての違いを意識しました。ゆかりくん自身は無自覚なんだけど、芽衣子先生から見たら「可愛い!」となるように見せる無意識の「可愛さ」を出すのが難しかったです。
グループ活動では「カッコいい」を表現することのほうが多いですし、真面目な部分が出ている、警察官のゆかりくんはやりやすかったんですけど……。「可愛い」の方はもう、原作を読み込んで、表情を見て、覚えて、自分の中に落とし込もうというところを意識して演じました。



――確かに、ONE N' ONLYでも高尾さんはステージではカッコいいほうが多いかも? 台本に「芽衣子、雄みにドキッとする」って書いてあったんですが、どんな雄みだろうって楽しみです。



僕の場合は、雄みをなくすほうが難しいというか……、「キュルルン」みたいなほうが本当に苦手で(笑)。そっち(可愛さ)を加えて、雄みをなくしたらちょうどいいかなって思って、可愛いほうを演じました。



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――「キュルルン」な男子はそんなにまわりにはいない?



いないです。しかもアイドルとして出すのとはまた違くて、無意識で「可愛い系」はいないかなと思います。(山下)永玖((ONE N' ONLY)とかは無意識で「可愛い」が出てるんで、勉強になります。台本を読んで「永玖だ!」ってなりました。永玖さんが役作りに乗ってました(笑)。



――高尾さんにもギャップってありますか?



ステージと普段は違うよね、と言っていただくことは多いです。ライブでの印象と普段は確かに違うと思います。でも初対面の方には怖い人なのかなって思われたりするので、ライブだけ観てくれた方から、インスタライブで気を抜いてしゃべっている僕を観て「同じ人だと思わなかった」と言われます。



「頑張ってるよね」その一言を届けたくて――高尾颯斗が語る、葛藤と主演作の裏側

敬語の中にタメ口を混ぜるゆかりくんは、ずるいです

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――ゆかりくんにときめく芽衣子がとても可愛くて、視聴者も芽衣子に感情移入して観てしまうと思うんですけど、芽衣子のことはどう思われましたか?



芽衣子はすごくまっすぐに自分の感情に向き合っていられているのが、素敵だなと思って。僕自身は、考えすぎてしまって、自分の気持ちを表現できないことが多いので。感情表現はできるんですけど、自分の気持ちを発言するとなると、こう言ったらこう受け取られるかな、とか考えすぎて、自由奔放に話せないところがあります。



――ゆかりくんは、不器用に見えて、キメるところはキメる男気もありますよね。



そうなんです。でも、「なんでそんなこと言っちゃうの?」みたいな、自分の感情と向き合い切れていない、感情を隠してしまうままならなさが出てしまっている場面もあるので、そんなゆかりくんには共感できました。



――不器用だったり、急にドキッとすることを言ったり、芽衣子はゆかりくんに振り回されますが、高尾さんは恋愛ドラマでの演技は初めてですよね。



そうなんです。でも日常で恋愛ドラマはけっこう観るので、なじみがないわけではなかったんです。ただ、実際に自分が演じるとなると、また違いました。少し非現実的な描写も違和感なくできたらいいなって、ドキドキしながら演じていました。



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――少女漫画で描かれる「キュン♡」は理解できました?



原作はお話をいただいてから読んだんですけど、一気に全部読んじゃって。いいな、ゆかりくん、ずるいなって(笑) ゆかりくんのずるさはすごくわかりました。



――どんなところがずるいと思われました?



ゆかりくんって、芽衣子がまだゆかりくんが年上の警察官であることを知らないときから、芽衣子の前で、警察官のときの余裕で大人な表情を見せたりするんです。その表情のギャップがまずずるかったです。それから、ゆかりくんは普段は芽衣子に対して敬語なのに、無意識にそこにタメ口を混ぜるんです。本人は使い分けをしているつもりはないけど、うっかり「ゆかりくん」と名前で呼んでしまった芽衣子に「ゆかりでいいよ」って言ったり。1話目からそんな感じで、学校にいるときと外で会うときとで全然違うんです。そこがすごくずるいと思いました。



鍛えていてよかった……と思いました

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――初の主演ドラマでもありますけど、座長として現場で気を付けたことはありましたか?



本当に初めてすぎて、グループのメンバーにも「どんなふうにいればいい?」って聞きました。でも監督や渡邊(美穂)さんやキャストのみなさんが現場の雰囲気を作ってくれていたので、僕は明るく楽しいキャラクターでいようかなって。「盛り上げよう!」と思ってやっていました。和気あいあいとした雰囲気の中で撮影できたんじゃないかなと思います。「ええやん!」「よっしゃー!」みたいにテンションを上げてました(笑)。「初めての主演」っていう感じが僕、全面に出ちゃってたんじゃないかなって思うので、みなさんが支えてくれていました。



――同年代の若手の俳優さんたちが多かったですけど、みなさんいかがでしたか?



すごく熱量が高くて、プロフェッショナルだったので、リスペクトを感じました。芝役の別府(由来)くんはメンバーの玲(沢村玲)とも別のドラマで共演していたので、もともと知り合いだったんですけど、実際に演じているところを見たらすごく勉強になりました。芝はゆかりくんの後輩警官として、物語をかき乱すんですけど、それが伝わりやすい演技で、かつ、芝の優しさも感じ取れて、すごいなと思いました。



――おふたりのシーンは芽衣子といるときのゆかりくんとはまた違った姿を見られそうで楽しみです! あと、ゆかりくんは「筋肉もすごい」というギャップがありますね。



はい、筋肉を見せるシーンがあるのは台本を読んで知ってはいたんですけど、半月くらいはあるし、それまでに……と思っていたんですけど、初日にそのシーンを撮ることになって。「これはまずい」と直前にパンプアップして臨みました。グループ(ONE N' ONLY)のメンバーは普段からみんな鍛えていて、僕も「鍛えろ!」と言われていたので、メンバーのおかげで助かったな、と思いました。



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「人生がままならない」と悩む人にメッセージ

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――このドラマは恋愛ドラマですけど、芽衣子やアナウンススクールの学生たちが、夢が叶わなかったり、叶いそうもなくて悩む姿も描かれています。芽衣子は「人生はままならない」と口にしますが、高尾さんもそんなふうに悩んだことはありましたか?



グループの活動がなかなかうまくいかなかったときは、悩みました。もっとこうなりたい、こうしたいというのはたくさん出てくるのに、なかなかそうはなれない、ままならなさは感じてました。でも結局、振り返るとそういうのって、周りと比べてしまって、羨ましく感じたりとか、そういう感情からきていたような気もします。それは、他人を見るのと同時に、自分って今どういう状態なんだろうとか、自分自身と向き合う時間にもなったから、あの時期も必要だったんだろうなって今は思います。



――悩みからひとつ抜けた高尾さんから、芽衣子のように悩んでいる人にアドバイスするとしたら?



僕も学生時代は夢を追いかけているんだけど、どこかうまくいかなくてやきもきしている人たちを身近で見ていました。そういう人たちから見たら、もしかしたら自分は少し進んだところにいるように見えていたかもしれないんですけど、自分の中では他人からは見えない葛藤があったから、きっとみんなそうなんだろうなと思うんです。人にはわからない悩みをみんな抱えているから、無責任に「絶対うまくいくよ!」とかそういう言葉はあまりかけたくないなと思います。ただ、みんな自分に対して、楽観的になってもいいんじゃないかなと思います。「絶対いけるぜ!」と自分に言い聞かせることって大事だと思うので、僕からはただ、肯定はしてあげたいなって思います。「頑張ってるよね」ってことはまず伝えたいです。



「頑張ってるよね」その一言を届けたくて――高尾颯斗が語る、葛藤と主演作の裏側

――現状を肯定することが大事。



自分ではままならないと思っていたとしても、みんなもう今充分頑張っています。頑張っているからこそ、ここから行きつく先が見えてしまう気がして、苦しくなることもあると思うので、先のことを考えすぎず、今を大事にしてほしいなって思います。



――行きつく先が見えたような気がしてしまう、というのはわかる気がします。夢もそうだし、人間関係でも、失敗を繰り返すと、行動に出ることが怖くなりますし。でも芽衣子は葛藤がある中でも、すごく頑張って行動を起こして、現状を変えていきますよね。高尾さんは現状を変えるために行動を起こすエネルギーはどうやって出されていますか?



たとえば誰かが困っているとか、こうしてあげたいなって思ったら、あまり考えずに動いてしまうほうかなと思います。この人にこうなってほしいな、こうだったらいいなって感情移入してしまう人に対しては先に心が動いちゃうので、行動に移します。逆にその人に行動してほしいなって思ったときも、ちゃんと会話をするのがいいのかなって。芽衣子もみんなのことをすごく真摯に考えているから、それが大胆にも見える行動につながっていると思うので、すごく素敵だなって思いました。



自分を観てくれた人が、頑張ろうと思ってくれることがやりがい

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――今後も俳優業にどんどんチャレンジされていくと思いますが、どんな目標をお持ちですか?



現時点では、自分は俳優としてまだまだなので、いろいろな作品に出させていただいて、たくさんのことを吸収できたらなというのが一番にあります。俳優って本当に奥が深くて、まだまだわからないことだらけ。ライブでステージに立つのとはまた違った表現力が必要なんだと毎回思うので、その面白みをどんどん深堀りしていきたいです。



――恋愛ドラマもよく観るとおっしゃっていましたけど、影響を受けた作品はありますか?



学生時代に観ていて今でも記憶に残っているのは「花より男子」とか「イケメンパラダイス」です。すごく好きでした。大人になっても記憶に残るってすごいことだと思うので、自分が当時楽しんでいたみたいに、今の若い子たちが、自分の出ているドラマを観て、キラキラした気持ちになってくれたら嬉しいです。
そのためにも、いろんな人を演じられる多面的な俳優になりたいです。出てみたい作品やジャンルもたくさんあります。ただ、どんな作品にしても、自分が演じることで観てくれる人が共感してくれて、自分自身を肯定できたりとか、頑張ろうって思ってもらえたりとか、その人に寄り添える作品づくりの一員になりたいと思います。



――それは今回の作品もそうだし、グループでの活動にも共通する、高尾さんのど真ん中にある信念みたいなものかもしれないですね。



仕事のやりがいってそこにあるんだなって、歳を重ねるごとに感じています。自分のことを見て、何かを頑張ろうと思ってもらえたりとか、感情がいい方向に動いてくれたら、すごく嬉しいし、心地いいんです。そういう表現をできる人でいられたら、いい人生になるなって思います。



――では最後に、恋愛が「ままならない」と感じている人たちに向けての質問です。「恋を叶えるために必要なもの」って何だと思います?



気合。



――気合!



気合です。これはもう本当、行動すること。やっていくぜ、自分から、という意気込みです(笑)。それで、なんとかなるっしょ! という、そこはもうその勢いで行ってほしいです!



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<作品情報>
『ゆかりくんはギャップがずるい』



「頑張ってるよね」その一言を届けたくて――高尾颯斗が語る、葛藤と主演作の裏側

【放送日時】
TOKYO MX:2月5日より毎週木曜21:25~
SBS(静岡放送):2月9日より毎週月曜24:51~
福島中央テレビ:2月15日より毎週日曜25:30~

【配信】
TVerにて無料見逃し配信( https://tver.jp/series/srofqchtnc )
FODにて見放題配信( https://fod.fujitv.co.jp/ )

【出演】
高尾颯斗、渡邉美穂、濱岸ひより、米倉れいあ、速瀬愛、別府由来

【オープニング主題歌】
Lienel『ままならない愛』(SDR)

【エンディング主題歌】
Straight Angeli『魔法のアンブレラ』(Ferment Label)

【原作】
あんどうまみ『ゆかりくんはギャップがずるい』(シーモアコミックス)

【監督】
進藤丈広、小村孝裕 (4、5話)

【脚本】
金杉弘子

【音楽】
遠藤浩二

【制作プロダクション】
ビデオプランニング

【製作・著作】
TOKYO MX

【HP・SNS】
https://s.mxtv.jp/drama/yukarikun/
https://twitter.com/mx_dramania
https://www.instagram.com/mx_dramania
https://www.tiktok.com/@mx_dramania

【ハッシュタグ】
#ゆかりくん




撮影/稲澤朝博、取材・文/藤坂美樹



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