
今週末の2025年6月21日(土)・22日(日)、京都・京都芸術大学内の京都芸術劇場 春秋座にて、藤間勘十郎 芸術監督プログラム「春秋座花形舞踊公演」が開催される。2023年に春秋座の芸術監督に就任、2024年より、舞踊公演から芸能講座までさまざまな場を設けプログラムを展開している勘十郎。

藤間勘十郎
京都芸術劇場は、2001年に京都芸術大学(旧名称 京都造形芸術大学)内に開設された、国内初の大学運営による本格的な劇場。主に歌舞伎の上演を想定してつくられた大劇場=春秋座と、主に現代演劇・ダンスの上演を想定してつくられた小劇場=studio21というふたつの空間を持つ。このうち春秋座は座席数843席という規模ながら、歌舞伎のための花道、セリ、スッポン、廻り舞台、鳥屋、宙乗り機構などを設置、オーケストラピットも設けられ、オペラの上演も可能という。そのテーマは「実験と冒険」。初代芸術監督を三代目市川猿之助がつとめた。古典歌舞伎の継承や再創造のみならず、「スーパー歌舞伎」やオペラ演出にも挑戦した彼の、舞台への思いがたっぷりと詰まった劇場だ。
三代目猿之助の姿に大いに刺激を受けたであろう勘十郎。2016年には、東京以外では初となる自身の会「藤間勘十郎春秋座花形舞踊公演」を春秋座で実施、その後もたびたびこの舞台に立ってきた。2024年9月には、歌舞伎界の若き才能、市川團子の研鑽の場として「新翔 春秋会」を上演、團子が初役で挑んだ『春興鏡獅子』小姓弥生・獅子の精が大きな話題に。團子は今回、勘十郎、芳澤壱ろは、若柳吉蔵とともに新作舞踊劇『小栗判官車街道』に挑戦する。説経節で知られる小栗判官の物語を歌舞伎にした、三代猿之助四十八撰の内『當世流小栗判官』の原作のひとつである「小栗判官車街道」を舞踊劇として再構成した作品だ。

市川團子

芳澤壱ろは

若柳吉蔵
また、『華舞競歌舞伎彩』ではまず、昨年9月に芳澤流を創設した芳澤壱ろはが、芳澤流の新振付として披露する『新鷺娘』。冬景色に娘姿の鷺の精が現れ、積もる恋心を長唄にのせて踊る。また『鬼揃紅葉狩』は、三代猿之助四十八撰『華果十曲』のひとつ。平維茂による戸隠山の鬼女退治を描いた能『紅葉狩』から歌舞伎化された作品で、勘十郎が鬼女、團子が維茂を勤める。
いずれも、舞踊の魅力がたっぷり詰まった作品。春秋座の空間でこそ楽しめる、充実のひとときに期待。
<公演情報>
京都芸術劇場 春秋座 藤間勘十郎 芸術監督プログラム
「春秋座花形舞踊公演」
當世流小栗判官(とうりゅうおぐりはんがん) より
一、新作舞踊劇『小栗判官車街道(おぐりはんがんくるまかいどう)』長唄連中
市川團子宙乗り相勤め申し候
市川團子
芳澤壱ろは
若柳吉蔵
藤間勘十郎
ほか
二、『華舞競歌舞伎彩(はなきそうかぶきのいろどり)』長唄連中
(上)舞踊『新鷺娘(しんさぎむすめ)』
芳澤壱ろは
(下)舞踊『鬼揃紅葉狩(おにぞろえもみじがり)』
藤間勘十郎
市川團子
芳澤壱ろは
若柳吉蔵
ほか
2025年 6月21日(土) 11:00/16:00開演
6月22日(日) 11:00開演
会場:京都・京都芸術劇場 春秋座(京都芸術大学内)
チケット情報:
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventCd=2509051(https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventCd=2509051&afid=P66)
公式サイト:
https://k-pac.org/