静嘉堂初! 究極の「おもてなし」を凝縮した「懐石のうつわ」を紹介する展覧会が4月7日から開催
《祥瑞松竹梅文袖形向付》景徳鎮窯 明時代(17世紀前半)

正式な茶会である茶事(ちゃじ)の中で抹茶を喫する前に供される、もてなしの料理「懐石(かいせき)」。その懐石の席で、料理に合わせて用いられるさまざまな「うつわ」に焦点をあてた展覧会が、4月7日(火)から6月14日(日)まで、東京・丸の内の静嘉堂文庫美術館・静嘉堂@丸の内で開催される。



静嘉堂初! 究極の「おもてなし」を凝縮した「懐石のうつわ」を紹介する展覧会が4月7日から開催

《色絵丸文台鉢》 有田江戸時代(17世紀)

茶事でいただく濃茶(こいちゃ)と薄茶(うすちゃ)をおいしく味わうために、空腹を和らげ、心身を整える食事である懐石では、一品ずつ出来たての料理が運ばれてくる。その際に客人の目を楽しませてくれるもののひとつが、料理に合わせて使われる多種多様なうつわの数々。日本のみならず、中国、朝鮮半島、ベトナム、オランダなど、各国各地でつくられた陶磁器、漆器、ガラスなどの様々な素材のうつわが、亭主の心尽くしの料理をいっそう引き立てる役割を果たしてきたのだ。こうした懐石のうつわを中心に取り上げる展覧会は、1992年の同館開館以来、初めての企画だという。



静嘉堂初! 究極の「おもてなし」を凝縮した「懐石のうつわ」を紹介する展覧会が4月7日から開催

《向付各種》日本・中国・朝鮮・オランダ 16~19世紀

見どころのひとつは、「懐石道具の華」とも言える「向付(むこうづけ)」のうつわ。向付とは、懐石の最初に出される主菜または副菜を盛りつける小鉢や皿のことで、これに盛られた料理を食した後には取り皿として使われる。さまざまな料理とうつわが出入りする懐石において、常に客人の前に置かれ続ける向付のうつわは、季節感や亭主の意図を表現する重要な役割を果たすとともに、客人にとっては、手に取って間近で観賞できる特別なうつわでもある。今回の展示では、様々な素材や生産国、多様な形状や色彩の優品が幅広く展示され、目を楽しませてくれる。



静嘉堂初! 究極の「おもてなし」を凝縮した「懐石のうつわ」を紹介する展覧会が4月7日から開催

《赤絵雉牡丹文向付》景徳鎮窯 明時代(16~17世紀)

茶事では、懐石を終えると、庭で休息をとる中立(なかだち)を経て、濃茶と薄茶を喫する後座(ござ)へと進む。今回の展覧会でも、最後の一室は、懐石の後の茶席をイメージした展示となる。懐石の発展と広がりに貢献した千利休や、利休が仕えた豊臣秀吉ら、桃山時代の茶人や戦国大名ゆかりの茶道具の名品が並ぶのが、同展のもうひとつの見どころ。世界に完品は3碗のみしか伝わっていない国宝《曜変天目(ようへんんてんもく)》や、織田信長から秀吉、徳川家康と天下人の手中にあった著名な茶入などが登場するのも楽しみなところだ。



静嘉堂初! 究極の「おもてなし」を凝縮した「懐石のうつわ」を紹介する展覧会が4月7日から開催

《黒楽茶碗紙屋黒》長次郎 桃山時代(16世紀)

<開催情報>
『美を味わう― 懐石のうつわと茶の湯』



会期:2026年4月7日(火)~6月14日(日)※前後期で一部作品の展示替えあり
[前期]4月7日(火)~5月6日(水・祝)
[後期]5月8日(金)~6月14日(日)
会場:静嘉堂@丸の内
休館日:月曜、5月7日(木)(※ただし5月4日(月・祝)は開館)
時間:10:00~17:00(※4月22日(水)、5月27日(水)は~20:00、6月12日(金)、13日(土)は~19:00)、入館は閉館の30分前まで
料金:一般1,500円、大高生1,000円
公式サイト:
https://www.seikado.or.jp

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