RAN×小山慶一郎が初共演で響かせたもの「小山さんのカリスマ性が光っていました」
左から)RAN、小山慶一郎 (撮影/梁瀬玉実)

合唱を通して仲間たちと心を響かせ合っていく高校生の歌声は、まっすぐすぎて心が震える。MAZZELのRANとNEWSの小山慶一郎が初共演した映画『アオショー!』は、個性豊かな生徒たちが合唱で絆を深め、青春を駆け抜けていく姿を描く爽やかな群像劇。

今作でRANは映画初主演、小山は待望のスクリーンデビューを飾った。RANの青春の思い出の曲はNEWSの「Weeek」という世代の離れたふたりだが、甘酸っぱい青春ドラマと向き合う撮影で心を通わせた。



RANくんが主役として現場の空気を作ってくれていた

RAN×小山慶一郎が初共演で響かせたもの「小山さんのカリスマ性が光っていました」

――本作は大人気の舞台、『絶対青春合唱コメディ「SING!!!」~空の青と海の青と僕らの学校~』が原作に映画版として新たに書き下ろされた青春群像劇です。今作に出演が決まった時のご心境からお願いします。



RAN 僕が初めてお芝居に挑戦させていただいた舞台が映像化されると聞いて、本当に嬉しかったです。映画のストーリーは、舞台と基本的な部分は一緒ですが、少し違った部分もあって。映画ではどんな見せ方や演出になるんだろうってワクワクしましたし、今の自分にできる全てを恭平という役にかけて、挑みたいと思いました。



小山慶一郎(以下:小山) 僕は先生役かと思ったら、まさかの高校生役で……驚きましたね(笑)。しかも、合唱部の部長で圧倒的なカリスマ性のある役ということで、こんな機会は今後一生ないから受けるしかないだろうと思って返事をしたら、マネージャーさんからは「本当にやるんですね?」と確認されました(笑)。



RAN×小山慶一郎が初共演で響かせたもの「小山さんのカリスマ性が光っていました」

――小山さんのキャラクターはRANさん演じる島の高校生ではなく、本土にある合唱エリート校の生徒ですね。



小山 はい、RANくんのライバル校の生徒です。僕が演じた貴宝院は、癖が強めでして。かなり鼻につくキャラクターとして存在できたと思っています(笑)。



RAN 小山さんが作り上げた貴宝院のキャラクターは、映画版のストーリーにすごくぴったりだったので、その癖強めのキャラクターに安心感がありました。



小山 ホント? 良かった。こういう役は初めてだったんで、セリフっぽく言った方が面白いかなと思って。RANくんはナチュラルなお芝居でしたけど、僕は貴宝院が出てきたら、「あ、なんか嫌な空気が流れてきたな」と思われたらいいなと思ったし、見終わってから、僕のモノマネできるぐらい癖があるように演じましたね。



RAN 貴宝院がちゃんと嫌なやつだったおかげで、僕も悉平の感情に没頭できました。何よりカリスマだからこその圧みたいなのがすごくて、目の前に立たれただけで負けた感がするキャラクターを作れるのは本当すごいなって。



小山 嬉しい!



RAN 初めて撮影でご一緒したタイミングは、あまり話したこともないうえ、時間に追われている状況の中、2人の緊張感あるシーンを撮ることになって。現場のピリッとした空気が作品にも上手く出ていますよね。



小山 確かに。RANくんが主役として現場の空気作ってくれてたんで、僕は本当に入っていって、そこに溶け込んでいくっていう作業だけで済んだからね。お芝居の経験があまりないなんて、信じられないくらい(笑)。悉平は合唱部のリーダーだけど、引っ込み思案であまり前へと行くタイプじゃない感じもよく分かるキャラクターだったな。



初日の撮影から小山さんの存在感に圧倒されました

RAN×小山慶一郎が初共演で響かせたもの「小山さんのカリスマ性が光っていました」

――ちなみに小山さんはキャリアが長くベテランのイメージがある中、初めての映画出演とは意外でした。



小山 ベテランさんですよね、恥ずかしながら(笑)。芸能活動を始めて25年目ですから! 今作を撮影していたのは、2年ぐらい前だったんですけど、その時、自分でも「まだやってないことあったんだな」って思いましたね。ちょぅどこれからお芝居をもっとやっていきたいなと前向きな気持ちでいたタイミングでの撮影で。その後、ドラマの主役やらしてもらったり、YouTubeでお芝居やったりという機会が増えたので、ありがたいですよね。いつか自分が出演する映画をスクリーンで観たいと思っていたので、夢が叶いました。



RAN 僕はスタッフさんや共演者の皆さんもそうですし、環境が整っていたおかげで、主演としていることができた感じで。さっきの取材で小山さんから「すごくお芝居がナチュラルだけど、今までどれだけ芝居やってきたの?って思うくらいだった」って褒めて下さったんですよ。自分にはもったいないぐらいの言葉をいただいて、嬉しかったです。僕的にはもう目の前のことにしっかり向き合っていただけなんですよ!



小山 いやいや。自分が力になれることがあればなと思って現場に行ったら、ちゃんと主役として現場にいて。ナチュラルなお芝居で、お芝居をしてるっていう感覚がないから、これで演技経験があまりないなんて怖いなと思ったよ(笑)。



RAN×小山慶一郎が初共演で響かせたもの「小山さんのカリスマ性が光っていました」

――お二人は今作で初共演ですよね。

合唱に情熱を注ぐ高校生役を一緒に演じられていかがでしたか?



RAN いやもう、僕はテレビで何度も拝見していたので、初めての映画でこんな大スターの方と共演できるなんて、という感じで。大先輩でもあるので、しっかりと気引き締めて挑もうって思っていました。初めてお会いした初日の撮影から小山さんの存在感に圧倒されましたね。カメラが回ってないところでも現場の空気感を作って下さいましたよね?



小山 いやいや。初日に撮ったシーンは、生徒役のキャストがたくさんいたからね。撮影がタイトだからピリピリした空気にならないように現場の空気を明るくしたかっただけ。僕がわーって盛り上げようとした時に、RANくんは壁を作らず、一緒になってこう楽しんでくれたんで助かりました!



RAN 僕はこれから小山さんみたいに現場で立ち振るまえたらいいなって、いろいろ学ばせてもらいました。



――現場でおふたりでお話する時間はあったんですか。



小山 いや、体育館のシーンではタイトな撮影スケジュールだったのと、演じた関係性がライバル校という設定で対立してたから、そんなに話せる感じでもなかったんですよね。



RAN そうなんですよ。



NEWSってRANくんからどう見えてる?

RAN×小山慶一郎が初共演で響かせたもの「小山さんのカリスマ性が光っていました」

――では、ここで改めてお互いに聞きたかったことはありますか。



RAN え、なんでしょう…。



小山 じゃあ、僕から質問ね! NEWSってRANくんにはどう見えてる?(笑)。



RAN 僕はNEWSさんの「Weeeek」がめっちゃ好きなんです!



小山 本当? 嬉しい!



RAN それこそ、ちっちゃい時にずっと聴いてきたので。



小山 え、ちっちゃい時!? そっか、そっか(笑)。そうだよなぁ。



RAN ちっちゃい時に聴いてた好きな曲って何だろうなって思い出すとパッと「Weeeek」が思い浮かぶんですよ。



小山 それぐらい曲が生活の中にあったんだね。



RAN だと思います。だから、今だから言えるんですけど、小山さんのことを「『Weeeek』の人たちだ」って思ってました。共演させてもらって、小山さんがNEWSの方だと思ったら、すごい経歴だし、レジェンドな方だなと改めて思ったんですよね。



――レジェンドといえば、小山さんが演じた役どころは合唱コンクールでも騒がれるくらいのカリスマ的存在でしたが、そのレジェンドぶりを発揮できましたか。



RAN 他校の女子の生徒たちからキャーキャー騒がれるシーンでは、小山さんが元々光っているカリスマ性が光っていて。元々持ってるものがないと、そのシチュエーションに合わなないので、さすがだと思いました。



小山 恐縮です(笑)。

NEWSのコンサートではいつも歓声をいただいてますけど。そのシーンは、監督が女子生徒役の皆さんに「もっと“キャー”って言って! もっと元気に! キャーがちっちゃい!」って叫んでいて。僕も生徒たちに「ごめん、ごめん、もうちょっとキャーもらっていい?」みたいな、そんな感じでした(笑)。それで「もうちょっとランウェイを歩きいているみたいに歩きます?」とか、どうしたら、そのシーンが盛り上がるか監督に相談しましたね。どんな仕上がりになっているかは、劇場で観ていただきたいですけど、あのシーンは楽しかったなぁ。



RAN×小山慶一郎が初共演で響かせたもの「小山さんのカリスマ性が光っていました」

――撮影中に青春を感じるような瞬間はありましたか。



小山 RANくんはたくさんあったでしょ?



RAN そうですね。いっぱいありましたね。合唱部の皆とは一緒にいる時間も長かったですし、カメラが回ってるとか、回ってないとか関係なく、本当の高校生みたいにふざけあったり、じゃれあったりしてましたから。合唱部のメンバーとはいっぱい話したし、ご飯も一緒に食べたし、そういう何気ない時間があったので皆さんとの距離が縮まりました。



小山 ご飯も食べに行ったんだ?



RAN 行きました! 普通にプライベートでも飯島寛騎くんからご飯に誘ってもらいましたし。あと、三浦獠太くんがサッカーをやっているので「フットサルしない?」って誘ってくれたので、参加しました。

サッカー経験者ばかりで、すごいフットサルでしたね。



小山 三浦くんにフットサルに誘われるってすごくない? パパはカズ(三浦知良)だから。サッカーDNAがそもそも違うっていう(笑)。



RAN そうなんです。思った以上にガチなフットサルでしたね。あの瞬間、1番青春していたかもしれないです。



小山 そっか。僕はRANくんの高校の合唱部の皆がカメラが回ってないところでも遊んでる姿を見て、青春を感じていたなぁ。僕はね、1匹狼みたいな役だったんで、制服を着たエキストラの子たちや、学生の子たちがいてくれたおかげで青春時代を思い出したというか。生徒役の皆と制服でいるだけで「こういう時あったなぁ…」って懐かしさが湧いてきた。



――生徒役のキャストの皆さんをお兄さん目線でみていたんですね。



小山 お兄さんですから(笑)。あと、RANくん側の高校の役にいたら、僕もそっちでワイワイ参加してると思うんですけど、ライバル側だったんで。青春より、こっちの役をどうにかうまく成立させたいなって感じでしたね。



ふたりのリアルな青春の思い出

RAN×小山慶一郎が初共演で響かせたもの「小山さんのカリスマ性が光っていました」

――では、小山さんのリアルな高校生時代の青春の思い出は?



小山 いいですか? 青春時代の思い出が古いっすよ(笑)。高校はチャリ通してたんですよ。途中で皆で集まって地元の精肉店に寄って、コロッケやハムカツを食べて帰ったのは、青春してたかなって思いますね。懐かしいな~(笑)。



――ロケ先は自然が豊かな田舎の離島で、日本の夏が感じられて、素敵な場所ですよね。おふたりは、青春時代の夏の思い出はありますか。



RAN 僕はもう正真正銘の田舎育ちなんですよ。熊本でも結構、田舎の方に住んでたので。熊本って栄えてる部分は栄えてるんですけど、街から10分くらい自転車や車で走ったら、すっごい田舎なんです。僕の実家の近くのランニングコースは、畑や田んぼ道で、もうめっちゃ青空が広がっていて、山が臨めて。そんな中で走ってましたね。そういう環境で育ってたんで、それが当たり前だとは思ってましたけど、自然豊かないい環境だったなと思います。



――映画の舞台のように自然いっぱいのところで育ったんですね。



RAN そうなんです。海はちょっと遠かったんですけど、山の風景の中での青春のシーンは、もうめちゃくちゃ自分もこういう時あったなって思いましたね。上京して、ビルがいっぱい建っていて、移動も地下鉄でっていう慣れない環境だったんで、最初は戸惑ったんですけど、最近はやっとちょっとずつ慣れてきました。



小山 自然溢れる場所での思い出いうと、僕は、キャンプをするんですよ。山とか川とか湖とか、自然豊かな場所は好きですね。まぁ、キャンプ好きなのに虫は苦手だし、正直、夜、真っ暗なのは怖いんですけどね(笑)。



――山でのキャンプって結構、真っ暗じゃなんですか?



小山 そうそう。自分、キャンプ用品でいちばん多く持ってるのは照明なんですよ(笑)。とにかく照明を炊くわけよ。そうすると虫がめちゃくちゃ集まってくるんですよ。だから、夜は照明をめちゃくちゃ照らすのはやめました。だから、怖いのよ。本当に真っ暗になりますからね。



――最後に青春時代の合唱の思い出がありましたら、教えて下さい。



小山 合唱曲といえば……「大地讃頌」ってなかったっけ。



RAN 「大地讃頌」……。



小山 小、中学校の時にさ、絶対に歌う曲ってあるじゃん。音楽の教科書の1番最後のページにあったのは、俺らは「大地讃頌」。



RAN 僕は「翼をください」でした。



小山 それは知ってるよ。



RAN 「翼をください」を歌ってました!



小山 合唱コンクールとか参加したことある?



RAN 僕、自分が中学生の時なんですけど、自分が歌ってた合唱コンクール曲名はちょっと忘れたんですけど。別のクラスが歌ってたのはEXILEさんの「道」だったんですよね。そのクラスの歌声がすごく印象に残ってて。そのクラスはコンクールで金賞を取っていて、みんなで「わーっ」って盛り上がっている姿を見ていて、「なんかいいな~、青春だなぁ」って思ったんですよね。



撮影/梁瀬玉実、取材・文/福田恵子



<作品情報>
『アオショー!』



9月5日(金)よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国公開



RAN(MAZZEL) 山川ひろみ
小山慶一郎(特別出演)



飯島寛騎 小泉光咲(原因は自分にある。) 三浦獠太 福崎那由他 大川泰雅
田畑智子 徳重聡 堤下敦インパルス渡辺いっけい 川上麻衣子 佐野史郎



監督・脚本:山口喬司
主題歌:moon drop「ブルーフィッシュ」(Getting Better / ビクターエンタテインメント)
プロデューサー:赤間俊秀
脚色:小林弘利
音楽:流歌
助監督:森山茂雄
撮影監督:吉沢和晃
録音:大塚学
美術:江連亜花里
スタイリスト:長妻和也(TEN10)
ヘアメイク:椿えりか(ランアップ)
制作主任:河野宗彦
後援:全日本合唱連盟/東京混声合唱団/東京国際合唱機構
企画・製作 VAROS 配給 ギグリーボックス



2025年作品/カラー/上映時間:119分



公式サイト:
https://aosho-movie.jp/



(C)2025 映画『アオショー!』製作委員会



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