
Text:川上きくえ Photo:吉田圭子
永井真理子が、オリジナル・アルバムとしては6年ぶりとなる新作『Can you hear me?』をリリースする。昨年末から今年の春にかけて、喉のメンテナンスのため歌唱活動を休止していた彼女は、曲作りをしながら、自身の歌声と向かい合った。そして完成した今作は、この数年の間に彼女の身に起きた衝撃的な出来事や不安、そして喜びをそのまま原動力にした作品となった。
使う音階は今までより斬新に、選ぶ言葉はいつになく大胆に。大切な人との別れによる、胸を裂かれる思い。歌手生命の終わりをも覚悟した恐怖。そして、どんな声も愛し抜こうと決めた強さ。――そのすべてが、これまでにない生命力と新しい表現力を生み出しているのだ。発売日には、楽曲をまだ聴かれていない状況で披露することになるエキセントリックなレコ発ライブも決定。手術によって低音の魅力が増した歌声とともに、スケールアップした永井真理子を感じてもらえるだろう。2週間後のもう1本も含め、きっと歴史に残るステージになるに違いない。
──新作アルバム『Can you hear me?』はオリジナル・アルバムとしては6年ぶりですが、すごくバラエティ豊かで、かつ説得力のある一枚になりましたね。
そうなんです。喉のメンテナンスや身辺の変化など、特にこの1~2年で経た経験が形になっている気がします。6年ぶりの新作とはいえ「Re★Birth」は2022年に配信でリリースした曲だし、「君が光を照らす」「WAVE THE FLAG」などすでにライブで披露した曲も4曲あるんですけど、そんな中でもハネモノだったり3拍子だったり、いつもと違うチャレンジも取り入れた作品になったなと感じています。
──喉の手術をして、より低い音域が出るようになったと聞きました。確かに、低音にぐっと重さが出ましたよね。
キー自体は変わらず、下がさらに出るようになったんです。例えば今までってマイナーコードの曲は気持ちが下がるし、なんとなく避けちゃっていたんです。でも、「We are making story」とか、今回はマイナーキーでも自分の声にすごくハマったんですよね。

──今回は1曲目の「Re★Birth」からはじまり、途中の「Rest in Peace ~for my best friend J~」、ラストの「Birthday Love Song」まで、全体通して死生観を感じる仕上がりになっていると感じました。そこは意識されてました?
うん、自分の中の生命力みたいなものを描きたいなと思っていたんです。恋愛というよりも、もっと大きな愛みたいなもの。特にこの3年くらいの間に、親友であったり音楽仲間であったり、作家の方やファンの方と一生の別れとなることが続いたんです。その中で、じゃあ自分が残っている意味って何?と考えて。みんなと出会えて、今を一緒に過ごしていること自体が奇跡なんだと強く感じるようになったんですよね。「この地球(ほし)に生きる」は、まさにその想いが形になった曲です。
──その死生観には、喉を手術したことも影響しているんじゃないかと思いました。ケガの治療とは違う、永井真理子の歌手生命を覚悟する出来事だったと思うんです。
ほんと、そうなんです。じつはあの時期、喉だけじゃなく耳も悪くしていて。でもずっと歌いたいっていう気持ちがあったので、少しでも可能性があるならと思って手術をしたんですけど……100%成功するとは限らず、結果どんな声になるかもわからない手術だったんですよね。もしかしたらこれで私の歌手生命は終わっちゃうかもって思った時期もありましたし、すごく怖かった。だから少しずつ声が出始めたときに、もううれしくて涙が出ちゃって。とにかく声さえ出るなら、それがどんな声であっても受け止めようと思ったんです。これはもう私の運命だ、この喉をうまいこと使いこなしてやろうって。そういう経験からどんどんポジティブになっていって、それまでなら臆病になっていたことも、周りに対して遠慮してしまっていたことも、もう諦めるのはやめようって思えたんですよね。
──それで全力でアッパーな「Doing! Going!」ができたわけですね。「やめることをやめましょう」って言い切るあたりに、覚悟と解放感の両方が詰まっています。
私、小さいころから、自分のやりたいことは妥協しないタイプなんです。でも、周りに対しては遠慮しちゃうというか、我慢しちゃうタイプなんですよね。そういう我慢をして自分を出すことをやめるとかもね、全部やめたんです。そう、やめました!

──その前傾姿勢がこのアルバムの生命力なんでしょうね。例えば「上手く愛せなくてもいい」は、ダメな自分と向き合った上で肯定していくところに人間味を感じます。
私ね、自分に何か不具合がおきたときに、悩んだり落ち込んだりを避けてしまう傾向があったんです。悩んで精神的や体調的に悪影響が出ないよう、逆に頑張りすぎちゃうというか。でも、そんな自分を受け入れるのも大事だなと思ったんですよね。悩みとか不安みたいなものも自分の一部として、一緒に付き合っていく。今までは励ます方向にもっていってたんだけど、受け入れちゃうのも人間っぽいかなって思うんです。
──「Shining Wind」も、同じ意味ですごく人間くさい1曲ですよね。
「Shining Wind」なんて、答えまで到達していない歌詞ですから(笑)。それよりもっと前の、探しに行きたいなって思うところに焦点を当てているんです。その中途半端な感じも今までなかったと思うんですよね。今までは「もっといったれ!」だったから。
──だからこそリアルに感じるんだと思います。声も低音の響きとパンチ力がすごくて、ぞくっとしました。
これは低音がものすごく強く出ましたね「Doing! Going!」とか「WAVE THE FLAG」みたいにパーンと弾ける曲には負けちゃうミディアムテンポだけど、聴けば聴くほどじわじわと心に沁み込んでいく曲なんだと思います。今回のアルバムは基本的にライブで歌うことをイメージして作ったので、歌声もアレンジも“生っぽさ”を意識して作ってるんです。そのぶん、ライブでより一層響く曲も多いと思うんですよね。


──発売日である10月19日(日)(大手町三井ホール)と、そこから2週間後の11月2日(日)(横浜ランドマークホール)にレコ発ライブがあるわけですが、どんなライブになりそうですか?
ほんと、どうなるんでしょうか。だって10月19日(日)は発売日だから、みなさん結局まだ聴いてないわけですよ(笑)。 もちろんライブまでに何曲か配信しようとは思ってるんですけど……お客さんが曲をほとんど知らない状態のライブはかなりのチャレンジなんですよね。逆に11月2日(日)はみんなたっぷり聴いてきてくれるライブなわけで、私としても同じ曲だけど2本まったく違うライブができるのが、今はすごく楽しみなんです。
──なかなかないですね、ライブで歌うも聴くもお互いに初めての状況って。でもいろんな経験と覚悟を経て完成したこのアルバムは、ライブで歌うことで得られる手応えも大きいんでしょうね。
うん。手応えとか、自分なりの答えを見つけると思います。これから進む方向とか、立ち方とか。なんか本当にこの3年ぐらい、自分の中でいろんな旅をしてきたんです。そこで、ピンチになったときというのは、つまりチャンスなんだっていうのを実感してきたんですよね。それに気づく前の私と今の私が大きく違うのは、もう周りとの調和のために我慢したり、守りに入ったりしないってこと。逆に変わっていくことは楽しいことなんだと、やっと思えたの。すごいでしょ? この歳になってもね、好奇心が勝ってるんです(笑)。だからライブも、ものすごく見ごたえあるライブになると思います。ズンと落とすところにピッタリな曲、雰囲気を変えるターニングポイントになる曲、完全に振り切って盛り上がる曲とか色々あるので、自分でも構成を考えるとわくわくするんです。私もめちゃくちゃ楽しみますので。ぜひ、新しい永井真理子を見に来てください!

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<リリース情報>
オリジナル・アルバム『Can you hear me?』
2025年10月19日(日) リリース
3,000円(税込)

【収録曲】
01.Re★Birth
02.WAVE THE FLAG
03.We are making story
04.Love Bird
05.Doing! Going!
06.君が光を照らす
07.Rest in Peace ~for my best friend J~
08.上手く愛せなくてもいい
09.my hero
10.Shining Wind
11.この地球に生きる
12.Birthday Love Song
<ライブ情報>
『オリジナル・アルバム レコ発ライブ『Can you hear me?』』
2025年10月19日(日) 東京・大手町三井ホール
開場 15:45 / 開演 16:30
2025年11月2日(日) 神奈川・横浜ランドマークホール
開場 15:15 / 開演 16:00
出演:永井真理子(vo)/ 林真史(key)/ COZZi(g)/ 渡辺豊(ds)/ 笠原直樹(b)
【チケット情報】
S席指定:13,000円(税込/ドリンク代別)※お土産付
A席指定:9,000円(税込/ドリンク代別)
※S席のお土産は公演により違うアイテムをご用意します。
※当日会場にてNew Album『Can you hear me?』ご購入の方を対象に公演終了後、握手会を開催。
■一般発売:9月27日(土) 10:00~
https://w.pia.jp/t/marikonagai25/(https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventCd=2530309&afid=P66)
関連リンク
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