国際芸術祭「あいち 2025」9月13日から 国内外60組超のアーティストが参加、瀬戸市のまちなかでの展示も
バゼル・アッバス & ルアン・アブ=ラーメ《May amnesia never kiss us on the mouth: only sounds that tremble through us》 2020–22 Photo: Christian Øen © Astrup Fearnley Museet, 2023.

3年ごとに愛知県を舞台に開催されている国際芸術祭「あいち」。6回目となる「あいち 2025」は、9月13日(土)~11月30日(日)、愛知芸術文化センター、愛知県陶磁美術館、瀬戸市のまちなかで開催される。

現代美術を基軸とし、舞台芸術などを含めた複合型の芸術祭。ムルヤナ、ダラ・ナセル、ソロモン・イノス、久保寛子、小川待子、諸星大二郎ら国内外60組を超えるアーティストが参加し、絵画、彫刻、映像、インスタレーションなど多彩な作品が展開される。
国際芸術祭「あいち 2025」9月13日から 国内外60組超のアーティストが参加、瀬戸市のまちなかでの展示も

久保寛子《ヒト新世の群像》 2022 Photo: 浅野堅一

今回は、芸術監督に、シャルジャ美術財団理事長兼ディレクター、国際ビエンナーレ協会(IBA)会長のフール・アル・カシミを迎えた。芸術祭のテーマである「灰と薔薇のあいまに」は、現代アラブ世界を代表する詩人、アドニスの詩の一節から取られている。戦争の惨禍を目の当たりにし、環境破壊を嘆きながらも、破壊の先に希望を見出したアドニスの詩から着想し、灰(終末論)か薔薇(楽観論)かという極端な二項対立ではなく、その”あいま”にあるニュアンスで世界をときほぐす。

様々な作品を通して、複雑に絡み合う人間と環境の関係を、国家や領土、民族といった人間中心の視点からではなく、地質学的な時間軸から考察することで、互いに信頼し、育み、補い合う道を探っていく。

国際芸術祭「あいち 2025」9月13日から 国内外60組超のアーティストが参加、瀬戸市のまちなかでの展示も

マリリン・ボロル・ボール《They took the mountains, gave us back concrete.》 2022

参加作家は、国内出身の26組を含むアジアのアーティストほか、中東、アフリカ、中南米など非西欧圏のアーティストも多い。先住民族にルーツをもつアーティスト、様々な理由で出身地とは異なる場所で活動するアーティストなど、多様なバックグラウンドを持つ。自らの社会的、文化的アイデンティティを見つめ直しながら、表現を模索するアーティストの作品などから、多様な考え方、ものの見方を知ることができる。

また、今回は愛知県陶磁美術館や瀬戸市のまちなかでも展開し、やきものにも焦点を当てる。瀬戸市では旧旅館など空間と作品の調和も楽しめる。千年続くやきものの伝統を育む地域資源や地場産業にも触れる機会となるだろう。

さらに、愛知芸術文化センターを中心に、セルマ & ソフィアン・ウィスィ、態変などの演劇・ダンスなどパフォーミングアーツの公演もある。公式ホームページをチェックしてから出かけたい。



<開催概要>
国際芸術祭「あいち 2025」



会期:2025年9月13日(土)~11月30日(日)
会場:愛知芸術文化センター、愛知県陶磁美術館、瀬戸市のまちなか
時間・休館日:会場により異なる
料金:
フリーパス:一般3,500円、大高2,300円
1DAYパス:一般2,100円、大高1,400円
チケット情報: https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventCd=2519474(https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventCd=2519474&afid=P66)
公式サイト: https://aichitriennale.jp/(https://aichitriennale.jp/ )

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