
演出家・宮本亞門の30年ぶりの映画監督作であり、2度目の災害に見舞われた能登を舞台にしたショートフィルム『生きがい IKIGAI』が、 6月20日(金) に石川先行公開、7月11日(金) に順次公開されることが決定した。
甚大な被害を生じた地震から8カ月後、豪雨という災害に再び見舞われた能登。
災害により心を閉ざした主人公・信三を演じるのは、1972年「劇団四季」に入団、『ジーザス・クライスト・スーパースター』で主演デビュー後、人気を博し、退団後は舞台だけにとどまらず、映画やテレビドラマで活躍する鹿賀丈史。石川県出身の鹿賀は本作の出演について「宮本亞門さんから、能登の現状やそこに生きる人を描いたショートフィルムを撮りたいというお話をいただき、即参加したいという意思を伝えました。少しでもこのショートフィルムで能登の方々が、元気になってもらえたらと思い撮影に挑みました」と出演を熱望したことを明かし、「このショートフィルムを通じて、観ていただいた方が少しでも強く生きていくということを感じていただけたら、これ以上幸いなことはありません」と本作に込めた思いを明かした。
信三の妻・美智子を演じるのは、映画『赤い月』で第28回日本アカデミー賞優秀主演女優賞を受賞した常盤貴子。常盤は能登を舞台にした連続テレビ小説『まれ』に出演しており、世界で一番好きな海は能登であり、能登を第二の故郷だと語るほど。常盤は本作の出演に関し「宮本亞門さんが能登のために立ち上がってくださる。私にできることがあるなら何でもしたいと思いました」と語り、撮影を振り返り「とてつもなく明るく、いつもあたたかく、愛に溢れた現場でした。それもそのはず。スタッフも、キャストも、みんながみんな、能登を思っての参加だったから。亞門監督、今の能登を撮影してくださり、ありがとうございます。
そのほか共演には、信三の心を開くボランティアの⻘年役に、日曜劇場『下剋上球児』『宙わたる教室』など話題作に次々出演し、現在も放送中のドラマ『恋は闇』に出演中の小林⻁之介。信三の甥・尚文役には、北野武監督の『ソナチネ』で映画デビュー以降、映画やTVドラマ、演劇と幅広く活躍する津田寛治。ボランティアセンターの上田役には、『ストリッパー物語』にて鮮烈なデビューを飾り、『蒲田行進曲』の小夏役などつかこうへい作品⻩金期を支えた根岸季衣と、実力派キャストが本作に参加し、災害により心を閉ざしたひとりの男が再び生きることに目を向けていく希望の物語を紡ぐ。
企画・脚本・監督を務める宮本は、30年ぶりにメガホンをとった本作について「能登の被災者が『元旦の震災、今度はこれか。まだ頑張らなきゃいかんのか』と語り、現地の女性が『突然、やることも目標も消える……こんなに辛いことはない』と呟いた言葉に、深いやるせなさを感じました。だから私は願います。命ある限り、諦めないでほしい。1日1日を生き抜けば、きっと希望が見える。その思いで30年ぶりにメガホンを取りました」と実際に現地での声がきっかけになっていることを語り、「この作品が、皆さんが“生きがい”を見つめ、心にそっと寄り添えますように」と本作に込められた願いに近い思いを明かしている。
ショートフィルム『生きがい IKIGAI』と併映されるのは、映画の撮影メイキングをきっかけに訪れた能登で、人々の声を収めるうちにドキュメンタリー作品として生まれた『能登の声 The Voice of NOTO』(監督・編集:手塚旬子)。フィクションとノンフィクションを同時に体感することで、2度の災害に苦しむ能登の今を知り、想いを馳せることが、能登の未来への一歩に繋がってほしい……という願いから生まれたプロジェクトだ。
さらに、ポスタービジュアルと予告編も公開。ポスタービジュアルは、温かな光の中でちゃぶ台を囲む信三と美智子の写真をメインに、壊れてしまった信三の家など災害の爪痕も感じさせるビジュアル。コピーは、「それでも生きることは、喜びなんだと信じたい」と添えられており、厳しい現状の中で描かれる希望の物語を感じさせる。
予告篇は、倒壊した家から助け出される信三のショッキングなシーンからスタート。全身泥だらけになりながらも、救助されてすぐに去ってしまう信三の姿に、心を閉ざし孤立している様子がうかがえる。しかし、ボランティアの⻘年との会話をきっかけに、加賀の方言で「ばかだなあ」と意味を持つ「だらやなあ」と笑う信三の姿も映し出され、信三にもう一度生きることに目を向けさせたきっかけは何だったのか、気になる映像となっている。
■主演:鹿賀丈史 コメント全文
昨年の元旦に能登地方を襲った大地震、そしてその後に起こった水害、このふたつの災害に能登の人々がどれだけ心をまたカラダを痛めつけられているのかと思うと気が気ではありませんでした。
そういう想いをしている時に、宮本亞門さんから、能登の現状やそこに生きる人を描いたショートフィルムを撮りたいというお話をいただき、即参加したいという意思を伝えました。
少しでもこのショートフィルムで能登の方々が、元気になってもらえたらと思い撮影に挑みました。
撮影自体は亜門さんの想いの強さもあり、丁寧に丁寧に撮影を重ねました。
このショートフィルムを通じて、観ていただいた方が少しでも強く生きていくということを感じていただけたら、これ以上幸いなことはありません。
■出演:常盤貴子 コメント全文
宮本亞門さんが能登のために立ち上がってくださる。
私にできることがあるなら何でもしたいと思いました。
とてつもなく明るく、いつもあたたかく、愛に溢れた現場でした。
それもそのはず。
スタッフも、キャストも、みんながみんな、能登を思っての参加だったから。
亞門監督、今の能登を撮影してくださり、ありがとうございます。
今しか撮れないこの景色を胸に、復興へ向かって歩んでいきたいと思います。
■監督・脚本・企画:宮本亞門 コメント全文
能登の被災者が「元旦の震災、今度はこれか。まだ頑張らなきゃいかんのか」と語り、現地の女性が「突然、やることも目標も消える...こんなに辛いことはない」と呟いた言葉に、深いやるせなさを感じました。
だから私は願います。命ある限り、諦めないでほしい。
その思いで30年ぶりにメガホンを取りました。
この作品が、皆さんが「生きがい」を見つめ、心にそっと寄り添えますように。
『生きがい IKIGAI』本予告
<作品情報>
『生きがい IKIGAI』(上映時間:28分)
6月20日(金) 石川県先行公開
7月11日(金) 全国順次公開
同時上映:ドキュメンタリー『能登の声 The Voice of NOTO』(監督・編集:手塚旬子/上映時間:38分)
公式サイト:
https://ikigai-movie.com
© 「生きがい/能登の声」フィルムパートナーズ