
昨年、周年の記念イベントを開催したWEST.、7人全員が主演する映画『裏社員。-スパイやらせてもろてます-』が5月2日(金)にいよいよ公開となる。
ほんわかして明るい映画だけど、見入ってしまう部分もある

©2025「裏社員。-スパイやらせてもろてます‐」製作委員会
――まずは全員で映画への出演が決まったご心境から聞かせて下さい。
中間 個人的には最近では演技のお仕事をあんまりしてこなかったので、映像作品への出演は久しぶり。メンバー全員との共演は、楽しそうやなと思いましたね。
神山 7人で演技をするのは、Netflixドラマ『炎の転校生REBORN』(2017年)ぶりでして。監督は、ジュニア時代に『いつかの友情部、夏。』(2009年)でお世話になった瑠東東一郎さんって聞いて率直に嬉しかった。久しぶりにお会いして、どういうWEST.を見せられるのか、新しい挑戦にワクワク、ドキドキしております!
濵田 監督からは「コメディだけど、ガッツリ友情の部分を見せたい」と言われていて。今のWEST.でどう表現できるのか、予想できないからこそ、ワクワクやなと思いました。
小瀧 「みんなでやれんのや、楽しみやな」っていうワクワクと未知の領域への不安もありつつ、誰がどんな風にこの物語進めていくのか、楽しみになりました。
――今作では、小瀧望さんと重岡大毅さんがさびれた商店街の住人、藤井流星さん、中間淳太さん、桐山照史さん、濵田崇裕さん、神山智洋さんが通常の業務を超えて秘密裏に処理をする“裏社員”演じましたが、個性的なキャラクターが勢ぞろいしていますよね。この人のこのキャラが良かったなと思うポイントはありますか?
小瀧 淳太が演じたジンは、キャラクター的に強め。
中間 まさか自分が演じる役の肩書きにケンカが強いっていう設定があるなんてビックリ。正直、大変かもって思ったけど、メンバーに支えていただいたおかけで乗り切れましたね。とくに濵ちゃんと神ちゃんにはアクション稽古に付き合ってくれて、ありがとう。
神山 いやいや、何もしてないから。「いいよ、いいよ」って言っていただけ(笑)。
中間 褒めながら伸ばしてくれて、本当に助かったわ。
濵田 神ちゃんの宝田は、俺がやりたかったぐらい神ちゃんと違うキャラやね。
神山 本当にそう。濵ちゃんに「ここはこうしてみたら」っていう提案をいっぱいくれて。
中間 結構、真逆やもんね、宝田と神ちゃん。
神山 そそ、真逆っすね!
中間 普段は自分の意見言うタイプじゃないから、思ったことを何でも言う宝田は面白かったな~。
小瀧 神ちゃんの役は、阿川建設の3人の中で物語を進めていく人。
神山 で、照史の宴がリーダー的な立ち位置やけど、意外と宴が引っ張っていたわけじゃなく……。この7人の役どころの中で1番自由度が高かったよね。アドリブをして、カットがかかるまでの部分を瑠東さんは切り取るんで、大変やった~!
小瀧 いつカットがかかるか分からんかったもんな。
神山 「ここは何しよう」ってずっと考えてた。でも、同じ会社の仲間を演じる濵ちゃんと照史にはとくに助けてもらいましたね。
濵田 僕の詳敷は、演じていても普通に笑ってもうた。
神山 詳敷って演じるのが絶対、難しいやろうなと思った。
濵田 難しかったよ。上手く演じられたか、不安でしかない!
中間 具体的にはどこが難しかったの?
濵田 無機質に意見を述べるシーンでのセリフのトーンとか含めて、どういう感じの人なのか掴むのが、難しかった。
中間 いやいや、濵ちゃんに合っていたと思うよ。
濵田 ホンマ?
中間 何を考えているか分からんとこ、たまにあるから(笑)。
神山 そうそう。たまにミステリアスっていうかね。
濵田 いや~、めっちゃ理系の役で賢いねんけども?
小瀧 いや、面白かったよ。想定外のセリフのテンポ感で。全員での掛け合いセリフとかもそう。最初はゆっくり言っていて、シーン全体を考えたテンポ感が良かった。
濵田 えぇー、しっかり見られてんなぁ(笑)。
中間 マコトは商店街をブラブラしている感じが、いいヒモ感というか。無気力感がめちゃくちゃ上手かった!
濵田 自然やったね~。
小瀧 完全憑依型で売ってるんで(笑)。……って冗談ですけど。

©2025「裏社員。-スパイやらせてもろてます‐」製作委員会
――では、桐山さん、重岡さん、藤井さんの役については?
小瀧 照史の宴はいちばん出ていて、1番忙しい役かも。
中間 ハマってたよね。1番役と本人がマッチしてるんじゃない?
神山 シゲの陽一郎と宴が本人にちょっと似てると思う。
中間 陽一郎なんて、めっちゃシゲ!
神山 シゲやねんけど、俺は「なんかシゲじゃない」って思う部分もあったな。シゲじゃなくて、ちゃんと陽一郎っていうか。上手いこと言語化できひんねんけど……。
濵田 まぁ、シゲっぽいけど、シゲはやらんやろなっていうところもあるから、ちゃんと役やね。
神山 そういうこと。
中間 流星のチャラは、川端建設で一緒の会社なんで、僕が1番絡んでるんですよ。なんでチャラとジンのふたりのシーンも面白いノリやと思う。
小瀧 基本、ほんわかしていて、おちゃらけた明るい映画なんですけど、要所要所で見入ってしまうシーンやグッとくるシーンがあるので、それぞれが演じているキャラクターが立ってくるんじゃないかな。
たくさんある「グッときた」セリフ

――シャッター商店街を取り壊すミッションを受けて、裏社員たちと商店街の住人たちが交流していくストーリーは笑いあり、人情あり印象的なシーンがいっぱいでしたが、お気に入りのシーンをワンシーンあげるなら?
中間 僕はマコトの家に行って、皆で飲むシーンかな。もう台本の時点でおもろかったんで、「絶対、笑うわ!」って思っていたけど、撮影当日に笑いこらえるのが大変でした。
濵田 皆のアドリブ芝居、面白かったな。一人ずつビンタされていて、僕がこっそり逃げようとするんですよ。その時、「1匹逃げようとしてますね」って追いかけられてアドリブで言われたセリフは、思わず噴き出しそうになった(笑)。
神山 自分は阿川建設の3人でお店をやるところで、僕1人だけめっちゃ張り切ってるっていうシーン。1人だけベクトルが違うよっていうところが面白かった。どこまで使われているか分からへんけど、瑠東さんがなかなかカットをかけてくれず、ひたすらずっと喋ったんですよ。そこはやっちゃってるかも!?(笑)。
小瀧 僕が印象的だったのは、撮影も大詰だったアクション。僕はアクションシーンが1番少なかったですけど、2、3日くらいあった撮影では、倉庫やいろんな廃墟で初めて撮影して。グループでガッツリアクションっていうの初めてのこと。

©2025「裏社員。-スパイやらせてもろてます‐」製作委員会

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――宴の「人を裏切らんように生きる」とか素敵なセリフも散りばめられていますが、グッときたセリフはありますか。
濵田 宝田が「自分の言いたいこと我慢するなんて、自分が1番かわいそう」って言うセリフが心に響きました。直感的な人に心を動かされて展開が変わるっていうシーンは、良かった。
小瀧 読み合わせの段階から泣きそうになったのは、陽一郎に対して、「お前も商店街も大っ嫌いだ!」って初めて感情が爆発するシーン。そこはマコトが本当に大っ嫌いなのは、認められない自分のことが1番大っ嫌いなんやって思ったら、役に一気に寄り添えたセリフでしたね。
中間 僕はチャラを助けた時に「ありがとう」ってお礼の言葉を言われるシーンがあって。そのシーンのセリフは全部グッときた。本当に泣きそうになったくらい。チャラの弱さを知っているからこそ、強くなった姿を見られて、良かったなって。
神山 うーん……どこやろうな。
濵田 神ちゃん、台本を1回、取りに帰る?(笑)。
神山 印象的なシーンだらけやからね。みどころだらけです!
今、大声で伝えたいことは?

――実際にリアルに裏社員として働いたら、誰がスパイとして1番活躍しそうですか?
小瀧 照史じゃない? もう人たらしだから、どっちでもいい顔して、うまくやっていってそう。やるしかないってなったら、やりそう。コミュニケーションお化けなんでね。
中間 俺は流星かな。人脈がすごいし、いろんな情報を知ってるから。情報収集はすごく上手やし。
濵田 なんか抜けてそうに見えてって感じやね。ミスはしそうやけど。
中間 逆にスパイに向いてないなと思うのは、シゲ。
濵田 分かる。スパイをしなくちゃいけなくなったら、「これ、無理や!」って言ってしまいそうな気がする。
小瀧 それに行動が読めない。僕たちのライブ中ですら、何をするか分からんし(笑)。
濵田 正直者で顔に出ちゃうんで無理やろうな。「ごめん、俺スパイ」って言ってしまうかも。
中間 確かに。自白しそう(笑)。
――演じていて、スパイに向いてる部分はあると思いましたか?
神山 宝田の場合は、ちょっとベクトルが違うんで。スパイと言っても、この中でも。でも僕は、人見知りなんで、スパイに潜入捜査したとしても誰とも話もせず、距離を縮めることなく終わると思います。
中間 のんちゃんは上手く立ち回れそうやな。
小瀧 えー、心理戦が無理。心のうちの読み合いとかが苦手。僕も結構顔に出ちゃうんで、向いてなさそうな感じするけどな。
濵田 俺も無理やね!
――商店街で開催する大声コンテストのシーンも面白いですが、実際に大声コンテストで対決したら、誰が1番メンバーの中でナンバーワンに声がでかいと思いますか。
神山 うちのグループ、全員声がデカいからな~。
中間 間違いなく、小瀧や!! 全部がでかいもん。拍手も、身長も、態度も(笑)。
濵田 拍手も、身長も、態度もでかい(笑)。親の顔が見たいね。
小瀧 親の顔、知ってんねんやろ。まぁ、確かに全部でかいか。流星は、前に出る声じゃないけど、響く声はしてるけどな。

――ちなみに今、大声でお伝えしたいことは?
神山 何でもいいですか。映画の公開日は5月2日です~~! そこが1番大事かな。
めちゃくちゃタイトな撮影やったんですけど、無事公開できるのが嬉しい。
小瀧 早く気温が安定してくれ~~!(※取材日は3月中旬) 寒いと思ったら、暖かくなって、暖かくなったと思ってちょっと薄着したら、もう次の日12度で寒いし。気温変動についていけない!
中間 俺は認めへんぞ~!! 最近、肌が痒いし、目から涙が出てくるんですよ。
神山 それ、やばいわ。
小瀧 うちのグループ、いなかったよね。第一号?
神山 え、俺、ダメな人。
濵田 俺もこの季節、目と鼻にくる。でも、クシャンクシャンっていうクシャミは神ちゃんがひどいよね?
神山 認めた瞬間に来ますから、認めません!
中間 俺も結構、初めてのことなんで。もしかしたらって思い始めたけど、認めたくない。
濵田 分かる。叫びたいことは、早くゴルフのベストスコア更新した~~~い! ちなみに今スコアは80です!
小瀧 80はすごい!
――最後に映画を楽しみにしている皆さんにメッセージをお願いします。
中間 仲間っていいなと思えるような作品です。友達だったり、大切な人に会いたくなると思います。
神山 僕の宝田は、言いたいこと我慢すると自分がかわいそうだから、思ったことを言わないと気が済まない人。そんな風に言いたいことを言えたらいいけど、実際は色々難しいじゃないですか。でも、宝田という役を通して、自分ももっと意見を言ってみようと感じてもらえたら。
濵田 この物語を簡単に言うと、全員スパイやりたいわけではないんですけども、ある事情があってやっています。で、上手くいかないことがいっぱいあります。人間、色々ありますし、今日という日にどんなとんでもないことが起こるのか分からない人生ですけども、意外と近くに仲間がいると、見える景色が変わりまっせ(笑)。
小瀧 登場人物の7人はくせがある、変なやつばかり。でも、何でも言い合える仲間がいるって素敵なこと。だから、皆さんもいろんな出会いをして欲しいです。仲間によって自分の人生がより楽しくなったり、豊かになったりしますから。そんなことを感じてもらえる映画になっているんじゃないかな。
【作品概要】
「裏社員。-スパイやらせてもろてます-」
2025年5月2日(金)より全国公開

監督:瑠東東一郎 脚本:我人祥太、モラル
制作:松竹撮影所 配給:松竹
主演:WEST.(重岡大毅、桐山照史、中間淳太、神山智洋、藤井流星、濵田崇裕、小瀧望)
出演:恒松祐里 森香澄 剛力彩芽/藤原紀香 竹中直人 ほか
主題歌:WEST.「ウェッサイソウル!」(ELOV-label) 作詞・作曲:トータス松本 サウンドプロデュース:ウルフルズ
◆特報: https://youtu.be/zk4eHYJ_lQk
◆予告編: https://youtu.be/JlTsPRjBRXE
◆スペシャル映像: https://youtu.be/CWN9z-IrZzM
©2025「裏社員。-スパイやらせてもろてます‐」製作委員会
撮影/梁瀬玉実、取材・文/福田恵子