『国宝』カンヌ国際映画祭公式上映で止まぬ拍手 吉沢亮「すごく胸に来るものがあった」
左より)李相日監督、吉沢亮、横浜流星、渡辺謙 (C)Kazuko Wakayama

カンヌ国際映画祭「監督週間」部門に選出された映画『国宝』が現地カンヌにて公式上映され、主演の吉沢亮のほか、横浜流星、渡辺謙、李相日監督が参加した。



『国宝』カンヌ国際映画祭公式上映で止まぬ拍手 吉沢亮「すごく胸に来るものがあった」

『国宝』カンヌ国際映画祭公式上映で止まぬ拍手 吉沢亮「すごく胸に来るものがあった」

『国宝』は、2017年から朝日新聞にて連載された吉田修一の同名長編小説で、中村鴈治郎の下で3年間歌舞伎の黒衣を纏い、楽屋に入った経験を血肉にして書き上げた渾身の作品。

任侠の一門に生まれながらも、歌舞伎役者の家に引き取られ、芸の道に人生を捧げる主人公・喜久雄の50年を描いた壮大な一代記だ。



上映会場で、「監督週間」ディレクターのジュリアン・レジは「本日は日本の監督をお迎えしまして、我々も非常に気に入った作品を紹介させていただきます。最近ではなかなか見ないメロドラマで、半世紀に及ぶ日本人の歌舞伎役者の半生を描いた作品です。そしてこの作品の特徴といえるのが、歌舞伎役者でもなく女形でもない、日本の映画界のスターの人たちが1年半かけて稽古をし、歌舞伎を再現しつつ、様々な人たちに歌舞伎を理解していただけるような映画になっています」と紹介。



『国宝』カンヌ国際映画祭公式上映で止まぬ拍手 吉沢亮「すごく胸に来るものがあった」

登壇した李相日監督は「ボンジュール! フランス語はこれだけしか喋れなくてすみません(笑)。歴史あるカンヌ国際映画祭、そしてとても意義の深い成り立ちであるこの監督週間に選ばれたことを本当に、とてもとても、日本のスタッフも他の役者も全員が光栄に思っております。そして今日は先ほどジュリアン氏が紹介してくれましたけれども、(吉沢たちを見ながら)彼らの献身と努力が無ければ歌舞伎の映画に真実味を持たせることはできなかったので、そんな彼らとこの場に立てることを非常に嬉しく思っております。ちょっと長い映画ですが(笑)、どうか最後まで楽しんでください」とコメントした。



吉沢は「ボンジュール! 本日は、映画に携わっている者にとっての憧れの地で、世界中の皆さまに、日本の伝統芸能である歌舞伎を題材とした映画をお届けできることを非常に光栄に思います。僕と流星が1年半かけて歌舞伎というものと向き合って、どうにか完成させた作品です。皆さまがどのようにこの作品を観てくださるのか、非常に不安もありますが、すごく楽しみにしております。今日は最後までお楽しみください」、横浜は「ボンジュール! 映画人としての憧れの地、カンヌに来ることができ、非常に嬉しく思っております。

日本の伝統芸能を題材にした人間ドラマが皆さまの心にどう届くのか、非常に楽しみにしております。上映を楽しんでご覧ください」と語った。



『国宝』カンヌ国際映画祭公式上映で止まぬ拍手 吉沢亮「すごく胸に来るものがあった」

そして、渡辺は流暢な英語で「グッドアフタヌーン! 皆さん本日はお越しいただきありがとうございます。本日ここに立てたことを本当に光栄に思います。ふたりの才能ある俳優の努力のたまものであるこの映画は、成功を手に入れるはずです。私は彼らの献身に心から敬意を払います。どうかこの作品をお楽しみください。そして繰り返しますが、この映画は少しだけ長いです(笑)」と挨拶した。



『国宝』カンヌ国際映画祭公式上映で止まぬ拍手 吉沢亮「すごく胸に来るものがあった」

その後、4人は会場内で820人の観客と一緒に鑑賞。上映が終わると、会場は割れんばかりの拍手と歓声に包まれた。約6分にわたるスタンディングオベーションが続き、いつまでもなりやまない拍手と歓声に4人は互いに手をとりあい、高く上げ、満席の観客に感謝を表現。吉沢と横浜は熱く抱き合い、李監督と渡辺は握手をするなど、お互いを称えあい、喜びを分かち合っていた。



『国宝』カンヌ国際映画祭公式上映で止まぬ拍手 吉沢亮「すごく胸に来るものがあった」

上映後、李相日監督は「(上映の)最後の最後で、ものすごくちゃんと我々が込めたものがすべて届いている、伝わっているという感触がダイレクトにあって、震えが来る感じがしました」と感動と興奮が入り混じる想いを述べた。



吉沢は「我々がこの作品に込めた熱量みたいなものをしっかり受け取ってくださって、これだけの盛り上がりを見せてくださり、すごく胸に来るものがありました」、横浜は「観終わった後の鳴りやまない拍手、あの光景はこれから先も忘れないと思いますし、本当に役者をやっていてよかったなと思える瞬間でした。ありがとうございます」、渡辺は「最後に喜久雄が観た風景を僕らみんなで観させてもらった、そんな気がしました。ちょっとやっぱりここ(胸)が震えました」とコメントし、李監督、吉沢、横浜、渡辺の4人全員が涙を滲ませ、感謝の言葉を述べた。



『国宝』カンヌ国際映画祭公式上映で止まぬ拍手 吉沢亮「すごく胸に来るものがあった」

<作品情報>
『国宝』



6月6日(金) 公開



公式サイト:
https://kokuhou-movie.com/



(C)吉田修一/朝日新聞出版 (C)2025 映画「国宝」製作委員会

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