デンジ役・戸谷菊之介＆早川アキ役・坂田将吾が考える『チェンソーマン』という作品がもたらした意味

2025年09月17日(水)12:00

デンジ役・戸谷菊之介＆早川アキ役・坂田将吾が考える『チェンソーマン』という作品がもたらした意味

2022年にTVシリーズが放送されると、幅広い視聴者を釘付けにしたTVアニメ『チェンソーマン』。今回、原作『チェンソーマン』の中でも、高い人気を誇るエピソード「レゼ篇」がアニメーション映画化される。

TVシリーズの最終話からつながる物語で、主人公デンジが偶然出会った謎の少女レゼに翻弄されながら、予測不能な運命へと突き進んでいく姿が描かれている本作。

TVシリーズから続投のデンジ役・戸谷菊之介と早川アキ役・坂田将吾に映画化するに当たっての気持ちや、2人にとって『チェンソーマン』とはどんな作品か話を聞いた。

『チェンソーマン』らしさが1つ掴めた作品

――映画化されることを知った時の気持ちを教えてください。

戸谷　めちゃくちゃ楽しみでした！「レゼ篇」は、レゼっていう魅力的なキャラクターがいて、そこを中心に動いていくのですが、原作を読んだ時に「レゼ、めっちゃかわいいな」「こんなん好きになっちゃうよ」って思いながら読んだので。ただ途中からの怒涛の展開を見ていると、「うわ、『チェンソーマン』過ぎるな」って思ったというか、『チェンソーマン』らしさが1つ掴めた作品でもありますね。

坂田　僕も「待ってました」と思いましたよ。関わる前から読ませていただいていた一読者としても、序・破・急の美しい流れのあるエピソードで、素晴らしいなってずっと思っていましたから。それが映画で見れるっていうのがもう楽しみで仕方がないです。

――今回の劇場版とTVシリーズで変えたところ、変えていないところがあればお伺いしたいです。

戸谷　僕はあまり変えていないですね。TVシリーズの時もそうですけど、デンジって素直な性格をしているし、思ったことをそのまま言うキャラクターだったので、そういうところは変わらずやっています。ただ、演出として、映画になった時に外連味を出していこうって監督と音響監督がおっしゃっていたので、コミカルなシーンはもっと大きく、戦闘シーンや落っこちて叫ぶシーンもさらに大きくやっていきました。

坂田　TVシリーズのストーリーを経て、ずっと復讐というものに囚われて生きてきた早川アキが、姫野先輩の最期とか、サムライソードの戦いを経て、明確に何かは変わっていると思います。ただ、僕としては、そこを表現し過ぎず、でも奥底で絶対に何か変わったものがあるっていうのを意識して、演じさせていただきました。曖昧ではありそうだけど、どこかでにじませられたらいいなと。

お互いの推しポイントは？

――お互いのキャラクターの推しポイントを教えてください。

戸谷　アキは、なんだかんだ言って、面倒見が良いですね。今回の「レゼ篇」でもそう。めちゃくちゃ熱いシーンがあったり、そういう星の下に生まれてるんですかね。めんどくさいやつをお世話する立ち位置というか。そこがいいところだなと思います。

坂田　デンジは…おもしろいなぁって思います。本当に欲に忠実に生きているし、俗っぽく言えばクソガキ感というか…上品な言葉で言うと……やんちゃ！やんちゃな感じが他の作品ではあまり見かけないようなキャラクターだなと思います。ともすれば嫌われてしまうんじゃないかみたいなキャラクターを、魅力的に描き上げているのがすごいなって。

――ご自身のキャラクターの「レゼ篇」での魅力も教えてください。

戸谷　はっちゃけてるなぁっていう印象を持つと思います。マキマさんとデートするってなったときの、一挙手一投足がもう本当にすごい浮かれてるんですよ。そこはね、僕も頑張りました。すごいおもしろく仕上がったと思うので、ぜひ楽しみにしてほしいです。あとレゼとしゃべっている時のドギマギしてる感じとかも魅力かなって思います。

――アキはいかがですか？

坂田　映画の中での魅力は、アキがデンジを守ろうとするところがあるのですが、そこでのアキの面倒見の良さ、捨てきれない人間性みたいなものが垣間見えるのが魅力的な気がしています。どうしても助けずにはいられないみたいなところが。

マキマとレゼ、どっち派？

――心を揺さぶられる描写っていうのが1つの見どころなのが、「レゼ篇」。ズバリ、おふたりはマキマとレゼ、どちら派ですか？

戸谷　難しい～！レゼかな～。

――おおー！！

戸谷　やっぱマインドが近しい人に僕はすごい引かれるんですよ。ノリが合うっていうのが魅力というか。

――坂田さんは、どうでしょう？

坂田　ええ～…そうですね、まあ、じゃあ、マキマさん！

戸谷　じゃあって（笑）

坂田　両方レゼ行くとアレかなって（笑）

戸谷　いや良いでしょ。素直な気持ちで！

坂田　いやでも、マキマさんの手の届かない感じというか、ミステリアスな部分とかをもっと知りたくなっちゃいますよ、僕は。そんな所があって魅力的なんじゃないかなと思います。

『チェンソーマン』はどんな意味を持つ作品？

――『チェンソーマン』といえば、原作はもちろん、TVシリーズ放送時から、すごく話題になった印象があります。おふたりにとって、どんな意味を持つ作品でしょうか？

戸谷　僕にとって初めて主人公を演じる作品だったので、育ててくれたっていうのもそうですし、この『チェンソーマン』をきっかけに、いろんな方に僕のお芝居を見ていただくことが増えたので、本当にありがたい作品です。初めて会う方とか、現場でも「『チェンソーマン』見ました」って言ってくれる方が多かったりして。逆に、「『チェンソーマン』のデンジ役やってます」って言うと「え！」って言われることもあるので。

坂田　自分から言うんだ？

戸谷　言うよ。知り合いになりたいっていう人だったらね。カードゲームをやってる時とか…。

坂田　ああ～！そういうことか！

戸谷　意外とね、顔は知られてないことも多いですよ。

坂田　ジモティーとかにも…。

戸谷　ジモティー？！

坂田　地元の友達って意味ね。

戸谷　なるほどね。サービスかと思ってびっくりした。

坂田　地元の友達とかも「TVシリーズ見てるけど、お前がやってんの知らんかったわ」とか言われたりもするから。

戸谷　そうだよね、たしかに、そうかも。

――坂田さんはいかがですか？

坂田　僕は明確にお芝居のやり方が変わったような気がするなぁと思います。早川アキを演じるにあたって、最初はもちろんプレッシャーみたいなものが少なからずあったのですが、自分の中でとにかくベストを尽くして、集中して。アフレコしている期間とかは、役のことばっかり考えていました。そのおかげでまた1つ、キャラクターに対するアプローチの仕方みたいなものが変わっていったなって。そういう機会を与えてくれた作品だなと感じています。

撮影／稲澤朝博、取材・文／於ありさ

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＜作品情報＞
劇場版『チェンソーマンレゼ篇』

9月19日(金)全国公開