故郷であるフランス北部のノルマンディーを拠点とし、瑞々しい色彩と軽快な筆致によって光と大気の様子を見事にとらえた海景画を多く描いた画家ウジェーヌ・ブーダン。若きクロード・モネに影響を与え、「印象派の先駆者」とも呼ばれるこの画家の、日本では約30年ぶりとなる回顧展が、4月11日(土)から6月21日(日)まで、東京・新宿のSOMPO美術館で開催される。
船乗りの息子として生まれたブーダン(1824−1898)は、港町ル・アーヴルで共同経営をしていた画材店で顧客のバルビゾン派の画家たちと交流し、画家を志す。パリのルーヴル美術館での模写を通じて、17世紀オランダの風景画などを学び、当初はノルマンディー各地で、のちには国外でも制作を行った。表情豊かな空模様を画面に大きく取り込み、光の微妙な変化をとらえたその作風ゆえに、「空の王者」とも呼ばれている。
ウジェーヌ・ブーダン《ドーヴィル》 1888年 油彩/カンヴァス 50×75.3cm
ランス美術館 (inv.907.19.32)C. LE GOFF(C)
同展は、フランス近代風景画の発展に大きく寄与したブーダンの初期から晩年に至る画業全体を、フランス本国から招聘した油彩、素描、パステル、版画など約100点を通じて辿るもの。と同時に、「海景画」でよく知られるブーダンを他の切り口からも改めて見直し、その画業を深掘りしようとする試みでもある。今回は、「海景」「空」「風景」「建築」「動物」「人物」「素描」「版画」の8つの切り口から、ブーダンの魅力に迫っていく。当初はバルビゾン派に影響を受けた動物表現や、難しいと言いながら取り組んだ建築モティーフなど、これまであまり意識されてこなかったブーダンの新たな魅力を見いだすきっかけともなるだろう。
ウジェーヌ・ブーダン《水飲み場の牛の群れ》 1880年 油彩/カンヴァス
79.3×109.6cm ランス美術館 (inv. 907.19.33)C. DEVLEESCHAUWER(C)
戸外制作を重視し、うつろいゆく自然現象の「瞬間」に向き合おうとしたブーダンの態度はまた、印象派に先立つものとして高く評価されている。同展では、素描やオイルスケッチによって、自然が垣間見せる「瞬間」をとらえたブーダンの制作プロセスにも注目する。印象派誕生から150年が経った今、印象派に先駆けて戸外制作で自然の臨場感をとらえようとしたブーダンの革新性を改めて考える機会となっている。
<開催情報>
『開館50周年記念 ウジェーヌ・ブーダン展─瞬間の美学、光の探求』
会期:2026年4月11日(土)~6月21日(日)
会場:SOMPO美術館
休館日:月曜、5月7日(木)(※ただし5月4日(月)は開館)
時間:10:00~18:00(※金曜は~20:00)、最終入場は閉館の30分前まで
料金:[事前購入券]一般(26歳以上)1,800円、25歳以下1,100円
[当日券]一般(26歳以上)2,000円、25歳以下1,200円
関連リンク
公式サイト:
https://www.sompo-museum.org/
チケット情報:
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventBundleCd=b2665745(https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventBundleCd=b2665745&afid=P66)

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