ボブ・ディランの最も熱かった時期を描いた傑作『名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN』
イラストレーション:高松啓二

映画・音楽・舞台など各ジャンルのエンタメ通=水先案内人が、いまみるべき公演を紹介します。



【水先案内人 高松啓二のおススメ】



1961年、ギターをかかえた青年はニューヨークに着くと憧れのウディ・ガスリーを見舞い、その日からミュージシャン人生が始まった。

本作は1965年までのボブ・ディランがボブ・ディランになる最も熱かった時期を描く。



何と言っても主演のティモシー・シャラメのディランのなりきりぶりに驚かされる。ミステリアスでユニセックスな雰囲気はティモシーの持ち味だが、サングラスをかけると激似!ミュージシャンの映画は、役者のポテンシャルから歌や演奏を吹き替えにすることが多いが、ティモシー本人が歌も演奏もしている。特徴的な声の再現度も高く、よく聞かないと判別できないくらい。



同様にジョーン・バエズ役のモニカ・バルバロやピート・シーガー役のエドワード・ノートンも自身が歌っている。そのせいかライブシーンは作り物っぽくなく引き込まれる。また、似せるだけでなく、ディランが60年代の時代を駆け抜けたエネルギーが画面からはじけ飛び熱気を感じる。ミュージシャン映画のマスターピースの誕生だ!



<作品情報>
『名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN』



2月28日(金) 公開



監督:ジェームズ・マンゴールド
出演:ティモシー・シャラメ、エドワード・ノートン、エル・ファニング、モニカ・バルバロ、ボイド・ホルブルック、ダン・フォグラー、ノーバート・レオ・バッツ、スクート・マクネイリー



公式サイト:
https://www.searchlightpictures.jp/movies/acompleteunknown



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