「豊岡演劇祭2025」本日開幕 演劇と街が交わる13日間
「豊岡演劇祭2025」

兵庫県豊岡市で開催される「豊岡演劇祭2025」が、本日9月11 日(木)に開幕。23日(月・祝)までの13日間にわたり開催される。

今年6年目を迎える本演劇祭は、演劇を中心にダンス、パフォーマンス、音楽など幅広い表現が集うフェスティバル。観光やまちづくりと連動した“回遊型”の演劇祭として、自然豊かな但馬の地を舞台に、地域住民・観光客・アーティストが交わる、唯一無二の文化体験を提供してきた。



地域とともに成長を重ねながら“観光と舞台芸術が融合するフェスティバル”として注目を集めている本演劇祭の今年のテーマは「演、縁、宴。」(えん、えん、えん)。演劇や観劇に通じる「演」、思いがけず人が触れ合う「縁」、出会った人と食卓を囲む「宴」という、演劇祭の多彩な楽しみ方を表わす。フェスティバルディレクターの平田オリザがセレクトした「ディレクターズプログラム」と、舞台芸術の可能性をより拡張する「フェスティバルプロデュース」のふたつのカテゴリーでおくる公式プログラムとして上演されるのは、気鋭の劇作家・松原俊太郎と、二人組の舞台作家・小野彩加 中澤陽 スペースノットブランクによる協業『魔法使いの弟子たちの美しくて馬鹿げたシナリオ』、国内外で高い注目を集めるチェルフィッチュがノン・ネイティブ日本語話者と挑むSF演劇『宇宙船イン・ビトゥイーン号の窓』、平田オリザが作曲家の中堀海都と共に、現代演劇、現代音楽、現代アートが融合する総合芸術作品を目指すシアターオペラ『その星には音がない ―時計仕掛けの宇宙―』など注目作が並ぶ19プログラム。



さらに、200以上の応募作品から選出された約60団体によるフリンジプログラムが加わる。劇場だけでなく、城崎温泉の街角や、豊岡の歴史的建築、竹野のビーチなど、街全体をステージに変えて繰り広げられるのも大きな魅力だ。地元の飲食店やマーケットと連動したフェスティバルナイト、アーティストと観客が交流できるトークイベントも開催され、豊岡ならではの演劇祭の楽しみ方が広がっていく。



演劇ファンはもちろん、観光を兼ねて初めて演劇に触れる人まで、多様な観客に開かれた場として、2025年の初秋を彩る。




<開催概要>
豊岡演劇祭2025



会期:2025年9月11 日(木)~23日(火・祝)
開催地:豊岡市、養父市、香美町、朝来市、新温泉町を含む兵庫県但馬地域全域



[ディレクターズプログラム]

■松原俊太郎 /小野彩加 中澤陽 スペースノットブランク『魔法使いの弟子たちの美しくて馬鹿げたシナリオ』(演劇)



「豊岡演劇祭2025」本日開幕 演劇と街が交わる13日間

©Dan Bellman

気鋭の劇作家と二人組舞台作家による“魔法劇”。



作:松原俊太郎
演出:小野彩加、中澤陽

日程:9/13(土)~15(月・祝)
会場:芸術文化観光専門職大学 静思堂シアター(豊岡)




■河合穂高 × 下鴨車窓『黄色の森』(演劇)



「豊岡演劇祭2025」本日開幕 演劇と街が交わる13日間

新進気鋭の劇作家、河合穂高が第8回(2022年)せんだい短編戯曲賞を受賞した密度の高い会話劇を初上演。

作:河合穂高
演出:田辺剛(下鴨車窓)
日程:9/19(金)~21(日)
会場:豊岡市民会館(豊岡)




■チェルフィッチュ『宇宙船イン・ビトゥイーン号の窓』(演劇)



「豊岡演劇祭2025」本日開幕 演劇と街が交わる13日間

©前澤秀登

日本語演劇の可能性を更新してきたチェルフィッチュが挑む、日本語を母語としない俳優と創作したSF演劇。

作・演出:岡田利規
日程:9/22(月)・23(火・祝)
会場:芸術文化観光専門職大学 静思堂シアター(豊岡)




■田村一行/大駱駝艦 +豊岡市民舞踏団「但馬鸛鵲楼」特別出演:麿赤兒
舞踏 但馬風土記『城嵜霊湯縁起』
(舞踊)



「豊岡演劇祭2025」本日開幕 演劇と街が交わる13日間

舞踏カンパニー「大駱駝艦」の田村一行が地域の風土からインスピレーションを受け創作した舞踏作品を市民舞踊団と共に届ける。



振付・演出・美術:田村一行
日程:9/23(火・祝)
会場:豊岡市民プラザ(豊岡)




■城崎国際アートセンターAIRプログラム2025/26
平田オリザ + 中堀海都 シアターオペラ『その星には音がない ―時計仕掛けの宇宙―』
(演劇・音楽)



「豊岡演劇祭2025」本日開幕 演劇と街が交わる13日間

©︎ igaki photo studio

劇作家・演出家の平田オリザ、作曲家の中堀海都によるシアターオペラ第2弾。宇宙と心象をテーマに、最新の立体音響技術を用いて現代演劇、現代音楽、現代アートが融合する総合芸術作品を目指す。

脚本・演出:平田オリザ/作曲・指揮:中堀海都
日程:9/12(金)・14(日)・15(月・祝)
会場:城崎国際アートセンター(城崎)




■城崎国際アートセンターAIRプログラム2025/26
王嘉明/Shakespeare's Wild Sisters Group ✕ タニノクロウ/庭劇団ペニノ『誠實浴池 せいじつよくじょう』
(演劇)



「豊岡演劇祭2025」本日開幕 演劇と街が交わる13日間

photo by Hsuan-Lang LIN, provided by National Theater & Concert Hall

日本と台湾の気鋭のふたりが、もともと大衆浴場だった場所を舞台に繰り広げる不思議な物語。

作・演出:王嘉明(Shakespeare's Wild Sisters Group)、タニノクロウ(庭劇団ペニノ)
日程:9/21(日)・22(月)
会場:城崎国際アートセンター(城崎)




■スリーピルバーグス 第3回野外公演 in ビーチ!『歌唱劇 パラダイスをくちずさむ』(演劇)



「豊岡演劇祭2025」本日開幕 演劇と街が交わる13日間

脚本家・演出家の福原充則を中心に結成されたユニットの野外公演。竹野のビーチを舞台に変えておくる歌唱劇。

作・演出:福原充則
音楽:益田トッシュ
日程:9/19(金)~21(日)
会場:竹野浜特設ステージ(竹野)




■喜界島サンゴ礁科学研究所 演劇プロジェクト『海のセレナーデ』(演劇)



「豊岡演劇祭2025」本日開幕 演劇と街が交わる13日間

『海のセレナーデ』(2025年/金沢21世紀美術館)

研究者と劇作家、演出家による共創プロジェクト。ヒトと自然の新たな関係性による未来集合知を探る。

劇作:宮崎玲奈
演出:山下恵実
企画ディレクション:山崎敦子(名古屋大学/喜界島サンゴ礁科学研究所)
総合プロデュース:渡邊 剛(総合地球環境学研究所/北海道大学)
日程:9/13(土) ~15(月・祝)
会場:江原河畔劇場(江原)




■青年団『S高原から』(演劇)



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©︎igaki photo studio

1991年初演。高原のサナトリウムでの静かな午後が描かれる青年団の代表作。

作・演出:平田オリザ
日程:9/19(金)~23(火・祝) ※9/21(日)休演日
会場:江原河畔劇場(江原)




■ハイドロブラスト『最後の芸者たち リクリエーション版』(演劇)



「豊岡演劇祭2025」本日開幕 演劇と街が交わる13日間

©︎igaki photo studio

城崎温泉最後の芸者との出会いから作品化。パリ公演を経て、豊岡へ凱旋。

演出:竹中香子、太田信吾
テキスト・映像 : 太田信吾
音楽:内橋和久
日程:9/13(土)~15(月・祝) ※9/14(日)休演日
会場:出石永楽館(出石)



[フェスティバルプロデュース]プログラム

■額田大志 × 本と温泉 新訳『At Kinosaki』(リーディング)



「豊岡演劇祭2025」本日開幕 演劇と街が交わる13日間

志賀直哉『城の崎にて』の新しい英訳テキストを使ったリーディング公演。



作:志賀直哉
翻訳:テッド・グーセン
演出・音楽:額田大志(ヌトミック)
日程:
城崎文芸館:9/15(月・祝)
三木屋:9/16(火)
会場:城崎文芸館/三木屋(城崎)




■JR西日本観光列車「うみやまむすび」× 芸術文化観光専門職大学
「『うみやまむすび夢十夜 こんなゆめを見た!!の旅』ラストでGO!!~TAJIMA発☆奇々怪々方面、ヘンテコ!?夢うつつ行き。ぶらりとご乗車くださいませ~」
(演劇)



「豊岡演劇祭2025」本日開幕 演劇と街が交わる13日間

©igaki photo studio

城崎温泉駅発のJR西日本観光列車「うみやまむすび」に乗車し、ホームや車内で観劇体験ができる演劇列車。

作:田上豊、永井楓華
総合演出:田上豊
日程:9/16(火)~18(木)
会場:JR山陰本線(城崎温泉駅、佐津駅、香住駅、餘部駅)(城崎)




■烏丸ストロークロック×但東の人々『但東さいさい』(演劇)



「豊岡演劇祭2025」本日開幕 演劇と街が交わる13日間

© 2023 MATSUBARA YUTAKA

但東地域に残る農村歌舞伎を舞台に、オリジナル神楽とお祭りさながらの風景を。

構成・テキスト・演出:柳沼昭徳
日程:9/20(土)・21(日)
会場:唐川 岡神社(但東)




■んまつーポス × Unlock Dancing Plaza 『今日という日が一番若い日』(ダンス)



「豊岡演劇祭2025」本日開幕 演劇と街が交わる13日間

Photo by Nishi Junnosuke

1部は、んまつーポス×シニアの共創作品『私のことはダンスに聞いて』。2部は、Unlock Dancing Plaza×シニアの共創作品『攞彩 ロウチョーイ』という2部構成の作品。

作・振付・出演:んまつーポス × Unlock Dancing Plaza(香港)
出演:シニアパフォーマーの皆さん
日程:9/21(日)
会場:やぶ市民交流広場 ホール(養父)




原田大二郎 × 佐藤正治『朗読とパーカッションの新世界~但馬の旅~』(リーディング・音楽)



「豊岡演劇祭2025」本日開幕 演劇と街が交わる13日間

photo by Tomoko Kosugi

日本を代表する名作を、圧巻の朗読と魂を揺さぶる音空間で上演。「聴覚」「視覚」すべての感覚を刺激して、子どもから大人までをリアルな創造の旅へと誘う。

◎原作:坂口安吾『桜の森の満開の下』
日程:9/13(土)
会場:香美町小代区総合センター(香美)

◎原作:宮沢賢治『注文の多い料理店』『永訣の朝』
日程:9/23(火・祝)
会場:あさご芸術の森美術館(朝来)




■瀬戸内サーカスファクトリー『Workers ワーカーズ!』(サーカス)



「豊岡演劇祭2025」本日開幕 演劇と街が交わる13日間

写真:宮脇慎太郎

大工の仕事がサーカスに?!「風土とともにつくる現代サーカス」を掲げる瀬戸内サーカスファクトリーの意欲作。

作 田中未知子
共同創作:吉田亜希、谷口界、吉川健斗、野瀬山瑞希、長谷川愛実、目黒宏次郎
日程:9/14(日)
会場:香住区中央公民館(香美)




■スタチューパフォーマンス協会 × あさご芸術の森美術館『生きている彫刻』(大道芸)



「豊岡演劇祭2025」本日開幕 演劇と街が交わる13日間

彫像や人形等を模した「静止」と「動作」が魅力のパフォーマンス。

日程:9/23(火・祝)
会場:あさご芸術の森美術館(朝来)




■んまつーポス『トル・トラレル』(ワークショップ)『いっすんぼうし』(パフォーマンス)



「豊岡演劇祭2025」本日開幕 演劇と街が交わる13日間

んまつーポス ワークショップ 『トル・トラレル』Photo by Ayano SO
「豊岡演劇祭2025」本日開幕 演劇と街が交わる13日間

んまつーポス パフォーマンス『いっすんぼうし』Photo by Paul Băilă

朝来の広大な野外彫刻公園で、子どもとの写真ワークショップ&パフォーマンスを開催。

(ワークショップ)
教材開発:高橋るみ子(宮崎大学産学・地域連携センター客員教授)&んまつーポス
(パフォーマンス)
作・振付・出演:んまつーポス
日程:9/23(火・祝)
会場:あさご芸術の森美術館(朝来)




■小菅紘史×中川裕貴 『山月記』(演劇・音楽)



高校教科書にも載っている中島敦の『山月記』を、俳優・小菅紘史の身体による語りと、音楽家・中川裕貴のチェロ演奏によって舞台化。

出演:小菅紘史
演奏:中川裕貴
原作:中島 敦『山月記』
日程:9/15(月・祝)
会場:八幡神社(湯地区)(新温泉)


※フリンジプログラムや関連イベントほか、演劇祭の詳細は下記公式サイトよりご確認ください。


https://toyooka-theaterfestival.jp/

写真提供:豊岡演劇祭実行委員会



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