
「この先の未来も、ずっと一緒にいましょう」――リーダーのFUMINORIはライブの終盤、バディ(BUDDiiSのファンの呼称)への愛をそう表現した。
9月20日より開幕した、グループ史上最大規模となるアリーナツアー『BUDDiiS vol.10 - COSMiiC -』。
本記事では、9月21日に行なわれた横浜アリーナ2日目の公演をレポート。メンバー全員の挨拶を含む、当日の様子をできるだけ詳細にお伝えする。
横浜アリーナがCOSMICな世界観に

今回のライブのコンセプトは“COSMIC”。会場に入ると、開演前の注意事項アナウンスからステージのセットまで、どこか宇宙っぽさを感じさせる空間が広がっていた。
そして、16時。開演時間を迎えると、映し出されたのは9人が1つの建物にある、それぞれの部屋で自分の時間を楽しんでいる様子。例えば、TAKUYAなら筋トレに勤しみ、SEIYAならゲームを楽しみ……といった具合に。
そこから空気は一変、“COSMICを開始します”というアナウンスが流れる。その声を合図にVRゴーグルとグローブをつけるメンバーたち。いよいよ9人が1つになる時がやってきたようだ。
映像が消え、怪しげなサーチライトのような光が忙しなく照らされる。そして登場したのは、宇宙服を連想させるようなチューブのついたメタリックな衣装に身を包んだBUDDiiSの9人だ。

1曲目は、MORRIEの力強い歌い出しから始まる未配信楽曲「SHINE ON!!」。ここで、あえて“静”の動きに徹するメンバーの姿が印象的だった。大所帯のダンサブルなチームが1曲目に、この演出を選んだことで、しっかりと9人のボーカルを聞かせ、COSMICの世界へと引き込んでくれた気がしたからだ。
今回のライブで発売された円形のオブジェが印象的な「【BUDDiiS】カラーチェンジペンライトver.5」は制御機能付き。それゆえ、曲に合わせて会場全体に波動が伝わったかのような光り方をしたり、拍手を表現したかのようなランダムな点滅をしたりする姿が、ステージの演出をさらに強固なものにする。「SHINE ON!!」が終わり「Koi to me」が始まるタイミングでは、ペンライトが白からピンク色に一瞬でチェンジ。ステージ上に設置された階段の上からメインステージにメンバーが降りていき、サビを歌い始めるとペンライトはさまざまな色に。カラフルに光る様子がまた印象的だった。

ノンストップで披露されたのは情熱的な楽曲「HONEY」。火花が上がるのと同じくして、会場のボルテージも一気にアップ。サビ前のの部分を「教えてやるよ!」と普段とは雰囲気を一変させて、がなるSHOOTのアレンジには大きな歓声が上がった。

FUMINORIの掛け声を合図にスタートした「YO HO」では花道を歩いてセンターステージに移動。
疾走感あふれる3曲からの恒例となった“ロング”自己紹介

開演から5曲を披露した後で、ステージ上には再び映像が映し出される。
まず流れたのは「SPEED RACE」という文字とSEIYA、TAKUYA、FUMINORI、YUMAの4人の姿。バイクに跨り運転をする人、その後で敵を撃つものにわかれ、ゲームのような世界観を楽しんでいた。一方で、MORRIE、FUMIYA、SHOOT、SHOW、KEVINは「SHOOTING GAME」に挑戦した模様。和やかな雰囲気で終わるかと思いきや、赤いライトと警告音のような音で映像の世界観は一変する。
そんな流れでステージに登場したのはTAKUYAとYUMA。全身ブラックの衣装に身を包んだ2人によるダンスブレイクで魅せた。
その後でFUMIYA、FUMINORI、SHOW、SEIYAの4人は「Mr. Freak Out.」で力強くラップを披露。
ここで、この日、初めてのMCに。BUDDiiSの自己紹介といえばMORRIEの「今日も元気に?」にファンが「モリモーリー」と反応するようにファンの声援があって、初めて自己紹介が完成するメンバーも多い。そんな中、特に異彩を放っていたのは、直前にFUMINORIに自己紹介を考えてもらったと言うYUMA。「僕がマイクを向けたら、YUMA」と言ってくださいと言い「世界一かっこいい俺って?」と呼びかけ「YUMA!」と答えてもらうと、慣れないコールアンドレスポンスにやや恥ずかしそうな様子。笑顔を浮かべ「お願いします」と締めていた。
ライブの後半戦は、しっとりと魅せるところからスタート

ライブの後半戦はリードボーカルを担うことが多いMORIE、KEVIN、SHOOTの3人によるステージからスタート。MCを行なっていたメインステージから花道を歩き、手を振りながらセンターステージに移動。
「久々に披露する楽曲で、出会いと別れをテーマに歌っている曲なんですけど。今たくさんの方が来てくれてますけど、みんなの人生の中で出会いもあれば、別れもあると思います。どういう形かは、人それぞれだと思いますけど、今、自分の身近にいる大切な人を大事に。

深みのあるKEVIN、伸びやかなSHOOT、ファルセットをキレイに響かせるMORIEと三者三様の歌声をユニゾンさせ「わがまま」を披露した。
しっとりとした空気感をそのままに披露されたのは「Lack」。メインステージを照らす9つのオレンジ色をしたスポットライトの下にメンバーが立つ形で始まったステージでは、観客のペンライトもオレンジに。会場は深い恋心を表すような温かい空気感に包まれていた。

続く「Magic」では、雰囲気をガラッと変えバラを片手に、そしてステージ上に登場した女性にアプローチするかのように歌う9人。大サビの前では階段が2つに別れた場所から“世界一かっこいい”YUMAがクールに登場したり、SEIYAの囁きに会場から黄色い歓声が上がったりと見どころ満載。最後は、その女性を真ん中に9人全員でバラを差し出すのだが、女性はまさかの見えざる待ち合わせ相手のところに駆け寄っていってしまう。これにはFUMIYA「SEIYA、行けそうだったよな?今」とツッコミ。観客を笑わせていた。


ノンストップで披露された「HOT CHEESE」では、サビに2回ずつ登場するの掛け声に合わせて、メンバーの表情がリアルタイムで切り取られる演出も。メンバーが一瞬で決めた豊かな表情が、スクリーンに映し出されるたびに会場からは歓声が上がっていた。

雰囲気をガラリと変えて披露したのは2025年1月期のドラマ『秘密~THE TOP SECRET~』の主題歌にも起用された、BUDDiiSの真骨頂を表す1曲と言っても過言ではないバラードソング「Iris」。先ほどまでのキュートでポップな姿からは想像もできないような、しっとりとした歌唱、そして表情と振り付けで。また一味違ったBUDDiiSの表情を魅せた。
緊迫感のある映像の先に待っていたのは?

再びスクリーンに映し出された映像には、先ほどのゲームを経てエラーが起き、驚くメンバーたちの姿が。黒いフェイスマスクをつけられ、目は赤く光り、まるで支配されたかのように思えた中で、SHOOTが1粒の涙を流す。これを合図に、まるで雫が水面に広がるかのように白く照らされるバディたちのペンライト。

支配されかけていたメンバーたちは解放され、「とにかくここから逃げよう」と走っていく。そして、その先を照らしていた光を掴むと、カラフルな色味の衣装に身を包んだ9人が会場の至る所に登場。全員がメインステージに揃ったタイミングで、音玉が勢いよく鳴ったのを合図に一人ひとりを肯定してくれるかのようなポジティブなナンバー「Brightness」へと繋ぐ。という歌詞に合わせて、会場中のペンライトがさまざまなカラーに光る景色は、とても美しかった。

センターステージでは、グループの結成日である9月16日に配信されたばかりの最新曲「Dear」を披露。“いつも隣で寄り添う未来を約束するよ”という想いが込められた、この楽曲の終盤、外向きで円になって歌うフォーメーションは、会場全体に愛を届けるかのよう。続けてパフォーマンスしたおとぎ話をモチーフにした「OZ」、KEVINのセリフからスタートする「The One」と合わせて、BUDDiiSからバディへのストレートな愛と5周年を迎えた感謝を伝えるかのような時間になった。
恒例となった「The One」の間奏部分でのセリフはSHOOTが担当。「もしもーしSHOOTです! もう今日みんなとバイバイしたくないよ! みんなも同じ気持ちですか? 今日は帰さねーぞ!」と元気に呼びかけ。これには、会場から大きな歓声が上がっていた。
バディへの愛を思いっきり伝えたところで、2度目のMCがスタート。FUMINORIは「みんなの熱気もすごくて……」と感心。客席に1回座るように呼びかけるとステージではSEIYAとTAKUYAが川原に座っているかのような休憩の体制を取ったり、ウェーブを会場の前から後ろ、後ろから前へとリクエストしたりし、メンバーも楽しそうな様子。

そして、ここで話題に上がったのはSEIYAがデザインしたBUDDiiSの新ロゴについて。そして、その流れでFUMINORIは「皆さんのおかげで、BUDDiiS 5周年を迎えることができました。ありがとうございます」と言葉にして感謝。会場からは大きな拍手が送られたところで話題は最新曲「Dear」について。どうやら前の日の公演に、MVに登場した女の子が見学に来たとのこと。その子に対しFUMIYAが「推し見つかった?」と聞くと「みんな好きです」と大人の返しをされたと明かし、会場を笑わせていた。
最高潮の盛り上がりでクライマックスへ

FUMINORIから「いいですか?」と振られ、MC明け1曲目に向けて盛り上げたのはTAKUYA。「みんな、まだまだ盛り上がれますか? まだまだ行けますか?」とお腹から声を出し「LIGHT」へと繋げる。サビでは再び火柱が上がり、盛り上がりは1段階上へ。
続けて「Under The Sea」「UtopiiA」「R4U」「ALIEN BOY」「JEALOUS」を一気に披露した「COSMICメドレー」では、まずはSHOWによる「Ho!」のコールアンドレスポンスを合図に、メンバーが会場の四方八方に散らばり。
スタンドやアリーナ後方にいるバディの前でシャカリキに踊る姿を見せるというファンにはたまらない、ライブの醍醐味とも言えるような時間を過ごしていた。

そのメドレー終わり「LOUD」では、TAKUYA、YUMA、FUMIYA、SEIYA、FUMINORIでステージの外周を全力でリレーする姿も。勢いよく走り、最後はみんなでセンターステージに集合する姿はなんとも微笑ましかった。さらにFUMINORIは「愛してるぜバディ」とツアータオルの裏にデカデカと書いたメッセージをカメラに向かって広げる。「BUD」のサビに合わせて、会場もペンライトやらタオルをメンバーと一緒になって回す演出で、改めて会場は一体感を増した。夏の終わりにふさわしい、爽やかな夏を表現した「BLUE SODA」ではラストスパートにかけて楽しげに踊るメンバーたち。
それが歌い終わるとKEVINは「ここで成人式をやったんです。そこに座ってたのよ!」とスタンド席を指差しをし、マイペースにコメント。FUMINORIは、そんなKEVINのコメントをそこそこに「いつもありがとうございます。この先の、未来もずっと僕たちと一緒にいましょう」と、この日のラストソング「Dear」へと繋ぐ挨拶をした。
この曲の終わり「楽しかったですか?」と呼びかけるFUMINORI。そして「これからも僕たちBUDDiiSを信じてついてきてください。絶対また会いましょう!」と言い残し、9人はステージを後にした。
MORRIEからメンバーへのサプライズにメンバー大興奮

大きなアンコールの中、ツアーTシャツを着たメンバーが登場。このタイミングで、メンバー1人1人からの挨拶がされた。
トップバッターを務めたのはMORRIE。MORRIEは自身が体調を崩してしまったことに触れつつバディにお礼。「ライブをやって思ったのは、ステージに立って、歌ったり踊ったりして、言い方はアレだけど、これが1番のお薬だなと思いました」と一言。
続けて、メンバーにも支えてもらったことを感謝。「あと5周年記念して、誰にも言ってないんだけどプレゼントを用意している」とサプライズ発表。そのプレゼントとはBUDDiiSの新ロゴがデザインされたネックレスチャームだった。これを受け取り、メンバーは早速つけようとしたり、愛おしそうに眺めたりと喜びをあらわに。FUMIYAについてはマイクを通さず「待って、めっちゃ嬉しい!」と大きな声で叫んでいた。そしてMORRIEは「大事な人か、アンコールの日とかかにつけたいね」と一言。さらに絆が強くなったような瞬間だった。

続けて挨拶したSEIYAは「森くん、素敵なプレゼントありがとうございます。こうして森くんがプレゼントしてくれたんですけど、僕が作った新しいロゴが形になって……」と喜ぶ。さらに「こうして新しく見えるんですけど、中身は変わっていないから。これからも引き続き、僕は初心を忘れずやっていきたいなと思っているので、応援よろしくお願いします」と決意を語った。
SHOWは「横浜アリーナ2日間を終えて、ほっとしております。5年間BUDDiiSを続けるということが1番すごいことだと思っています。みんなも続けていることとか、いろいろあると思うので、僕はそれだけですごいと思うので、それを誇って、これからも一緒に頑張っていきましょう」とエールを送った。
「僕、今22歳なんですけど、気づいたら人生の4分の1くらいはBUDDiiSにいて」としみじみと語ったのはTAKUYA。「BUDDiiSというものを中心に、僕の人生がすごくいろんなところで輝いているなと思うんで、幸せだなって思います。僕にとっては、なくてはならないものなので、みんなにもそう思ってもらえるように、これからも進んでいけたらなと思います」とポジティブに話した。
FUMIYAは笑顔で「楽しかったですか?」と呼びかけ「それが嬉しいです! もう言うことないくらい! その一言のためにやっているし、みなさんの感想を見て、それをもとにアップデートして、どんどんみんなと一緒にライブを作っている感覚がすごく楽しい」とコメント。「まじでありがとうございました!」と締めくくった。
YUMA「夢叶えたぞ!」

KEVINは「みんな、今日は楽しかったー?イェーイ」と自己完結。そして「2日横アリできるなんて、もう率直にやばいですよね」とコメント。さらにBUDDiiSを好きになって、バディのつながりが増えていくことを「これなんよ!」と笑顔。「6年目のBUDDiiS、よろしくお願いします」と話した。
「心の底からありがとうございます!」と叫んだのはSHOOT。そして「本当に嘘をつくのが苦手なので、正直に言うと、やっぱり生きていて、辛いこととかありますよ。もちろん、皆さんもあると思うんですけど。でも、ライブするたびに、みんなで一緒に音楽を作り上げるたびに僕は生きていてよかったなと人生を少しだけ誇れるんです。だから、これからもずっとそばにいさせてほしいですし、そばにいてください。たくさん一緒に大きな夢を見ていきましょう」と愛を伝えた。

YUMAはKEVIN同様、横浜アリーナで成人式に出席したとのこと。この日の公演には、そのとき一緒に行った友達が来ているそうで、そのときに「このステージにいつか立ってみたい」と話したとのエピソードを披露。「夢のまた夢だったんですけど、それが今、現実になって、夢叶えたぞ!」と嬉しそうな表情。「皆さんも夢があったら、夢に向かって全力で歩んでほしいなと思います」とメッセージを送った。
ラストにFUMINORIは「BUDDiiSとバディの作る空間って、幸せなパワーが、ポジティブなパワーがすごい広がっているなというふうに感じています。皆さんとなら、この先どこまでも行けると確信していますし、皆さんとでなきゃどこも行けないので、これからも僕たちBUDDiiSと一緒に歩んでくれますか?」と話した。
バディへの特大サプライズからのラストスパート

そして、このタイミングで来春、ソニー・ミュージックレーベルズと契約をすること、2026年春に全国9都市でホールツアーを開催することを発表したBUDDiiS。
この発表を受けて喜ぶバディの姿を見て、FUMIYAは号泣。他のメンバーから「カメラさん映して!」といじられていた。
そして、FUMINORIは感謝を述べた後「テンションも上がったところで、アンコールへ行きましょう」と言い、ステージはラストスパートへ。「バディもBUDDiiSも止まらねえぞ? いけますか?」と煽った後で「CLICK ME」を披露。曲中でもハートが溢れた楽曲は、最後の最後に指ハートで締めくくられた。続く「Sonic」では、全員で上手からスタンド前の外周を練り歩き、ゆっくりと歩き、できるだけ多くのバディと目を合わせよう、声援に応えようとする姿が印象的であった。その中で、FUMIYAのパートでは、MORRIEとTAKUYAがFUMIYAをリフトする場面も。会場のどこの場所にいようと、遊び心を忘れない姿が印象的だった。
「最後の曲になります」との振りから始まったのは「WE HIGH」。火柱の中、最後の最後まで力を振り絞り、全力でパフォーマンスする9人の姿に応えようとバディも大きく手を振る。
こうして2日間にも及ぶ横浜アリーナ公演は終了。来週のオーラス、大阪城ホール公演、そして、来たる春ツアーに向けてさらにパワーアップしていく姿が待ち遠しい。
2026 年春 全国ホールツアーの開催が決定!
【千葉】
2月27日(金) 市川市文化会館
【愛知】
3月1日(日) 愛知県芸術劇場
【宮城】
3月22日(日) 東京エレクトロンホール宮城
【滋賀】
3月28日(土) びわ湖ホール 大ホール
【大阪】
3月29日(日) フェスティバルホール
【北海道】
4月12日(日) カナモトホール
【神奈川】
4月29日(水祝) パシフィコ横浜国立大ホール
【福岡】
5月2日(土) 福岡サンパレス
【兵庫】
5月4日(月祝) 神戶国際会館こくさいホール
公式 HP: https://buddiis.com/contents/982435
撮影/Hanna TAKAHASHI、松本いづみ 取材・文/於ありさ