2026年にアーティスト活動45周年を迎える布袋寅泰が『HOTEI 45th CELEBRATION GIGS』を、1月31日と自身の64歳の誕生日である2月1日の2日間、京王アリーナTOKYO(武蔵野の森総合スポーツプラザ)で開催した。45周年の幕開けであるDay 1 “EVE”、バースデーが重なるDay 2 “BIRTHDAY”と銘打ったこの2デイズライブは、布袋本人にとっても来場したファンにとっても、忘れられない特別な2夜になった。
「ChatGPTなんてものも、最近は僕も使ってますけど、聞いてみました。“日本で一番カッコいいギタリストは誰??” ……布袋寅泰だそうですよ! わかってるねぇ。これからも日本一、いや世界一、いや宇宙一カッコいいギタリストでいたいと思います!」——Day 1 “EVE” ライブMCより
本稿ではDay 2 “BIRTHDAY”の模様を中心に書き進めていく。
壮麗なSEとともに、ステージ後方に45年分のHOTEIが映し出されていく。そして『HOTEI 45th CELEBRATION GIGS』のフラッグがはためく映像になると、それを背にステージに右手を天高く翳した布袋のシルエットが浮かび上がった。割れんばかりの大歓声の中、SE終盤のファンファーレフレーズを引き継ぐように1曲目のイントロが高鳴った。言わずと知れたBOØWYの名曲「Dreamin’」で布袋の45周年は幕を開けた。
きらびやかなシルバーのセットアップに身を包んだ布袋。ビートに合わせて軽快に左足を上げてリズムを刻み、ギターをかき鳴らしながら歌う。満員御礼のオーディエンスも拳を高らかに大きな声で歌っている。オープニングナンバーからもう既に大団円のごとくの光景が広がった。「ハートは今ここにあるぜ!」と布袋がフレーズをオーディエンスに直接投げかけると、大合唱は一段と大きくなった。
「バンビーナ」の陽気に踊れるビートでライブの熱狂はますます加速していく。ギターキッズお待ちかね、耳と目で攻める長尺ギターソロでダックウォークをキレよくキメると、布袋はそのまま手にした“バンビーナキャスター”こと、黒いフェンダー・テレキャスターで小気味よいリズムを刻みだす。そこから聴き覚えのあるコーラスのリフレインが!? 不意を突くように始まったのは「BE MY BABY」だ。重心の低いリズムとダーティなギターの印象が強い同曲だが、これまでとは異なるソリッドなギターサウンドを前面に出したタイトなアレンジで聴かせてくれた。
「ハロー、京王アリーナ! ようこそ宇宙一のロックンローショーへ! 45周年いよいよ始まりました」
布袋が笑顔で挨拶すると「宇宙をドライブしたいと思います」とビジョンに映し出されるサイバーなハイウェイを模した映像と共に「DRIVIN' TO YOUR HEART TONIGHT」へ導いた。続く「DIVING WITH MY CAR」では、オーディエンスも布袋に負けず劣らずの目一杯の歌声で応えていく。
「あまり気にしないでやってきましたけど、やっぱ45周年、格別な想いがここにあります。振り返れば振り返るほど、愛おしい思い出ばかりです。
ザッカリーが暴れながらもタイトなリズムを叩き出す。「さよならアンディ・ウォーホル」だ。ビジョンには幾何学模様の布袋モデルと同曲が収録された『GUITARHYTM Ⅲ』を象徴する“ZEMAITIS WILD”の2本のギター、そして若き日の布袋がアンディ・ウォーホル調に描かれ、楽曲を彩る。『GUITARHYTHM Ⅲ』を提げた『GUITARHYTHM WILD TOUR』を、いちファンとして観ていた黒田が布袋と向き合い、ボトルネックでブルージーにギターソロを奏でた。忘れてはならないのは、同曲の作詞で名を連ねる作家であり布袋の旧友でもある、森永博志の存在だ。2025年4月に旅立った氏への献歌であったことだろう。
〈君と肩寄せて眺めたオレンジ色の月〉のフレーズに合わせるような、オレンジ色の世界が広がった「YOU」を優しく届けたかと思えば、禍々しい雰囲気からの「Paradox」、そして映画『キル・ビル』を想起させる黄色い殺気に満ちた情景が広がった「Battle Without Honor or Humanity」と続いた。サスティナーとアーミングを駆使し、威風堂々としながらもアバンギャルドな布袋のギタープレイに息を呑む。そこから布袋は王蟲の鳴き声のようなギターサウンドをけたたましく鳴らす。そうした得体の知れない余韻からフィードバックノイズが呼び寄せるように始まったのは、まさかの「DEVIL'S SUGAR」だ。久しぶりのライブ披露に客席からどよめきのような声があがる。さらに古くからのファンを喜ばせたのは原曲キーだったことだ。
悪魔が舞い降りたあと、布袋はにこやかな表情でBOØWYからCOMPLEXへ馳せる想い、ソロになってからの想い、加えてファンへの感謝を述べる。そんな45年を支えてくれたファンに対し、「これからのライブには“そういう時間”も必要かな」と「座って聴きませんか?」と促し、「ヒトコト」を披露。平和を願う映像に合わせ、優しさと力強さを感じさせる歌声と愛に溢れた演奏で会場を包み込む。最後の音を鳴らし終えると、「俺のことを力強くサポートしてくれている最高のミュージシャンたちの演奏をじっくり聴いてください」そう言って、布袋は一旦ステージを降りた。バンドメンバーによるインストゥルメンタル「Maze」。まるで布袋が乗り移ったかのような黒田のギターが咽び泣いた。
倉科昌高の強烈なペイントが施されたギブソン・フライングVを手にする布袋が再びステージに登場、そこからのイントロにどよめきが起こった。これまたまさかのレアナンバー「EMERGENCY」である。無機的な破滅のリズムと生身のグルーヴによる融合。ロックンロールもファンクも、インダストリアルも同じ高次元のフィールドへ昇華できる布袋のアーティストパワーとセンスをあらためて思い知らされる。
「MERRY-GO-ROUND」後半の見せ場、高速カッティングではビジョンに映し出された6人の新旧布袋と競演し、「BOYS BE AMBITIOUS」では会場が一体となった力強いシンガロングが京王アリーナを揺らした。ラストナンバーは「BEAT EMOTION」。 “GUITARYTHM”と同じく布袋が考案した造語であり、代名詞ともいえる言葉が、そのビートとひとつになって打ち鳴らされる。腕を大きく旋回させながらギターをかきむしる布袋の右手の軌道が会場の熱を掌握すると、本編を終えた。
「オメデトウ、30ネン、トモダチデスネ」
ザッカリーの言葉を交えながら、出会いとエピソードを交えた各メンバーの紹介から始まったアンコール。2デイズの力配分ができないことを口にし、「昨日90点取って、今日100点取るのもいいんだけど、昨日100点取って、今日110点」と「常に自分のゴールを遠くにおいていきたい。今日頑張ったことで、越えるべき自分という目標ができる。そうやってちょっとずつ積み重ねてきた45年だった」とキャリアを振り返った。45周年をあえて“Anniversary”ではなく“Cerebration”という言葉を用い、自分もファンにとっても、「お互いを讃えあう1年にしたい」と誓った。
小気味よく「Don't Give Up!」を奏でると、「DEAR MY LOVE」をしっとり届ける。
「もう1曲やらないといけなくなったね、やろうか迷ってた曲。みんなのバースデーソングのお返しに!」と、「BEAT SWEET」を最後に贈った。
こうして『HOTEI 45th CELEBRATION GIGS』は終演したが、布袋寅泰の45周年は今ここに始まった。7月25日(土)・26日(日)に布袋の故郷である群馬・Gメッセ群馬で開催される『HOTEI FES』の出演アーティストも発表された。45周年の“最新のHOTEI”は、どんな“最高のHOTEI”を我々に見せてくれるのだろうか。
Text:冬将軍 Photo:山本倫子
<公演概要>
『HOTEI 45th CELEBRATION GIGS』
Day 1 “EVE”:2026年1月31日(土)
Day 2 “BIRTHDAY”:2026年2月1日(日)
東京・京王アリーナTOKYO(武蔵野の森総合スポーツプラザ) メインアリーナ
https://jp.hotei.com/lives/
<イベント情報>
『HOTEI FES』
7月25日(土)・26日(日) 群馬・Gメッセ群馬
■7月25日(土)出演アーティスト
ももいろクローバーZ
10-FEET
MAN WITH A MISSION
布袋寅泰
■7月26日(日)出演アーティスト
アイナ・ジ・エンド
BUCK∞TICK
THE YELLOW MONKEY
布袋寅泰
特設サイト: https://hotei-fes.com/
布袋寅泰 オフィシャルサイト
http://www.hotei.com/

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