2023年12月に初演された歌舞伎版「ルパン三世」。その新作歌舞伎『流白浪燦星』は評判を呼び、25年には京都・南座で再演され、26年3月から、第2弾新作『流白浪燦星 碧翠の麗城(へきすいのれいじょう)』が上演される。
「ルパ~ン三世!」の一声で沸いた客席――初演の確かな手応え
──歌舞伎版「ルパン三世」の第2弾新作『流白浪燦星 碧翠の麗城』の上演が決まりました。第1弾の好評を受けての2作目。愛之助さんは、初演時の反響をどんなふうに肌で感じられていましたか。
愛之助 最初は、「ルパン三世」をどう歌舞伎にできるのだろうと手探りでした。お客様がご覧になって本当に面白いのか、どんどん不安が募っていき、でも、「いや大丈夫だ」と思い直して初日の舞台に飛び出していったんです。すると、「ルパ~ン三世!」と名乗った途端拍手が起き、邦楽器で編曲したあのおなじみのテーマ曲が流れて立廻りになり決まったときには大歓声が湧いて。これは喜んでいただけるのではないかとホッとしたことを覚えています。その後、お手紙やSNSなどへの書き込みで、原作ファンの方も楽しんでくださっていることがわかって安心しましたね。
──米吉さんは初演をご覧になっていかがでしたか。
米吉 僕、あのとき不思議なご縁があって、バラエティ番組の中継で、舞台が終わった愛之助兄さんと(尾上)松也兄さんとお話しさせてもらっているんです。
──誰もが知るルパン三世というキャラクターを歌舞伎で演じるにあたり、愛之助さんはどんな工夫をされていたのでしょうか。
愛之助 やはりモノマネをするわけではなく、あくまで歌舞伎でなければならないので、ルパンのあの喋り口調などの特徴的なものも、スパイス的に取り入れるようにしました。
米吉 僕が言うのもおこがましいですが、拝見していても、歌舞伎としての演技のなかにルパンの要素が入ってきて、それがお兄さんの雰囲気に合っていて。また、お兄さんだけでなく皆様が、ルパンでありながら歌舞伎であるということを大切に演じておられるのが、とても伝わってきました。
──その歌舞伎の「ルパン三世」の世界に、米吉さんが新しく加わられます。演じられるのは、諏訪の太守の息女・瀬織姫。お家存続のため執権と無理やり結婚させられることになった矢先、泥棒に入った流白浪燦星と出会い、幻の古城に秘められたお宝を巡る冒険に出るという物語が展開していきます。どんなところが面白くなっていきそうですか。
愛之助 流白浪燦星と瀬織姫の関係性がいかにも「ルパン三世」らしいので、米吉くんと一緒にどう作っていけるのかが楽しみです。
米吉 原作でも、ルパンって女好きではあるものの(笑)、重要なポジションで登場する女性には紳士的なところがあって、その二面性が魅力だと思うんです。その人間性に瀬織姫も惹かれ、流白浪燦星の自由な生き方に影響されながら自分の道を見つけていくことになると思うんですけど。そういった流白浪燦星と瀬織姫の物語になることで、より流白浪燦星の人間性が引き立つでしょうし。そこに歌舞伎の要素が入ることでどんな化学反応が起きるのか、僕も楽しみにしているところです。
愛之助 今回は僕が、流白浪燦星と石川五ェ門の二役を演じることになっていて、たぶん早替りもあると思いますので、そこも楽しんでいただけるといいですね。五ェ門の特徴も勉強中です(笑)。
歌舞伎のお姫様の、新たな1ページに
──米吉さんはどんなお姫様を演じたいと思われていますか。
米吉 今回はヒロインものになると伺ったときに、脚本・演出の戸部(和久)さんとこんなお話をさせていただいたんです。極端な話、姫の隣にいる泥棒が流白浪燦星でなくても歌舞伎の物語として成立していて、それが流白浪燦星であるからなお魅力が増す、というふうになれば素敵ですね、と。それでいけば、ならず者と関わっていく『桜姫東文章』の桜姫の要素もあり、強い意志を持って自分の使命を果たそうとするという点では、歌舞伎の三姫(『本朝廿四孝』八重垣姫、『鎌倉三代記』時姫、『祇園祭礼信仰記』雪姫)とも類似性があると思います。ですから、そういった歌舞伎のお姫様の土台の上に今回の瀬織姫のキャラクターをふりかけて、「ルパン三世」のヒロイン像も加味しながら演じていけたらと思っているんです。ヒロインものと銘打たれている以上、僕が演じる役が魅力的に見えなければ楽しんでいただけないと思うので、気を引き締めて演じて。
『流白浪燦星 碧翠の麗城』チラシ
愛之助 僕ら役者は、いかにそれらしく見えるかが大事です。町人に見えるのか侍に見えるのか殿様に見えるのか、町娘に見えるのか遊女に見えるのかお姫様に見えるのか。基本のことではありますけどそれは一生の課題であって、米吉くんはそこがバシッと見事にハマっていくのが素敵だなと思っているんです。
米吉 もっともっとそれぞれの引き出しを埋めなければと一生懸命ですけど。
愛之助 ですから今回も、歌舞伎と「ルパン三世」のヒロイン像を併せ持つ、可憐でありながら芯の強さを持っている瀬織姫をしっかり作り上げてくれるだろうと楽しみにしていて。流白浪燦星もきっとそこに惹かれるんじゃないかなと思っています。
──米吉さんにも愛之助さんの魅力をぜひ語っていただけたらと思います。
米吉 先輩のことをお話するのは生意気ですけど……。でも、愛之助のお兄さんとはご縁があって、僕が女方を始めて最初に役らしい役をさせていただいたのが、お兄さんと(松本)幸四郎(当時染五郎)のお兄さん(中村)獅童の兄が中心でやられた『二月花形歌舞伎』(2012年2月大阪松竹座)だったんです。『義経千本桜 すし屋』で若葉の内侍を、『大當り伏見の富くじ』で新造雛江をさせていただきました。
愛之助 そうだった。
米吉 その前もお兄さんの世代の新春浅草歌舞伎でご一緒していましたし、お父様の(片岡)秀太郎さんにとても可愛がっていただいて仲良くさせていただいて。
愛之助 父は米吉くんが大好きでしたから。
米吉 そういうことも含めて、自分がまだ何もできない頃からずっと、若手の第一線で活躍されている立役のおひとりとして拝見してきて。最近では『曽我綉俠御所染 御所五郎蔵』(25年11月歌舞伎座)でご一緒させていただきましたが、女方として思い切りぶつかっていける立役さんだなと改めて感じました。今回も、愛之助兄さんの胸をたくさんお借りすることになると思います。
今度は宙乗りも!前回を凌ぐ大スペクタクルな『流白浪燦星」で4都市へ
──第1弾の新作歌舞伎『流白浪燦星』が初演された際に、ぴあでは愛之助さんと戸部さんの 対談記事(https://lp.p.pia.jp/article/news/297151/index.html) を掲載しており、そこで戸部さんが愛之助さんについて、「歌舞伎以外にも幅広く活動されている柔軟性が、新作歌舞伎を作るときの力になる」というようなお話をされていました。そのことについて改めてどうお感じになられますか。
愛之助 確かに柔軟性は必要だと思います。歌舞伎しかやっていないときは、「歌舞伎はこうでなければならない」というふうに考えていましたけど、いろいろなお芝居を経験すると、お芝居は結局ひとつなんだなと思うようになってきたんです。時代を経ても、髪型や着るものが変わっただけで、人間の体の仕組みや感情に変わりはないですから、時代劇であろうが現代劇であろうが、歌舞伎であろうがドラマであろうが、その表現の仕方が違うだけで、役の性根を大事にするということは共通しているんだなと。だから、新作歌舞伎を作るときも、僕ら歌舞伎俳優がやれば放っておいても自然に歌舞伎になるわけですから、そこはあまり意識しなくてもよくて、心を大事に作っていけばいいんだと思っています。
米吉 お兄さんの多岐にわたるご活躍を見ていると、我々世代も、歌舞伎を一番に大事にしつつ、いろいろな活動にチャレンジして幅を広げていきたい、広げていかなくてはならないと痛感します。
愛之助 だから、米吉くんにとってまったく難しいことではないと思います。
米吉 逆に言うと、学んできたもの、培ってきたものを大事にしつつ、でも心でいくとこういう動きになる、というところが見えたら、新しい実験的なことにもなりそうですね。
愛之助 そこを皆で探っていきたいですね。歌舞伎の手法で言えば、今回は、宙乗りなどを入れて、前回以上に大スペクタクルになる予定ですし。とにかくお客様に喜んでいただけるものを作っていけたらと思っています。
──それこそ初演時も、「こう見せたい、こうしたいよりも、お客様に喜んでもらうことを一番に考えて作っていく」とおっしゃっていました。今回もまさしくそこを目指されるんですね。
愛之助 そういうことです。そして、喜んでいただくというのは、単に笑ってもらうということではなく、観に来て良かったな、楽しかったなと最後に思っていただくということですから。
米吉 今回はとくに、「ルパン三世」のファンの方も歌舞伎のファンの方もがっかりさせない作品にしなきゃいけないですから。台本や演出もさることながら、僕たち役者一人ひとりが一所懸命やることで、日々磨いていかなくてはならないなと思います。だから、26年3月に東京・新橋演舞場で幕を開けたあと、27年2月まで、名古屋・御園座、京都・南座、福岡・博多座と回っているうちに、違う形になっている可能性もあると思います(笑)。
愛之助 それは言えるよね(笑)。
米吉 ここはこうしたほうがいいよねと、より良い作品にしていけるのが、ロングランのいいところですから。
愛之助 劇場によって舞台の大きさが違っていて、変えざるを得ないところもありますし。キャストも変わりますしね。これはもう4劇場全部観ていただきたいです!
取材・文:大内弓子 撮影:石阪大輔
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受付期間:2月21日(土)10:00~3/1(日)23:59まで
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※当選後、お送り先メールアドレスについてご連絡頂ける方のみご応募ください。個人情報につきましては、プレゼントの発送以外には使用いたしません。
<公演情報>
『流白浪燦星 碧翠の麗城』
原作:モンキー・パンチ(『ルパン三世』より)
脚本・演出:戸部和久
【キャスト】
流白浪燦星 / 石川五ェ門:片岡愛之助
瀬織姫:中村米吉
峰不二子:市川笑也
次元大介:市川笑三郎
花屋久松:市川寿猿(東京公演)
七藍屋雅吉実は守矢正之助:市川猿弥
銭形刑部:市川中車
瀧津弾正久永:中村錦之助(東京・愛知公演) / 坂東彌十郎(京都・福岡公演)
【東京公演】
2026年3月5日(木)~27日(金)
★ぴあ全館貸切公演あり(3/18 16:00公演)
会場:新橋演舞場
【名古屋(愛知)公演】
2026年4月3日(金)~26日(日)
会場:御園座
【京都公演】
2026年9月2日(水)~26日(土)
会場:南座
【福岡公演】
2027年2月6日(土)~26日(金)
会場:博多座
関連リンク
東京公演 詳細ページ:
https://www.kabuki-bito.jp/theaters/shinbashi/play/953
愛知(名古屋)公演 詳細ページ:
https://www.kabuki-bito.jp/theaters/other/play/954
京都公演 詳細ページ:
https://www.kabuki-bito.jp/theaters/kyoto/play/955
福岡公演 詳細ページ:
https://www.kabuki-bito.jp/theaters/other/play/956

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