韓国発のミュージカル『レッドブック』の日本版初演が決定。2026年5月から7月に東京・東京建物 Brillia HALL(豊島区立芸術文化劇場)、大阪・森ノ宮ピロティホール、愛知・御園座で上演される。
本作は、韓国で異例のヒットを記録した創作ミュージカル『女神様が見ている』を生んだ脚本家ハン・ジョンソクと作曲家イ・ソニョンのコンビが4年の歳月をかけて制作したオリジナルミュージカル。19世紀のロンドンを舞台に、官能的な小説を書くことで自分自身を表現するアンナが、社会の偏見と闘いながら「私」として生きる道を見つけ出す物語だ。
2018年の韓国初演では、同時期にアメリカで広がった#MeToo運動とも重なる、女性への偏見やセクシャルハラスメントへの問題提起が大きな共感を呼び、イェグリーンミュージカルアワード脚本賞や韓国ミュージカルアワード作品賞など、数多くの賞を受賞。韓国での上演は4シーズン目を迎えている。「新時代のためのミュージカル」として高く評価された本作が、『レッドブック~私は私を語るひと~』のタイトルでついに日本初上演を果たす。
日本版初演の演出を手がけるのは、演劇業界におけるジェンダーギャップの是正をライフワークとしており、作品内外での発信を積極的に行っている小林香。『王様と私』『モダン・ミリー』ほか海外ミュージカルの演出を手がけ、高い評価を受けている。人間の感情を丁寧に描き出す演出と音楽を生かした舞台づくりに定評のある小林が、時代を超え「自分らしく生きる」ことの大切さを問いかける本作をどのように描き出すのか、期待が高まる。
主人公アンナを演じるのは咲妃みゆ。元宝塚歌劇団雪組トップ娘役として活躍し、退団後は演技力にさらに磨きをかけ、2024年には第31回読売演劇大賞優秀女優賞を受賞するなど、数多くの作品でその実力を発揮している。本作では、官能的な小説を書くことで社会と闘う、可憐さと大胆さが共存するギャップのある役に挑む。
相手役ブラウンを務めるのは小関裕太。
音楽監督は、東京音楽大学作曲科卒業後、映画『リップヴァンウィンクルの花嫁』『花とアリス殺人事件』、アニメ『ステラのまほう』、ミュージカル・舞台『梨泰院クラス』『アーモンド』『この世界の片隅に』などの作編曲家・音楽監督として活躍している桑原まこが務める。
【あらすじ】
紳士の国イギリス・ロンドン。その中でも最も保守的だったヴィクトリア朝。
そんな時代を生きる、主人公アンナは少し変わっていた。淑女として振る舞うよりも「私」として生きたい──その想いを官能的な小説を書くことで表現する。そこに現れたのは、真面目一筋で“紳士”として生きることしか知らなかった新米弁護士・ブラウン。正反対のふたりが惹かれ合いながら、物語を大きく動かしていく──。
アンナの綴る小説は、型破りで刺激的。瞬く間に多くの読者を魅了し、熱狂させる。
■演出・上演台本・訳詞:小林香 コメント
女性が文学に名を記すことを許さない社会。女性の声が紙よりも薄いものとして扱われていた時代──それがヴィクトリア朝のロンドンです。『レッドブック』は、その沈黙の底で芽生えた“書く”という行為によって、名も無き女性が、“語られもしない存在”から“自ら物語を書く人間”へと変えていく物語です。この物語は、いまなお私たちに必要とされていますが、同時に、誰もが「自分の言葉で世界を描き直す力」を持っていることを思い出させてもくれます。お客様おひとりおひとりの胸の奥にある“レッドブック”。その新しいページが、劇場でそっと開きはじめますように。
■音楽監督:桑原まこ コメント
音楽監督を務めさせていただきます、桑原まこと申します。このチームの一員となれますことをうれしく思います。
『レッドブック』はアンナという女性主人公の物語です。同じ女性として、アンナが立ち向かう姿を見ていると、つい熱くなってしまいます。
私が音楽を続けてきた中で、女性だからこその悔しさを感じる日もありました。
■咲妃みゆ コメント
『レッドブック』との出逢いは私にとって非常に大きな出来事でした。何故なら私もこの作品に心を救われたひとりだからです。幼い頃から変わり者だと言われることが少なくなかった私は“自分は周りの人と違うのかな? 違うことは悪いことなのかな?”と悩んできました。アンナが葛藤し奮闘する姿は、烏滸がましくも自分自身と重なるように思えたのです。降り注ぐ他者からの視線や言葉を受け止めながらアンナがどんな道を選ぶのか……ぜひ劇場で見届けていただきたいです。最後に、この作品を生み出されたハン・ジョンソクさんとイ・ソニョンさんへ心からの敬意を表します。
■小関裕太 コメント
2026年、『レッドブック』の日本初演にてブラウンを演じさせていただくことになりました。
20歳の時にご一緒させていただいていた演出の小林香さんと。
この作品が持つテーマのひとつである「私らしさ」がうごめく、昨今の時代変化の中で、今必要な強いメッセージだなと個人的に感じました。ストーリーも楽曲も美しいです。ぜひ楽しみにしてください。スーツを纏って劇場でお待ちしています。
<公演情報>
ミュージカル『レッドブック~私は私を語るひと~』
脚本:ハン・ジョンソク
作曲:イ・ソニョン
演出・上演台本・訳詞:小林香
音楽監督:桑原まこ
出演:咲妃みゆ 小関裕太 ほか
2026年5月~7月、東京・東京建物 Brillia HALL(豊島区立芸術文化劇場)、大阪・森ノ宮ピロティホール、愛知・御園座で上演
公式サイト:
https://redbookjp.com

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