
吉沢亮、横浜流星らが出演する映画『国宝』において、中村鴈治郎が歌舞伎指導を担当していることが発表された。
原作は、これまで数々の賞に輝いた吉田修一の最高傑作との呼び声高い同名小説。
人間国宝・四代目坂田藤十郎を父に持つ鴈治郎は、1967年に東京・歌舞伎座にて『紅梅曾我』の一萬丸で中村智太郎を名乗り初舞台。『廓文章 吉田屋』の藤屋伊左衛門、『恋飛脚大和往来 封印切』の亀屋忠兵衛を当たり役とし、2015年に四代目中村鴈治郎を襲名、2019年には紫綬褒章を授与された。原作者の吉田が本作を執筆するにあたり血肉とした3年間の黒衣経験も、鴈治郎のもとで培われたという。
また、歌舞伎役者・吾妻千五郎役として自らも出演することが明らかに。千五郎は、森演じる彰子の父親で、スキャンダルで騒がれた喜久雄に同情して優しくアドバイスをするが、彰子が喜久雄に恋心を抱いていることを知り、娘を使って成り上がろうとする喜久雄に対して厳しくあたる、名門・富士見屋の当主を演じる。鴈治郎の映画出演は、2019年公開の『ねことじいさん』以来となる。

■中村鴈治郎 コメント
普段は優しい李監督ですが、撮影現場ではより良い作品を目指す方なので、とても厳しかったです。映画は舞台と違い、同じシーンを何度も撮るのでクタクタになると思います。ラッシュ版で吉沢亮さんを始め、彼らの歌舞伎のシーンを観た時に、その時の現場の状況を思い出し、とても感動しました。
この映画を通して、歌舞伎を知らない方には、歌舞伎ってこういうものなのかと感じてほしいですし、歌舞伎を観たことのある方には違和感なく、作り事でもなく、自然に観ていただければ一番いいな、と思っています。
吉沢亮さん、横浜流星さん、黒川想矢くん、越山敬達くん、田中泯さん、渡辺謙さんには本当によくやっていただいたと思っています。今は観客の皆さんに受け入れてほしいなと切に願っています。
<作品情報>
『国宝』
6月6日(金) 公開
公式サイト:
https://kokuhou-movie.com/
(C)吉田修一/朝日新聞出版 (C)2025映画「国宝」製作委員会