
6月11日(水) から15日(日)、東京・吉祥寺シアターにて名取事務所『燃える花嫁』が上演される。これまで内藤裕子や詩森ろばらの新作書き下ろし作品を上演してきた名取事務所。
架空の日本、多くの難民が暮らす第4地区が舞台。第4地区で解体業を営みながら姉・カナエ、娘・アカリとともに暮らす在日外国人、キリノユウスケ。彼らは第13地区から出稼ぎにきていたトラックドライバー、ミドリカワマキと出会う。日本人でないことから進学もままならないアカリは、自由に生きるマキに心惹かれる。一方で入国管理局は難民受け入れの制限をはじめていた……。出演はみのすけ、松本紀保、清水明彦、鬼頭典子、平体まひろ、森尾舞、西山聖了、山下瑛司。
ピンク地底人3号は京都を拠点とする脚本家。近年は手話で演じる会話劇を立て続けに発表、『華指1832』が岸田國士戯曲賞最終候補作品にもなった。そんな彼は今作の執筆に4ヶ月、取材、プロットを含めると1年9ヶ月をかけた。実際にクルド人コミュニティにも取材を行い、「死力を尽くして」書いたという。
演出は文学座の生田みゆき。

『燃える花嫁』キャスト、生田みゆき(演出)集合写真
多文化共生という言葉が広く知れ渡ったからこそ、その言葉に追いついていない現実が目につく。今作がその問題に正面から取り組んだ意欲作であることは間違いなさそうだ。日本語を母語とする日本国籍の俳優たちが演じる、在日外国人の人々。大きな障害である「言葉の壁」をどう表現するのかは大きな見どころだ。「この国が10年後、どうなっているのかを描いてほしい」という要望に、ピンク地底人3号が苦しみながら答えた今作。どのような未来が描かれているのか、目撃したい。
本作は6月20日(金)、21日(土) 京都・ロームシアター京都、24日(火)、25日(水) 岡山・岡山芸術創造劇場 ハレノワ 小劇場、28日(土)、29日(日) 福岡・J:COM北九州芸術劇場 小劇場でも上演される。
文:釣木文恵
<公演情報>
名取事務所『燃える花嫁』
作:ピンク地底人3号
演出:生田みゆき
出演:みのすけ、松本紀保、清水明彦、鬼頭典子、平体まひろ、森尾舞、西山聖了、山下瑛司
【東京公演】
2025年6月11日(水) ~6月15日(日)
会場:吉祥寺シアター
【京都公演】
6月20日(金)・21日(土)
会場:ロームシアター京都 ノースホール
【岡山公演】
6月24日(火)・25日(水)
会場:岡山・岡山芸術創造劇場 ハレノワ 小劇場
チケット情報
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventCd=2510034(https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventCd=2510034&afid=P66)
【福岡公演】
6月28日(土)・29日(日)
会場:J:COM北九州芸術劇場 小劇場
チケット情報
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventCd=2503984(https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventCd=2503984&afid=P66)
公式サイト
https://www.nato.jp/topics.html#topi_250611