2日間で総勢17組登場『CHAGU CHAGU ROCK FESTIVAL』、岩手に今年最高の音が鳴り響いた、熱狂ライブ1日目をレポート
『CHAGU CHAGU ROCK FESTIVAL 2025』日向坂46

Text:吉羽さおり



昨年、岩手山を望むツガワ未来館アピオ 岩手産業文化センター野外特設会場でスタートした、『CHAGU CHAGU ROCK FESTIVAL』が今年2度目の開催を迎えた。開局55周年を迎えたテレビ岩手が主催し、“岩手に音を、活気を、熱を。

”と掲げ、岩手が世界に誇る伝統行事チャグチャグ馬コのように長く愛されるイベント、文化を創り上げていきたいと立ち上げたフェスであり、今年こうして歴史を刻むことができた意義はとても大きい。岩手初のロックフェスとして、観客はたくさんの新たな音楽と出会う2日間だ。今年は2日間で17組のアーティストが登場するほか、フェスの名の由来にもなったチャグチャグ馬コが会場ゲートで観客を出迎え、地元の民謡もステージを彩る。1日目となった6月7日は『令和6年度民謡民舞全国大会』の最高部門・内閣総理大臣賞を受賞した雫石郷土芸能伝承活動細川会がその音色を響かせた。岩手県での今年いちばんの暑さを記録した1日目だったが、どこよりも熱いスポットがここ『CHAGU CHAGU ROCK FESTIVAL』となった。




11:00~ MIKAGE PROJECT



2日間で総勢17組登場『CHAGU CHAGU ROCK FESTIVAL』、岩手に今年最高の音が鳴り響いた、熱狂ライブ1日目をレポート

MIKAGE PROJECT

1日目のステージを幕開けるのは、日本各地の民謡を現代の感覚でアレンジし次世代へとつなぐ佐藤公基(尺八)、浅野祥(三味線)、本間貴士(箏)によるMIKAGE PROJECT。ステージではドラムとキーボード、ベースを加えた編成で、プログレッシブなサウンドで聴かせる「名古屋名物」や、パーカッシブな三味線が冴えるソウルミュージックへと国境や文化も超えたアレンジとなった「豊年こいこい節」など、前半からボルテージの高いアンサンブルを連投する。「我々は日本各地にある民謡を僕らの世代なりにアレンジをして、日本だけでなく世界に伝える活動をしています」と佐藤。後半は観客と一体となって歌い踊る曲が並んだ。観客の合いの手が映える「牛深ハイヤ節」、本間がギターを持ち三味線とエネルギッシュなロックンロールを奏でる「八木節~Rock'a'Joint~」と続き、ラストは海外公演でも必ず演奏する「チャグチャグ馬コ」へ。オープニングに登場した細川会との、このフェスならではのスペシャルコラボで祝祭感溢れるステージとなった。




12:00~ BALLISTIK BOYZ from EXILE TRIBE



2日間で総勢17組登場『CHAGU CHAGU ROCK FESTIVAL』、岩手に今年最高の音が鳴り響いた、熱狂ライブ1日目をレポート

BALLISTIK BOYZ from EXILE TRIBE

オープニング映像で会場内の熱が一気に高まったのはBALLISTIK BOYZ。

EXILE TRIBEでメンバー全員がマイクを持ってパフォーマンスをする初めてのグループで、爆発力の高いダンスチューン「テンハネ -1000%-」から、タオルを振り回しひとつになるアンセミックなポップパンク・チューン「Meant to be feat. F.HERO & BOOM BOOM CASH」など前半から、パワフルに盛り上げていく。初めてBALLISTIK BOYZを観る観客も多かったようだが、いつの間にか女性も男性も大きな歓声で楽しんでいる。問答無用で観客を巻き込んで、いい時間を作っていく。7人の気概をビシビシ感じるパフォーマンスだ。中盤、「360°」ではシンガロングを起こし、この日の陽気にぴったりの「SUMMER HYPE」や「SAY IT」で観客の体を揺らすと、ラストは「次、ヤバいの持ってきているので水分補給しとくか」というMCで「PASION」を投下。「『CHAGU CHAGU ROCK』、みんなでジャンプしたいという夢を叶えてくれませんか」と観客をかがませて一斉にジャンプ! さらにジャンプの嵐でテンションを上げ続け駆け抜けていった。




13:00~ Rei



2日間で総勢17組登場『CHAGU CHAGU ROCK FESTIVAL』、岩手に今年最高の音が鳴り響いた、熱狂ライブ1日目をレポート

Rei

「初めてやる会場なので、どんな音がするのかなと気になって。みなさんも声出し練習で一緒に歌ってくれませんか」とサウンドチェック時から本番か?という熱量でギターをプレイし、高音のスクリームを上げていったのは、今年でデビュー10周年を迎えた、シンガー・ソングライター/ギタリストのRei。ドラマーとふたりという編成こそシンプルだが、華麗でいて、やんちゃな暴れっぷりでも魅せるギターで「Lonely Dance Club」から、夏のような日差しが降り注ぐ会場をさらに灼熱にする。オルタナ感満載のロックチューン「JUMP」やドライブ感のあるアンサンブルで観客の手を上げさせる「COCOA」へ。また岩手でのライブは久々で、この日のためにベースも練習してきましたと低音を轟かせ、ドラムとともに迫力満点のデッドヒートを繰り広げる「QUILT」と、飽きさせない内容だ。真骨頂はラストの「BLACK BANANA」。

エネルギーを迸らせて、ビートにヘッドバングしたりステップを踏みながらギターリフを刻み、演奏の温度を上げていく。これほど気持ちよくギターが弾けたら最高だ。観客にそう思わせてくれる快音が、岩手山にもこだましそうな勢いだった。




14:00~ GENIC



2日間で総勢17組登場『CHAGU CHAGU ROCK FESTIVAL』、岩手に今年最高の音が鳴り響いた、熱狂ライブ1日目をレポート

GENIC

1日でもいちばん日が高く、暑い時間帯。ステージに登場したのは、男女混合7人組ダンスボーカル・グループ、GENIC。生のバンドを背負ってのステージで、登場からボリューム感のあるバンド・サウンドとともに全員タオルを振りながら元気に登場して、まさにこの日にぴったりな爽快な1曲「夏の聲」でのっけから観客と一体となってタオルをぐるぐると回す空間を生み出していった。そこから「New Game!!」を連投して、今度はジャンプを起こしていく。会場をすぐに掴んでいく明るいキャッチーさと、パワフルで高いパフォーマンス力で、ステージは華やかだ。「今この35分間だけは、あなたの目と耳と体と心とを僕らに預けていただいて、最高の1日を作りましょう」というMCから、後半は3月にリリースした心温まる新曲「ぎゅっと」や、ここからギアをもうひとつ、ふたつ上げていこうと「Aventure」でジャンプを巻き起こす。ラストは、全員がマイクスタンドを使ったパフォーマンスでも魅せる、エモーショナルな歌やGENICのエンタテインメントな魅力が詰まった1曲「IT'S SHOWTIME」で締めくくった。




15:00~ 日向坂46



2日間で総勢17組登場『CHAGU CHAGU ROCK FESTIVAL』、岩手に今年最高の音が鳴り響いた、熱狂ライブ1日目をレポート

日向坂46

続くアクトは、昨年に続き2年連続出演となった日向坂46。MCでは口々に「また岩手に戻ってこられてうれしい」と言い、昨年出演したときに人生初の盛岡冷麺を食べて、東京に戻ってからもその週だけで3回も食べにいったと冷麺愛を語るメンバーもいて、再び立ったこのステージで喜びを炸裂させた。

会場も、登場前から観客のコールが響きわたる熱狂ぶり。まずは「月と星が踊るMidnight」「永遠のソフィア」「アディショナルタイム」を連投し、フリルたっぷりのエアリーな衣装を軽やかに揺らしながら、エモーショナルに歌い、またシンガロングを起こしていった。さらにキャッチーな「アザトカワイイ」で一緒に踊ったりと会場が一体となったところで、ここからは何段階もボルテージを上げて、「全員、叫べ!」と「見たことない魔物」からメンバーもコブシを振り上げながら歌い、観客の汗を絞りとっていくゾーンに。「愛はこっちのものだ」で回せ!とタオルを掲げ盛り上げると、「これが私たちの夏フェスはじめ。これから夏のイベントで力をつけて秋にはツアーで東北に戻ってきます」と宣言して、ラスト「君はハニーデュー」のキュートな笑顔で締めくくった。




16:00~ =LOVE



2日間で総勢17組登場『CHAGU CHAGU ROCK FESTIVAL』、岩手に今年最高の音が鳴り響いた、熱狂ライブ1日目をレポート

=LOVE

ジュークボックスのように次々にバラエティに富んだ曲、サウンドとダイナミックに移動するフォーメーションダンスで、にぎやかに会場を盛り上げた=LOVE。「絶対アイドル辞めないで」から観客による盛大なコールとのケミストリーでボルテージを上げながら、「いくぜ! イコラブちゃんが岩手にきたよ」と叫び、「ナツマトペ」で盛り上げる。さらにコール&レスポンスを巻き起こしながら、ブラストビートで激しさを増す「いらない ツインテール」へと突入。油断をしていると「まだまだいけるよな」「もっと声出せるだろ」と威勢のいい煽りがステージから飛んでくる。かと思うと中盤では、「この空がトリガー」や「青春“サブリミナル”」など、この日の青い空に映える爽やかでいて切ない青春ソングで、夏のはじまりを祝す。イントロと同時に観客のテンションが上がった「探せ ダイヤモンドリリー」で観客も一体となって歌い、踊ると、ラストは「とくべチュ、して」で再び猛烈なコールを巻き起こしていった。あっという間に時が過ぎるような怒涛のステージ。

「みなさんの声援が私たちのパワーになりました」とステージを後にする姿に歓声が上がり、長く大きな拍手が湧いた。




17:00~ GENERATIONS from EXILE TRIBE



2日間で総勢17組登場『CHAGU CHAGU ROCK FESTIVAL』、岩手に今年最高の音が鳴り響いた、熱狂ライブ1日目をレポート

GENERATIONS from EXILE TRIBE

昨年、新体制となったGENERATIONSが生バンドを率いて登場。意外だが岩手県でのライブはこれが初。その記念すべきステージに、GENERATIONSのライブの旨みを凝縮した最強のセットリストで臨んだ。「最高の思い出を作っていきましょう」と新体制でバージョンアップした「Evergreen 2.0」でライブを幕開けると、序盤からフルスロットルで「Diamonds」や「Hard Knock Days」等、GENERATIONSのライブを形作ってきたアンセムを連投する。それぞれの個性を持ったボーカルとダイナミックな身体表現で曲を鮮やかにするパフォーマーとの掛け算で、全方位で楽しませるステージに、観客の興奮は上昇一方だ。現在各メンバーのプロデュースによる曲を連続配信しているが、その第5弾「Magic Hour」(佐野玲於プロデュース)を初披露するスペシャル感でも、会場内の歓喜のボルテージを上げる。さらにラストのスカパンク・チューン「Now or NEVER」では元気なライブキッズをステージに上げてメンバーと肩を組み歌い、騒ぐパンクバンドのようなステージに。近年、フェス出演でファンの裾野を広げているGENERATIONS。初の岩手でのライブで、がっちりと観客のハートを掴んだ。




18:00~ 倖田來未



2日間で総勢17組登場『CHAGU CHAGU ROCK FESTIVAL』、岩手に今年最高の音が鳴り響いた、熱狂ライブ1日目をレポート

倖田來未

序盤の「キューティーハニー」から早くも髪を乱しメガネを吹っ飛ばす激しいパフォーマンスで、会場を歓喜と興奮で包んでいったのは倖田來未。岩手でのライブは8年ぶりだという。

ダンサーと揃いの超ミニマムな衣装について「刺激が強いんじゃないかと協議があったんですけど。42歳、ほっぽり出してきました」とお茶目に語ったかと思うと、「Butterfly」、「WIND」また「Someday」といったヒット曲を最新形のライブナンバーとして魅せる。25周年イヤーを迎えなおストイックに進化を続け、キレッキレのパフォーマンスとパワフルなボーカル(と、キャッチーなトーク)に、いつの間にか観客たちも踊っている。「WON’T BE LONG」等カバー曲で盛り上げたほか、「Poppin’ love cocktail」では観客とともにぐるぐるとタオルを振り、ラストは昨年リリースしたテンション爆アゲのダンスナンバー「Vroom」でライブの総仕上げ。ど迫力のダンスで会場内の興奮をマックスにしたところで、「飛べ!」と観客を一斉にジャンプさせていく。全員を昇天させるようなエンドレスのジャンプに、観客は汗だくになりながらも笑顔だ。「また会おうね。岩手、帰ってくるからね」という言葉に大きな歓声が巻き起こった。




19:00~ 氣志團



2日間で総勢17組登場『CHAGU CHAGU ROCK FESTIVAL』、岩手に今年最高の音が鳴り響いた、熱狂ライブ1日目をレポート

氣志團

灼熱の日中から一転、夕暮れとともに涼しさを増していった『CHAGU CHAGU ROCK FESTIVAL 2025』。その美しい光景にダイナミックなドラムビートが響き、さらに豪快にアクセルをふかしながら、真っ赤な単車にまたがった綾小路翔がステージに乗り込んでくる──氣志團の登場だ。まずはサポートドラム・叶 亜樹良と音でタイマンを張るようにビートとアクセル音をぶつけ合い、メンバー登場とともに「喧嘩上等」のアンサンブルを轟かせる。トリにふさわしいド派手で、ドラマティックなはじまりに観客が沸いて、続くアンセム「房総魂」では会場にシンガロングが広がり、「スウィンギン・ニッポン」や「萌え萌えROCK’N’ROLL」でメンバーとともに踊る。

卓越したプレイと、初見でも楽しめる遊び心とショーマンシップに則ったライブは、まさに氣志團の真骨頂。いつにも増して力が入っているようにも見えるのは、綾小路翔曰くどうしても出たいフェスだったからだという。氣志團の地元といえば曲にもあるように房総だが、綾小路翔の両親は岩手県遠野市の出身。幼い頃から夏休みを岩手で過ごし、初めてライブハウスに行ったのも盛岡だった。ツアーでなかなか来られなかったこのゆかりの地に、フェスのトリとして立つエモさにトークが止まらない状態だったが、その思いを曲に乗せて「落陽」をじっくりと歌い上げた。お馴染みの「One Night Carnival」から、みんなで踊ろう!とドラム以外のメンバーも楽器を置いて、某パークのキャラクターたちのようにダンスする「One Night Jamboree」で『CHAGU CHAGU ROCK FESTIVAL 2025』の1日目を、楽しく、明るく締めくくった。さらにこの日は、普段のツアーではやらないアンコールにも応え、「MY WAY」「ゆかいな仲間たち」を第二の故郷にプレゼントした。




<公演情報>
『CHAGU CHAGU ROCK FESTIVAL 2025』



6月7日(土) 岩手・ツガワ未来館アピオ 岩手産業文化センター野外特設会場



【セットリスト】

■MIKAGE PROJECT
M1.チャグチャグ⾺コ
M2.名古屋名物
M3.一合蒔いた
M4.豊年こいこい節
M5.⽜深ハイヤ節
M6.八木節~Rock'a'Joint~
M7.チャグチャグ⾺コ

■BALLISTIK BOYZ from EXILE TRIBE
M1.We never die
M2.テンハネ -1000%-
M3.Meant to be feat. F.HERO & BOOM BOOM CASH
M4.ラストダンスに BYE BYE
M5.Animal
M6.360°
M7.SUMMER HYPE
M8.SAY IT
M9.PASION

■Rei
M1.Lonely Dance Club
M2.JUMP
M3.COCOA
M4.QUILT
M5.Heaven
M6.What Do You Want?
M7.BLACK BANANA

■GENIC
M1.夏の聲
M2.New Game!!
M3.Flavor
M4.TALK
M5.FUTURES
M6.ぎゅっと
M7.Aventure
M8.IT'S SHOWTIME

■日向坂46
M1.月と星が踊るMidnight
M2.永遠のソフィア
M3.アディショナルタイム
M4.アザトカワイイ
M5.見たことない魔物
M6.愛はこっちのものだ
M7.君はハニーデュー

■=LOVE
M1.絶対アイドル辞めないで
M2.ナツマトペ
M3.いらない ツインテール
M4.呪って呪って
M5.Oh!Darling
M6.この空がトリガー
M7.青春”サブリミナル”
M8.探せ ダイヤモンドリリー
M9.とくべチュ、して

■GENERATIONS from EXILE TRIBE
M1.Evergreen 2.0
M2.Two Steps Back
M3.Diamonds
M4.Hard Knock Days
M5.Magic Hour
M6.SUMMER TIME LOVE
M7.AGEHA
M8.Y.M.C.A.
M9.Now or NEVER

■倖田來未
M1.BE MY BABY
M2.キューティーハニー
M3.Butterfly
M4.WIND
M5.someday
M6.愛のうた
M7.WON'T BE LONG
M8.め組のひと
M9.Poppin' love cocktail
M10.Vroom

■氣志團
M1.Drum Solo ~ Axel Call
M2.喧嘩上等
M3.房総魂
M4.スウィンギン・ニッポン
M5.萌え萌えROCK'N'ROLL
M6.汚れなきクソ野郎ども
M7.落陽
M8.One Night Carnival
M9.One Night Jamboree
EN1.MY WAY
EN2.ゆかいな仲間たち



公式サイト:
https://www.tvi.jp/chagurock



編集部おすすめ