三谷幸喜が作・演出を務める、小栗旬主演の舞台『いのこりぐみ』が、1月30日より東京・IMM THEATERにて開幕。舞台写真とレポート、また出演者と三谷のコメントが到着した。
数々の話題作を世に送り出してきた人気脚本家・三谷幸喜と、エッジの効いた4人が新たな作品。三谷が書き下ろす新作は、登場人物が4人のみ。モンスターペアレントをテーマにしたワンシチュエーションのディスカッション劇。時に笑いに溢れ、時にスリリングな丁々発止のやりとりが交わされること請け合いだ。初日の1月30日を前にゲネプロが行われた。
舞台は学校の教室。教卓、机と椅子、黒板、廊下と、どこか懐かしさが感じられる空間だ。丸時計が時間を刻み、今は夕方。雨音が聞こえている。
教頭(相島一之)はこれから来る母親の対応、その立ち合いを若手教員(小栗旬)に頼んでいる。ふたりの会話から、若手教員はもともと教頭の教え子だったよう。思い出話から、単に上司と部下という関係だけはでない絆のようなものが感じ取れる。
相島一之
一方の若手教員は、仕事よりプライベートを優先するちゃっかりタイプ。ブラックと言われる教員の仕事を極力減らし、筋肉づくりに勤しんでいる感じが今どきだ。ジャージ姿で時間があればトレーニングの動きをし、大きなジャグにドリンクを入れていて、飲めば必ず口を拭う。小栗旬の魅力全開といえるだろう。
⼩栗旬
味わい深いふたりだなと思っていたところに、母親(菊地凛子)が登場。赤いワンピースにカーリーなロングヘア。派手目で本人はおしゃれにも頑張っているのだろうが、洗練されているわけではない。強烈だがその絶妙な塩梅に、こんなお母さんいるいる!と頷いてしまった。そして声が非常に良い。少しキンキンした、でも滑舌の通る声で普段の菊地凛子とはかなり印象が違う。声からしっかり役を作っているのだと、そのことに感心した。
この母親、息子が担任に蔑ろにされているので、担任を変えてほしいと激しく主張する。いわゆるモンスターペアレントなのだが、とにかく話も主張もとんちんかんで噛み合わない。初めて準備稿を読んだ時、菊地凛子がこの母親役について、「私ってこんなに変?」と小栗に聞いたというエピソードがあるが、その気持ちがよくわかる。しかし面白いのは、この母親は至って真剣、我が子とクラスの生徒たちを思って本気で学校に挑んでいることだ。
菊地凛⼦
話し合いに埒が明かず、教頭と若手教員が困り果てたところで、当事者の担任教員(平岩紙)が加わる。この担任が母親と対照的。地味な装いに信念ある物言い、とても真面目な人物で、これは性格的にも水と油だろうと考えてしまう。どうにか丸く収めようとしていた教頭も次第にテンションが上がり、担任をかばうようになる。勝負はついたか?というところで意外な展開に……。
平岩紙
最初は、モンスターペアレントという社会問題を含んだ会話劇かと思いきや、途中からサスペンス、謎解きのように話が転がっていくところが秀逸だ。小栗が等身大の現代人を舞台で演じることが新鮮で、存分にその魅力を発揮。初舞台の菊地はそうは思えない度胸の良さと演技力を存分に見せつけてくれた。
ああ面白かった!だけではなく、現代の闇やほろ苦さも味わえる。演劇の原点、その醍醐味に立ち帰ることができる作品だ。
文:三浦真紀
撮影:岡村未来
<開幕コメント>
■小栗旬
いよいよ開幕、観に来てくださったお客様がどういう反応をしてくれるのかが非常に楽しみです。脚本を書かれている三谷さんの演出を受けながら日々作っていくのはとても面白い体験でした。お稽古場で、三谷さんから次々とアイデアが出てきて、それによってそれぞれの役が、さらに面白くなったと思います。そんな稽古場の雰囲気は本当に最高でした。みんなで和気藹々と楽しく作っていました。実際劇場で観ていただけたら、いろんな驚きがあると思うので、それを楽しんでもらえたら嬉しいです。
■菊地凛子
もう小屋(劇場)入りです。ゲネプロって言葉も覚えました(笑)。
■平岩紙
3年半ぶりの舞台。稽古では発見と実りがあり毎回山登りをしているかのようで、充実ってこれかも……と、じんわり帰路につく日々です。初日を迎えるにあたり一番楽しみなことは、初舞台となる凛子ちゃんがどんな景色を見るのだろう♪ということ。きっと嬉しい日になると思っています。私は隣でガチガチかもしれませんが、信頼しかないチームで笑いながらも真剣につくられた舞台を見守っていただけたら幸いです。
■相島一之
ようやく初日を迎えます。去年の12月の半ばから始まったお稽古。お正月をまたぎましたがじっくりと作品に取り組むことができました。出演者4人のノンストップ・セリフ劇。楽しい稽古場でした。最高のメンバー! 稽古の最初の頃は頭がバーストするぐらいヘトヘトになりましたがみんなで乗り越えました。それがお客様に観てもらえるところまで来た! 正直ドキドキしています。みなさんに喜んでもらいたい。劇場でお待ちしております。
■三谷幸喜
小栗旬さんの繊細かつダイナミックな演技。相島一之の情熱的かつ哀愁に満ちた存在感。平岩紙さんの知的だがその向こうに垣間見える怪しさ。
<公演情報>
舞台『いのこりぐみ』
作・演出:三谷幸喜
出演:小栗旬 菊地凛子 平岩紙 相島一之
【東京公演】
2026年1月30日(金)~2月23日(月・祝)
会場:IMM THEATER
【新潟公演】
2026年3月6日(金)~8日(日)
会場:りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館・劇場
【兵庫公演】
2026年3月12日(木)~15日(日)
会場:兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール
【愛知公演】
2026年3月20日(金・祝)~22日(日)
会場:穂の国とよはし芸術劇場PLAT 主ホール
【大阪公演】
2026年3月26日(木)~29日(日)
会場:SkyシアターMBS
公式サイト:
https://www.delight-ent.com/inokorigumi

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