日本画家としての活動を軸に、新海誠や片渕須直など名だたる監督のアニメーション作品に参加し、CMやミュージックビデオなどジャンルを超えてさまざまな創作活動を行ってきた四宮義俊が、自身のオリジナル脚本で描いた初の長編アニメーション監督作『花緑青が明ける日に』。この度、本作の製作裏に迫る美術ボードと設定画が公開された。
本作は、フランスの気鋭スタジオMiyu Productionsとの日仏共同製作であり、第76回ベルリン国際映画祭コンペティション部門に正式出品されるなど世界的な注目を集めている。物語の舞台は、創業330年の花火工場で、再開発による立ち退きの期限が迫る中、幻の花火“シュハリ”とそこで育った若者たちの未来をめぐる2日間が描かれる。映画タイトルにある“花緑青(はなろくしょう)”とは、燃やすと青くなる緑色の顔料で、かつて花火の材料に使われていたが、美しさと引き換えに毒性を含むことから幻となったものだ。
公開された美術設定画は、物語の舞台となる帯刀家の外観や幼馴染3人が集う2階居間の内観、主人公・敬太郎が花火づくりをする1階の作業場の3点。伝統的な日本家屋の面白さや、自身の好きな建物の要素を詰め込んだという四宮監督は、「屋根の厚みや破風の描写はもちろん、木や土や瓦に石、銅板に鉄といった材料の表情の違いにもこだわりました」と具体的なこだわりを明かしつつ、「僕は建物好きですが、広がっていく風景の中に家がある状態に惹かれるところがあります。今回も家も含めた“景色”としての面白さを追求したつもりです」と振り返る。
『花緑青が明ける日に』美術設定 1階作業場
『花緑青が明ける日に』美術設定 2階居間
『花緑青が明ける日に』美術設定 外観
美術ボードには、草木が生い茂る帯刀家の玄関や1階作業場のほか、帯刀家の外観や高速道路の景色が描かれている。美術監督を務めた四宮監督と馬島亮子は、ともに新海監督作品への参加経験もあり、その確かな技術をもって繊細で美しい表現を可能にしている。帯刀家の1階作業場部分が描かれた美術ボードには、大きな花火台が描かれ、設定画にあった木材や鉄骨、ポリカーボネートなどの質感も表現されている。
『花緑青が明ける日に』美術ボード
『花緑青が明ける日に』美術ボード
四宮監督との共作に関して、馬島美術監督は「背景美術を手がけるうえでは、今までで一番難しかった作品かもしれません。描くときの体幹が違うというか、独特な色遣いや、柔軟なセオリーに戸惑うことも多かったですが、新鮮な気持ちで取り組めたので、そのあたりが映像にも表れていたらいいな、と思います」とコメント。美術ボードにはさまざまな種類の植物が描かれているが、四宮監督は「本来植物はその土地の気候や風土に合ったものしか育ちません。
映画『花緑青が明ける日に』本予告映像
<作品情報>
『花緑青が明ける日に』
3月6日(金)公開
公式サイト:
https://hanaroku.asmik-ace.co.jp
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