
東京国立博物館本館特別5室にて9月9日(火)より開催されている『運慶 祈りの空間―興福寺北円堂』。同展の広報大使、および音声ガイドナビゲーターを務める俳優の高橋一生が開幕に先駆けて会場を訪れ、展覧会を鑑賞した。
同展は、運慶晩年の傑作といわれる奈良・興福寺北円堂のご本尊・弥勒如来坐像、両脇に控える無著・世親菩薩立像に加え、かつて北円堂に安置されていた可能性の高い四天王像を合わせ7軀の国宝仏のみで構成される展覧会。治承4年(1180)、南都焼討により焼失した後、1210年頃に再建された北円堂内陣を復興当時の姿に再現しようという試みだ。

ひと足早く展示を鑑賞し「非常に凝縮された美しい祈りの空間を特等席で見ることができ、改めて広報大使に任命いただいたことを心より幸福に思いました」と、興奮気味に語った高橋。今回展示されている7軀の仏像のなかでも、無著・世親菩薩立像の2軀と対面することをとても楽しみにしていたという。

左から国宝《世親菩薩立像》と国宝《無著菩薩立像》 いずれも運慶作 鎌倉時代・建暦2年(1212)頃 奈良・興福寺蔵 北円堂安置
「(2軀との対面は)想像以上でした。無著と世親は、ぜひ玉眼にも注目してみていただきたいです。教えを広めるため限りなく人に近い姿でいるこの二人の兄弟が、皆さんにも印象的に映ると思います。また、今回はすごく貴重な位置から見ることができるんです。光背のない弥勒如来坐像を見る機会もなかなかないですし、お像の後ろに回って見たときに感じた、弥勒さまと無著、世親の背中越しの、“世界を見ている目線”みたいなものがとても印象に残っています。この感覚になれたっていうことが、僕にとっては非常に貴重な瞬間でした」と、800年以上の時を経て再現された特別な「祈りの空間」を、存分に堪能したようだった。

中央:国宝《弥勒如来坐像》運慶作 鎌倉時代・建暦2年(1212)頃 奈良・興福寺蔵 北円堂安置

展示風景より
最後に、来場者へ向けて「本来の場所でも体験できない、凝縮された濃密な空間を感じていただきたい。涙を湛えているような世親の玉眼、無著の眼差しを感じていただけるまたとない機会だと思います。(自身がナビゲーターを務める)音声ガイドはもしちょっとうるさかったら外していただいて(笑)。来場された皆さんがそれぞれ、このお像と祈りの空間に向き合っていただければなと思っております」とアピールした。
<開催概要>
特別展『運慶 祈りの空間―興福寺北円堂』
2025年9月9日(火)~11月30日(日)、東京国立博物館 本館特別5室にて開催
チケット情報:
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventBundleCd=b2559720(https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventBundleCd=b2559720&afid=P66)
公式サイト:
https://tsumugu.yomiuri.co.jp/unkei2025/?ke=spcp
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