江戸糸あやつり人形 結城座 旗揚げ390周年記念の締めくくりに伝統の演目『伽羅先代萩』3月25日より
『伽羅先代萩』

寛永12年(1635年)に初代結城孫三郎が旗揚げ、脈々と江戸あやつり人形の伝統を継承しつつ、海外の演出家・作家とのコラボレーションにも意欲的に取り組んできた結城座。昨年から続く旗揚げ390周年公演の第三弾として、2026年3月25日(水) より、東京・東京芸術劇場シアターイーストにて『伽羅先代萩 ~花水橋から床下まで~』を上演する。



結城座は、国記録選択無形民俗文化財および東京都の無形文化財に指定されている伝統ある劇団。現在、三代目両川船遊(元十二代目結城孫三郎)と、その長男で座長を務める十三代目結城孫三郎をはじめとする座員たちが、歌舞伎や文楽、能、狂言などでお馴染みの古典をはじめ古今東西の物語を上演、江戸あやつり人形の可能性をひたむきに、また貪欲に追求してきた。



昨年6月の旗揚げ390周年記念公演第一弾では、世阿弥の『融』を原作に佐藤信が脚本・演出を手がけた『奢りの都市』を上演、また9月には第二弾として石川啄木の『雲は天才である』を原作とした『タクボク 雲は旅のミチズレ』を加藤直の脚本・演出で上演。今回、390周年記念公演の掉尾を飾る公演に彼らが選んだのは、『伽羅先代萩 ~花水橋から床下まで~』。結城座が古くから大事にしてきた伝統の演目だけに、期待は高まる。



江戸糸あやつり人形 結城座 旗揚げ390周年記念の締めくくりに伝統の演目『伽羅先代萩』3月25日より

奈河亀輔の作による『伽羅先代萩』は、仙台伊達家に起こったお家騒動を題材とした物語。幼い若君を毒殺から守るために自身の息子を犠牲にする乳母・政岡に光が当てられる通称「御殿」、また御殿の床下で警護をしていた荒獅子男之助を、仁木弾正が鼠の妖術によって出し抜く通称「床下」が大きな見どころとなり、歌舞伎や文楽でもお馴染みの演目だ。が、もともとは1785年に結城座に書き下ろされた作品。結城座ではなんと240年の長きにわたって上演を重ねてきた。舞台の構成・監修を担う三代目両川船遊も、先人たちからその技を受け継いだひとり。今回は、三代目両川船遊が政岡のほか、松が枝節之助、男之助などを担い、長男の十三代目結城孫三郎が、八汐、仁木弾正などにのぞむ。



あやつり人形でなければ表現し得ない空気感、その魅力に触れるのであれば、やはり一度は味わっておきたい伝統の古典作品。

三代目両川船遊は、晩年の父が演じた政岡から多くを受け取ったというが、今回の公演も、未来に向けての新たなスタートとなるとともに、また多くのことが伝承される場になるのでは。ぜひその場に居合わせたい。




■構成・監修 三代目両川船遊からのメッセージ



390周年記念公演も第三弾、とうとう最後になってしまいました。出し物は「伽羅先代萩」です。この作品は結城座にとって大切な作品に違い有りません。この先代萩の政岡役を私は何度もやらせていただきましたが、一番印象に残っている舞台は、自分が演じた政岡ではなく、父が十年間病に臥せって90歳で復帰した時でした。稽古が進むにしたがって、父は出たくないとか自信がないとか言い出して、私を始め全員が困り果て、最終的には、私が後見をつとめて、父が何か有った時には代役をつとめると説得し、父はシブシブ了承し、政岡を演じる事になりました。本番の時は父の背中合わせに正座をし、父の人形を遣っている姿を見る事が出来ず、自分の背中に神経を集中させ、父の気配を一寸でものがさないように、全神経をそば立てて居りました……それまで父から人形の遣い方を何も教えてもらえなかったのに、この瞬間父にすべての事を背中ごしに伝えられた気持ちになった事が今でも思い起こされます。父はその後3カ月後にこの世を去る事になりました。




<公演情報>
江戸糸あやつり人形 結城座
旗揚げ390周年記念公演第三弾
『伽羅先代萩 ~花水橋から床下まで~』



構成・監修:三代目両川船遊

出演:
三代目両川船遊(役:仲間・松が枝節之助・政岡・男之助)
十三代目結城孫三郎(役:そば屋・八汐・仁木弾正)
結城育子(役:栄御前)
湯本アキ(役:沖の井)
小貫泰明(役:黒沢官蔵)
安藤光(役:千松)
大島千波(役:鶴喜代)

義太夫:竹本越孝、鶴澤津賀花(三味線)

2026年3月25日(水)~29日(日)
会場:東京・東京芸術劇場シアターイースト



関連リンク

チケット情報:
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventCd=25443584(https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventCd=2544358&afid=P66)



公式サイト:
https://youkiza.jp/archives/16213

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