原因は自分にある。初のアリーナツアーで見せた“命を懸けたステージ”と、7周年を前に証明した圧倒的な成長
(撮影/masayuki kouda / takahashi marina / HannaTakahashi)

原因は自分にある。にとって初のアリーナツアーとなるライブツアーのタイトルは「仮ノ現」。

この言葉は、仏教用語で「はかない現世」や「無常であるこの世」を意味する。そんなタイトルに相応しく、観測者(原因は自分にある。のファンネーム)にとって現実ではあるが、どこか現実離れした儚さ、諸行無常の精神を秘めた2時間のライブを、ぴあでは7月5日、昼公演の模様について余すことなく詳細にレポートしよう。



電脳世界からスタートした盛り上がりっぱなしのオープニング

原因は自分にある。初のアリーナツアーで見せた“命を懸けたステージ”と、7周年を前に証明した圧倒的な成長

スクリーンには電脳世界のような空間が、そしてそこを浮遊する厳かに反響するサウンドが広がる会場。その空気感は独特で、これからライブが始まるとは思えない静けさを感じさせた。



そして定刻が近づくと、機械音に近い音声で開演前のアナウンスが。それを終えた後で、会場を流れたアンビエント・ミュージックのようなBGMは徐々に大きくなっていく。そして、会場は暗転。スクリーンの電脳空間に、黒の革素材の衣装に腕を通した7人の姿が映し出された。



その映像の後、けたたましい強い光が放たれる。そして、ステージに現れたのは、赤を基調とした軍服風のデザインに、金色の装飾がアクセントになっている衣装を着た7人。ステージの真ん中に座り、画面は7分割され、一人一人にフォーカスが当たった演出に観測者は大興奮。彼らの強みである表情管理がこれでもかと見られるデビュー曲「原因は自分にある。」を披露した。

さらに、ライティングも細かく変化していくのが目につく。大サビ前、真っ暗な会場をシンプルな白熱灯が照らし、ジャンプしてターンをするなどのパフォーマンスが引き立てられていた。



原因は自分にある。初のアリーナツアーで見せた“命を懸けたステージ”と、7周年を前に証明した圧倒的な成長

リーダー・吉澤要人の煽りからスタートしたのは「嗜好に関する世論調査」。この楽曲のポイントの1つであるの部分では、観測者がクラップをするのが恒例なのだが、それを大倉空人が笑顔で楽しげにリクエストする姿が見受けられた。またの後にわずかに流れる静寂のタイミングで、スクリーンに映し出された大倉は笑顔の後でパチっとウィンクをし、キュートな一面をアピール。観測者からは大きな歓声が上がった。



ノンストップで披露された「Joy to the world」では、杢代和人の「騒ごうぜ有明!」を合図に7人がセンターステージに向かって走り出す。そして、到着したセンターステージでは、それぞれがステージの外側、観客席の方向を見て、目の前のファンを楽しませていた。



しっとりとしたバラードから懐かしの演出まで

原因は自分にある。初のアリーナツアーで見せた“命を懸けたステージ”と、7周年を前に証明した圧倒的な成長

率直な気持ちを歌った切ないラブソング「ラベンダー」はピアノバージョンで披露。歌い出しの小泉光咲の声が会場を包み込むと、観測者は一気にその世界に引き込まれる。そして、その歌唱中にはメインステージの真ん中にあるスクリーンに歌唱中のメンバーのデビュー間もない頃の姿も映し出されていたのが印象的。間も無く迎える7周年を前に、メンバーの成長を改めて感じさせた。大サビ前、しっとりと最低限のメロディラインが流れる中で歌うのは長野凌大。

その後で、7人が主旋律、上ハモリ、下ハモリに分かれ、歌声を重ねた大サビはグループの歌唱力の高さを物語っているように感じさせた。



雰囲気をガラッと変えたのは「ギミギミラブ」。サビでのキス顔部分は、冒頭の演出と同じくスクリーンが7分割されたため誰か一人ではなく、全員のチャーミングな表情を見ることができるというなんとも贅沢な演出。そんな中、武藤潤がソロ歌唱パートで伸びやかな歌声を披露したり、勢いよく火花が噴き出たりと大盛り上がりのステージとなった。



原因は自分にある。初のアリーナツアーで見せた“命を懸けたステージ”と、7周年を前に証明した圧倒的な成長

続く「シェイクスピアに学ぶ恋愛定理」では、両脇のスクリーンには額縁が、そしてメインのスクリーンには大きなアーチ型の窓を模した映像が映し出される。その演出は、まるで同楽曲のミュージックビデオを彷彿とさせるようだった。



ここで場面は、再び冒頭の電脳世界のような空間を映し出した映像へ。それが終わると二進法を彷彿とさせる映像が映し出され、センターステージにはダンサーと共に大倉と吉澤が登場。続いて、メインステージに桜木雅哉、杢代が登場し、小泉、長野、武藤はメインステージの2階部分に登場。「in the FATE」でアツいステージを見せた。



息をつく間もなく、シームレスに披露したのは「Paradox Re:Write」。ステージ上のハンディカメラを使った映像は、目まぐるしくメンバーを映し出し臨場感たっぷり。

そして、1番のサビ終わりには大倉がフェイクからのデスボイスを披露するなど、ボルテージは最高潮。曲の終わりに小泉が怪しげに笑ったかと思えば「MSYー!」と大倉に紹介された桜木がソロでダンスブレイクを披露。そのバトンは、小泉、吉澤、杢代、大倉、長野、武藤の順に繋がれ、それぞれの個性が光るダンスを見せていた。



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そして、ステージ上部のライトがメンバーカラーである7色に光ると「余白のための瘡蓋狂想曲」のパフォーマンスへ。以前のステージでは、赤と黒と白を基調としたカラーリングで歌詞が映し出されたのが印象的だったが、今回は水色と黒と白。これは電脳世界の雰囲気を踏襲してのことなのだろうか。さらに、最後にはライティングが激しく照らされ桜木が「有明、最高だったぜ!」とクールに笑みを浮かべる。ステージは暗転し、この日初めてのMCへと繋がった。



メンバーの母が揃った食事会「原因は母にもある。」のエピソードも

この日最初のMCでは杢代が「僕たち仲良いですけど、僕たちのお母さんも仲が良いんですよ」と告白。そして、昨日、母が7人集まって食事をしたというエピソードを披露。続けて長野は「僕の母、長野マザーから写真が送られてきて、お母さん7人の他撮り写真と自撮り写真で。それに“原因は母にもある。”ってコメントを添えて送られてきました」と話し、会場の笑いを誘う。



さらに、メンバーでいるときの立ち位置と近しいものがあるようで、長野の母は真ん中に位置していたとのこと。これには大倉も「たしかに! 自撮り撮影していたの、俺のママだわ!」と、自分との共通点を発見し、感激していた。



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しかし、この後で話は少し不穏な方向へ。メンバー同士の秘密がとあるメンバー経由で母たちの間で共有されたり、母に話したことがメンバーに伝わっていたりということもあるのだそう。これにはメンバーが「ぜひ、このMCの内容は書き込まないでください!」と観測者や記者に懇願。桜木がフロアごとの盛り上げを担当。新曲の「火宴」へと繋げると、歌い出しの長野から盛り上がりは最高潮へ。大倉が「アガろうぜ!」と曲中で煽り、それに呼応するかのようにファイアーボールが勢いよく上がる演出が印象的だった。



太宰治の「走れメロス」からインスピレーションを受けた「疾走」では、観測者によるコールもバッチリ。曲終わり大倉が「止まんねぇぜ!」と言うと、その言葉通り間髪入れずに「ケイカクドヲリ」へ。サビでは、メンバーがまるで猛獣になったかのように牙を剥き出しにしたような表情を見せていた。



センターステージからのトロッコで観測者と交流

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再びVTRを挟み、エラー音が鳴り響いた後で登場したのは黒装束のダンサーたち。顔が見えず、かつしなやかな動きを見せることで不穏な空気を漂わせると、メインステージの扉の向こうから白の繋ぎにベルトが巻かれた衣装に身を包んだ7人が登場。



そして、群衆となったダンサーたちから逃げたような素振りで、センターステージまで追い込まれると、始まったのは「パラノイドランデブー」である。歌詞に合わせメンバーがポーズを取るシーンでは、吉澤が片手ハートを頬の横で作ったり、杢代がとびっきりの笑顔を見せたりとスクリーンから目を離せない展開に。カメラ越しにフォーカスを当てるような映像演出も相まって、曲の世界観が解像度高く表現されていた。



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ここでステージを支え続けているバンドメンバーが紹介されると、グループの新しい可能性を見せた1曲「因果応報アンチノミー」へ。大倉が「かっこいい俺たちを見逃すなよ!」と煽った後で、華麗に舌打ち。武藤はのパートで、満面の笑みを浮かべポジティブなオーラで歌唱。曲の途中では、メンバーがステージの小高くなった部分に座ったり、杢代はセリフパート「おかえり」の部分を「愛してるぜ」に変えたりとこのライブならではの演出も見られた。



原因は自分にある。初のアリーナツアーで見せた“命を懸けたステージ”と、7周年を前に証明した圧倒的な成長

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そんな楽曲が終わるとメンバーは衣装をそれぞれのメンバーカラーのスタジアムジャンパーにチェンジ。「チョコループ」「NOW」「GOD釈迦にHip-Hop」の3曲では、アリーナ席を縫うようにしたトロッコが出現。途中、メンバーは、今回のツアーのグッズであるぬいぐるみを投げたり、自分のメンバーカラーのペンライトを振る観測者に応えたりしながら、観測者とのひとときを楽しむ。



印象的だったのは観測者のコールが大事な要素となる「GOD釈迦にHip-Hop」では、スクリーンにコールのタイミングとセリフが映し出されていたこと。今回が初参加という観測者にも安心の設計だと感じた。

また、曲終わりには大倉からのリクエストに答えて小泉がカメラに向かって投げキッスするシーンも。とにかく多幸感に溢れた時間が流れていた。



原因は自分にある。初のアリーナツアーで見せた“命を懸けたステージ”と、7周年を前に証明した圧倒的な成長

大人な印象を醸し出し、ステージはクライマックスへ

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トロッコでチャーミングな一面を見せた後で、黒のジャケットを羽織った衣装へと変えたメンバーが披露したのは夏目漱石の「こころ」からインスピレーションを受けた「愛無常」。春ツアー「輪廻の箱庭」同様、ステッキを使ったパフォーマンスを見せた。



大人な雰囲気を漂わせる「美しい人」では、再びハンディカムが登場。ビリヤード台を囲むメンバーが次々と映し出され、曲中には吉澤がビリヤードに挑戦する場面も見られた。さらに大人の恋愛を歌った楽曲は続く。「フィナーレ」では、愛しい人との終わりを感じさせるような歌詞が美しく、切なく鳴り響く。それに合わせ、メンバーが他の楽曲よりも切なく、遠くを見つめているような表情を見せるのが印象的だった。



そんな流れを受けて続いたのは愛の狂気さを表現した「Mania」。センターステージにはレーザーで檻を彷彿とさせる空間が生まれ、そこに囚われたかのような7人の姿が印象的だった。曲中で、一瞬7人が蹴飛ばし、それが崩れたかのような場面もあったが、すぐに囚われてしまう。その曲の間、高笑いをするようなメンバーや、静かに笑みを浮かべ、じっと空中を見つめるメンバーなど、それぞれが表す狂気を表現していたのはさすがとしか言いようがない。これぞ、原因は自分にある。のグループ全体が示す魅力だと再確認させられた。



原因は自分にある。初のアリーナツアーで見せた“命を懸けたステージ”と、7周年を前に証明した圧倒的な成長

一度メンバーが捌けたあとで、再び登場した際には2度目のMCタイムが。ここで桜木は「さっきトロッコでね、皆さんの姿を見たら、より元気が出てきて。いや~……いい気分っすね」と通常運転。また、吉澤がビリヤードの演出に苦戦していること、惜しくも今回の公演では失敗してしまったことでメンバーが盛り上がる。吉澤本人は「わかってるよ!」と言いつつも、夜に控えるツアーの最終公演では「絶対に成功させますんで!」と力強く宣言して見せた。



爽やかに観測者への愛を伝え、ステージを後にする

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映像を挟んで、再び登場したメンバーは真っ白のスーツのような衣装に腕を通し、登場。「ニヒリズムプリズム」の後半、桜木のセリフパート「急に晴れたね」の部分では、後ろを流れる映像も青空に。当の桜木はと言うと、セリフを「有明、晴らしちゃうぜ!」とテンションが上がったような様子で放つ。



これを受けて、大倉は「明日の予定? 関係ねーよ! ここで最後まで楽しめ!」と呼びかけ「遊戯的反逆ノススメ」へと繋ぐ。疾走感があり、ダイナミックな振り付けが印象的な同楽曲でファンを盛り上げると、続くは「Museum:0」。楽曲名の通り、美術館を彷彿とさせる楽曲では、バンドサウンドが力強く鳴り響く。大倉が「今以上にアツくさせてやるよ!」と吠えると、メンバーはセンターステージへと移動。着実に近づくクライマックスに向けて、最後の力を全力で披露するメンバーの姿が光っていた。



原因は自分にある。初のアリーナツアーで見せた“命を懸けたステージ”と、7周年を前に証明した圧倒的な成長

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仲間への想いを乗せた楽曲「貴方らしく」では、1人ひとりが歌唱をした後で、大倉、桜木、長野の3人が、小泉、杢代のペア、武藤、吉澤のペアの3組に分かれてメインステージへと帰っていく、そして最後には吉澤が「観測者のみんなー楽しかったですか?俺たちも最高に楽しかったです! みんながいてくれる限り、俺たちは命を懸けてステージに立ち続けますので、どうかまた会える日を楽しみに、一緒に頑張って、毎日を生きていきましょう。今日は本当にありがとうございました!」と挨拶をし、最後の楽曲「ネバーエンドロール」へと繋ぐ。



その歌詞は、終わってしまう2人の関係性を歌ったかのように捉えられる印象。そのため、まさに今回のツアータイトルである「仮ノ現」を表現しているかのようにも感じられた。



原因は自分にある。そして、そんな彼らを見守る観測者にとって、夢心地の、だけど確実に存在した現実だった「仮ノ現」での2時間は、彼らの多彩な表情を映し出すバラエティに富んだ楽曲で構成されていた印象。



毎度、曲のコンセプトに合わせて表情を変える彼らは、これから先、どのようなパフォーマンスで観測者を魅了してくれるのか、その引き出しの多さを期待してしまうステージだった。



原因は自分にある。初のアリーナツアーで見せた“命を懸けたステージ”と、7周年を前に証明した圧倒的な成長


撮影/masayuki kouda / takahashi marina / HannaTakahashi
取材・文/於ありさ



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