デミ・ムーアが若さと美に執着する女をグロテスクに熱演!『サブスタンス』
イラストレーション:高松啓二

映画・音楽・舞台など各ジャンルのエンタメ通=水先案内人が、いまみるべき公演を紹介します。



【水先案内人 高松啓二のおススメ】



ハリウッドのウォーク・オブ・フェイムにエリザベス・スパークルの名前が刻まれている。

彼女はかつて人気絶頂だったが、年とともに忘れられていく。50歳の誕生日に、よりどころのエクササイズ番組も降板を告げられ、さらに事故に遭ってしまう。その時に謎の若返り医療“サブスタンス”を手に入れるが……。



エリザベス役をやりきり度がハンパないデミ・ムーアが演じる。彼女は若い女スーと入れ替わるのだが、その登場の仕方が想像以上にグロテスク! 入れ替わったスーとエリザベスは分身と母体という関係なのだが、完全な同一人物というワケではないようだ。経験値は同じみたいだが、人格は別なのか曖昧? 



物語がすすむにつれグロさがどんどんとエキサイトしていき、とんでもないところまで行き着く。人気の証であるデカいカンバン、エロいエクササイズ番組、軽薄なプロデューサーの描き方など、若さと美への渇望とセレブ欲求を強烈に諷刺する。



デミは今年63歳、50歳設定のエリザベスは、ある意味デミの分身、スーはその分身になるのでキャスティング段階で“サブスタンス”はすでに始まっていたのかも?



<作品情報>
『サブスタンス』



5月16日(金) 公開



監督・脚本:コラリー・ファルジャ
出演:デミ・ムーア、マーガレット・クアリー、デニス・クエイド



公式サイト:
https://gaga.ne.jp/substance/



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