全国ツアー『SCARY MONSTERS TOUR 2025-2026』を開催中のgo!go!vanillas。同ツアーはホール公演とアリーナ公演で構成されており、このたびホール編が完結を迎えた。
go!go!vanillas -『SCARY MONSTER 』/Live at 東京エレクトロンホール宮城 2025.11.24
2025年11月24日に開催された仙台公演の会場は、東京エレクトロンホール宮城。60年以上の歴史を持つホールであり、2028年の開館を目指した新築・移転が決まっている。街の文化を支え、人々の暮らしとともにあり続けたこの場所で、go!go!vanillasは宮城県では初のホール公演を実現させた。老若男女、幅広い世代のファンが客席を埋めている。
go!go!vanillasが2025年9月にリリースした『SCARY MONSTERS EP』。ロンドンでのレコーディングや海外フェス出演など活動の場を国外にも広げ、音楽人生を謳歌する彼らが生み出したこのEPには、リスナーが一人で対峙しなければならない困難とぶつかった時、剣にも盾にもなる音楽が収められていた。開演前の場内では、RPGゲーム「ドラゴンクエスト」シリーズの楽曲が流れていて、これから始まる冒険への期待を高める。やがてEPのアートワークと同じデザインのフラッグに彩られたステージや、レーザー光線がドラゴンを描き出すオープニング演出が、観客を『SCARY MONSTERS EP』の世界へと誘った。
ステージに現れた柳沢 進太郎(g)、長谷川プリティ敬祐(b)、ジェットセイヤ(ds)、サポートメンバーの井上惇志(key)がセッションを繰り広げ、会場の期待を高めるなか、牧 達弥(vo/g)はステージ下手側の花道に登場し、観客の歓声を浴びる。セイヤの刻むビートが4分音符から8分音符へ、さらに16分音符へと変化し、オープニングナンバーの「鏡」がスタート。
しかしバニラズは、ファンに甘い言葉ばかりを囁くようなバンドではない。厳しいこともある現実の中でも何かを諦めたりせず、楽しく、純粋に音楽を鳴らすことでリスナーを勇気づけている。ファンは彼らのそんなところに信頼を寄せている。「鏡」は、自分自身を見つめる人の歌だ。社会が求める正しさや光だけを求める姿勢を問い、自分の中の影や闇を認めることで、初めて本当の自分に出会えると歌っている。この曲を歌い終えた牧は、手にしていた剣を振り下ろした。鏡の中で自分の中にいるモンスターを直視し、それを受け入れることで、偽りの自分を断ち切ったのだろう。ここからが本当の冒険の始まり。そう伝えるかのような演出とともに、続いては、EP表題曲「SCARY MONSTER」が届けられる。痛快に疾走するバンドアンサンブルに対し、観客は腕を力強く上げながら大喜び。
「それじゃあ、仙台のみなさんの声を聞かせてもらってもいいですか!?」という柳沢からの誘いに乗り、「ゴーゴー仙台」「ゴーゴーバニラズ」とコール&レスポンスを交わしたあとは、「カウンターアクション」へ。牧による「スリー、ツー、ワン、跳べ―!」という叫びを合図に観客がジャンプすれば、ステージ上ではスモークが噴射。そしてメンバーは誰一人一歩も引かず、まるでバトルを繰り広げるかのように演奏している。個性と個性が激しく、楽しげに、ぶつかり合っては笑い合う。これこそがgo!go!vanillas。観客が「フゥ―!」と歓声を上げるなか、プリティと柳沢は前に出てきて客席の熱気を直に浴びながら、嬉しそうに演奏している。その直後には「来来来」が演奏され、会場のテンションは上がる一方だ。
バンドの演奏も絶好調だし、観客の声もよく出てきている。MCで牧が「めちゃめちゃ楽しいよ! テンション高い!」と伝えると、他のメンバーも頷いた。今回のツアーでは、スケジュールが許せば公演日の前後もその街に滞在し、その土地の自然や空気を感じながらまわることを大事にしていたという。街とそこで暮らす人たちへの理解が、このライブの熱量に繋がっているのだろう。
「いろいろなバニラズの音の世界を楽しんでほしいです。心の中でもいいし、自由に揺れて楽しんでください」という牧の発言通り、ライブが進むにつれて様々な楽曲が登場する。柳沢がメインボーカルを務めるダンサブルなナンバー「正体」。歌詞に出てくる“あなた”とは、今この曲を聴いているあなたのことなのだと伝えるように届けられた「Super Star Child」。抑制の効いたアンサンブルが日々の積み重ねをイメージさせる「ダンデライオン」は、陰影のある演奏と薄暗い照明が絶妙にマッチしていた。同曲のギターの余韻を引き継ぐように井上が奏で始めた旋律に乗せて、牧が静かに歌ったのは「硝子」の一節だった。〈忘れないで 僕がいること/ひび割れても すぐに治すよ 君の硝子の心〉――バンドの音楽と観客一人ひとりの心を結ぶそのフレーズだけを歌い、「アダムとイヴ」へと繋いだ。
ツアーで磨かれた一体感とこの日ならではの即興性を兼ね備えたバンドの演奏が、観客を心地よく高揚させる。「クロスロオオオード」は音源にはないセッションパートがとにかく楽しい。牧、プリティ、柳沢のみならず、MIDIに持ち替えた井上までもが出てきて、観客と一緒にステップを踏むなど、目でも楽しめるにぎやかさだった。とても自由な、バニラズのライブらしい光景だ。「平成ペイン」はプリティが客席へ下り、通路を歩きながらファンと直に交流。そして「青いの。」では、観客の手拍子と歌声が明るく響いた。
牧は「歌って、踊って、最高やん!」と全開の笑顔。go!go!vanillasはレーベル移籍&事務所独立後の新体制で、前作『Lab.』と今作『SCARY MONSTERS EP』を作り上げた。牧は国外の経験も含め、「10~20代の頃の夢が現実になっている」「ここから第2の音楽人生が始まった、そんな気がしてたんです」とMCで実感を語った。
「先人たちのカッコいい音楽に恋焦がれながら、ずっとやってきました。
EP収録曲「ヒトカゲ」はそんな言葉とともに届けられた。ステージはオレンジに染まり、バンドのサウンドが会場全体を優しく包み込む。牧が椅子に腰を下ろし、穏やかに歌うなか、観客も自然と席につき、一人ひとりが静かにその歌を受け止めた。「何度もこの土地に来て音を鳴らしてきたけど、本当に出会ってくれてありがとう! 最後、そんな想いをすべてぶつけたラブレター、全力で贈るぜー!」と、本編ラストは「生きもの」。EPを踏襲した曲順に、観客も予感していたものがあったのか、自然と立ち上がる。爆裂2ビートとともに、メンバーは自分の楽器を思いきり掻き鳴らし、観客もまた全力で応え、爽やかに駆け抜けた。
アンコールでは、「おはようカルチャー」や「カントリー・ロード」を披露。
牧は「とても楽しく、気持ちよくやれました」とライブの感想を伝えるとともに、「君はすごいぞ!」と観客一人ひとりを肯定した。そして「お互いにパワーを分け合っていきましょう。みんなのこれからの人生も美しくありますように」と、ラストの「LIFE IS BEAUTIFUL」に繋げた。〈君となら大丈夫〉という歌詞を〈仙台となら大丈夫〉とアレンジした歌い出しを経て、カラフルなバンドサウンドがステージから溢れ出し、客席の明かりがつく。明日から日常に帰る観客にとって、バンドから受け取ったエールは胸を温めてくれるものだったはずだ。
そして3月22日(日)からは、ツアーのアリーナ公演が兵庫・東京・愛知で開催される。『SCARY MONSTERS EP』の世界が次はどのように展開されるのかが楽しみだ。
Text:蜂須賀ちなみ Photo:renzo masuda
<公演概要>
『go!go!vanillas SCARY MONSTERS TOUR 2025-2026』
2025年11月24日 宮城・東京エレクトロンホール宮城
<ツアー情報>
『SCARY MONSTERS TOUR 2025-2026』【Arena Tour】
3月22日(日) 兵庫・GLION ARENA KOBE
4月19日(日) 東京・TOYOTA ARENA TOKYO
4月29日(水・祝) 愛知・日本ガイシホール
チケット料金:8,900円(税込)
●先着販売受付中
申し込みはこちら: https://t.pia.jp/pia/artist/artists.do?artistsCd=B2160007(https://t.pia.jp/pia/artist/artists.do?artistsCd=B2160007&afid=P66)
※予定枚数に達し次第、受付終了
※チケット申込み詳細に関しては、特設ページよりご確認ください。
『SCARY MONSTERS TOUR 2025-2026』特設サイト: https://ggvtour2026.jp
go!go!vanillas オフィシャルサイト
https://gogovanillas.com/

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