
Text:西澤裕郎 Photo:アサバリンタロウ
ロイヤルギャルが2025年8月8日、初のワンマンライブ『Super Galaxy Parade』を東京・下北沢ERAで開催した。シンガーソングライターRöE(ロイ)と、謎のギタリストPUNGOROCCI(プンゴロッチ)によるバンドプロジェクト、ロイヤルギャル。
開場から開演まで、ステージ後方のスクリーンには、テーマパークを思わせる壮大なサウンドとともに、CG化されたRöEとPUNGOROCCIが交互に映し出されていた。スマホでの撮影は禁止だが、ガラケーでの撮影はOKというユーモラスなアナウンスをはじめ、渋谷の黒ギャルがこのライブを楽しみにしているというインタビューパロディ、温泉に浸かるガイコツの映像など、独自の世界観がふんだんに盛り込まれていた。また、ドラゴンボールのカメハウスのオマージュ映像も。
RöEは 本媒体のインタビュー(https://lp.p.pia.jp/article/news/422863/index.html?detail=true) で「一番影響を受けたのはドラゴンボールの人造人間18号。あんなかわいい見た目でおしゃれもしていて、それでいてベジータをボコボコにする(笑)。本当に最高で、一番影響を受けています」と語っており、そのマインドが世界観にしっかりと息づいていた。

19時13分。スクリーンに映るPUNGOROCCIのCGが「みんな前の方に来て! ロイヤルギャルが始まるよ!」と元気よく呼びかけると、本物のPUNGOROCCIが会場後方の入口からサプライズ登場。客席を練り歩きながらステージへ向かう。
続く「ロッケンドール」では、どっしりとしたリズムにディストーションが効いたギターが暴れ回り、それを切り裂くようにRöEの歌声が響く。さらにシームレスに「ジャンクガール」へ。裏拍の四つ打ちが疾走感を生み、プッチュユアハンズと観客を煽り、会場を沸かせた。

PUNGOROCCIが「初めてのワンマンライブということで、今日初めてだよって人どれくらいいますか?」と問いかけると、半分ほどが手を挙げる。会場いっぱいの観客のことを気遣い、「前へ前へ、うおー!」と聞き馴染みのあるリズムに合わせた合唱でひとつのエンターテイメントに仕立て上げる。そして「次の曲だけ撮影OK。なぜなら昨日リリースしたばかりだから」と紹介し、R&B調の「#OOTD」をじっくり聴かせた。
心地よいカッティングギターが印象的な「Only 4u」に続き、「長めのMCでもする?」というPUNGOROCCIの言葉を遮るように、「Q&T」へ。
PUNGOROCCIは「世の中にリリースしていない曲ばかりだけど、みんな、よく楽しんでくれてるよね」とリリース曲が5曲しかない現状に触れつつ、RöEは「愛を感じます。それ以上の愛をぶつけるので、受け止める準備できてる?」と観客を煽り、唯一のバラード「ソンする心」を丁寧に歌い上げた。

さらにRöEは、「ロイヤルギャルを組む前まではずっとソロで、バックに仲間がいなかったから心強い」「PUNGOROCCIは私ができないことを全部やってくれる、尊敬している」と語る。「以前は、音楽をやるなら普通はこうしなきゃいけないと言われるのが嫌で、学校もうまくいかなかった。ソロ活動中も悔しい思いもたくさんあった。そのたびにくそと思いながらやっていたけど、曲って、作るだけじゃだめで。みんなに聞いてもらって初めて完成するんです。今日のライブで全部完成するのがうれしいです」と思いを伝えた。
そして、7年前にひとりで作った曲をPUNGOROCCIと一緒にアレンジしたという「バイビーブルー」へ。RöEは、「歌詞や曲を書く時、嘘くさいことは言わないようにしています。

メンバーがステージを去り、PUNGOROCCIだけが残ると、スクリーンに映るCG版PUNGOROCCIが「僕のギター最高でしょ?」と語りかける。「俺が弾いてる!」とPUNGOROCCI本人が返し、「どっちが本物か確かめよう」という流れでクイズ対決が始まった。「初めてライブしたのは1月22日下北沢ERA、○か×か」という問いから、「足の改造手術をしたのは右足である?」「これは改造手術した足である?」と、先日まで骨折していたPUNGOROCCIのレントゲン写真を映しながらユーモラスなやり取りが繰り広げられた。すると、スクリーン上にルーレットが回転し、整理番号と同じ番号の当選者にはスペシャルポスターをプレゼントするという粋な企画も。
ここでPUNGOROCCIは、大学の後輩であるドラムのりょうちゃん(荒山 諒)とベースのちりぽん(村山 努)を紹介。ふたりとも演奏スキルが高く、アドリブの演奏も入れつつライブを行っていることも語った。すると、偽PUNGOROCCIが映像上で筋トレを始め負傷し退場する演出が行われ、「この続きは次のワンマンで」と、次回への期待をにじませた。
PUNGOROCCI は、8月12日・13日・14日にロイヤルギャルとしてレコーディングを行うことを明かし、「いろんな曲を録るから楽しみにしていてくれよ」と告げると、11月6日(木)に1,600人キャパの東京・EX THEATER ROPPONGIでのライブ出演も決定していることを語った。

「ここからは盛り上がる曲しかないから盛り上がっていこうぜ!」と叫び、後半戦へ突入。
即座に起こるアンコール。その手拍子に応え、再びメンバーが登場。RöEが「1時間半、あっという間でした。またライブあったら来てくれるかな?」と問いかけると、大きな歓声が起こる。「デビューしたてやけど、“ちょっとだけやってみよう”って気持ちはなかった」と、この日への本気の意気込みを改めて語った。そして、「今日来てくれたみんなは一生物の縁で、古参中の古参」と笑顔で再会を約束した。
ここで「ちょっとしたお知らせ」として、初の自主企画を発表。

PUNGOROCCIが楽器をセットしていると、「PAさん、音変わりました?」と再び機材トラブルが発生。しかし「伝説の夜にはトラブルがつきもの。今日しか楽しめない」とポジティブに切り替える。機材の再起動を待つ間、RöEが観客に「どこから来たの?」と問いかけると、各地からの声が飛び交う。観客とのコミュニケーションを図るなか、無事に機材が復旧すると、アンコールの演奏がスタート。
RöEは「初ワンマンだから、どうしても歌いたい曲」として、8歳の頃から歌っているというドラゴンボールGTのオープニング曲でもある「DAN DAN 心魅かれてく」をカバー。バンドのアンサンブルの中、伸び伸びと歌い上げた。続けて、「次の曲は1分しかない新曲。
そして、「次の曲で正真正銘、最後。はちゃめちゃに盛り上がろう!」と「飛行少女」へ。PUNGOROCCIは帽子もメガネも振り払い、縦横無尽にステージを駆け回る。会場の熱気が最高潮に達する中、「また会いに来てください!」と、4人はすべてを出し尽くしたという満足感に溢れた笑顔とともにステージを後にした。
<公演情報>
ロイヤルギャル『Super Galaxy Parade』
8月8日 東京・下北沢ERA
セットリスト
1.美的療法
2.ロッケンドール
3.ジャンクガール
4.#OOTD
5.Only 4u
6.Q&T
7.ソングライダー
8.セーラー服と拳銃
9.ソンする心
10.バイビーブルー
11.ベリラリアット
12.プリティッシュマインド
13.ラヴサブマージ
14.愛だなんだ振りかざして
15.好ハオ
EN.1 DAN DAN 心魅かれてく(cover)
EN.2 ギャラクシータクシー
EN.3飛行少女
<次回公演情報>
ロイヤルギャル Presents『超ギャルマインド』
2025年12月12日(金) 大阪・アメリカ村BEYOND
2026年1月30日(木) 東京・代官山SPACE ODD
【チケット情報】
スタンディング4,000円
U-22(スタンディング)2,000円
※ドリンク代別
▼チケット先行販売:8月30日(日) 23:59まで
https://w.pia.jp/t/supergalmind/(https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventBundleCd=b2561407&afid=P66)
※予定枚数に達し次第受付終了
ロイヤルギャル 公式サイト: https://t.co/ByJrGhNRFQ(:https://t.co/ByJrGhNRFQ)