歌舞伎町の若者の居場所や孤立をめぐる現実に光を当て作られた映画『東京逃避行』。今作でトー横に流れ着いた若者たちをまとめるリーダー的な存在を演じたのが綱啓永と高橋侃だ。フィクションとノンフィクションの間で表現された今作でリアルな役作りに挑んだふたりが生み出した化学反応とは――? この作品が理解者に出会えずに孤独を抱える人に手を差し伸べるきっかけになればと願う綱と高橋。社会がその選択を責めたとしても、居場所を求めた者たちを肯定したいと語る二人の眼差しは、とにかくまっすぐだった。
エドとメリオはお互いがいないとダメな、支え合う関係
――お二人が歌舞伎町に生きる若者を演じましたが、まずはご自身の役についてどう捉えたのか教えてください。
綱啓永(以下、綱) エドは歌舞伎町に流れ着いた少年少女の居場所を作ろうとしている保護団体を設立するまとめ役というか、リーダーで。面倒見がよくて、芯がしっかりある人間なんですよね。演じていて、正義感があって温かみがあるなと思いましたね。
高橋侃(以下、高橋) 僕が演じたメリオは守りたいもののために悪に染まっていくような役どころではあるので、善と悪の狭間みたいなものをすごく大事にしました。自分の中の正義感もあるけれど、守れていると思っていたはずだったものを見失った時、探したのは、居場所ではなく人だったことから、エドの正義を守ろうとしていったのかなと捉えましたね。
――共に歌舞伎町の若者たちのリーダー格で特別な関係であるエドとメリオを演じています。現場でどのように関係性を築き上げていったのか、知りたいです。
高橋 共通の友達がいて、1回会ったことがあったんですよ。この作品で初めましてってわけではなかったから、最初からフラットな感じだったよね。
綱 そう。共通の知り合いもたくさんいるし。一緒の作品ができるんだって分かったとき、勝手に心強いなと思いましたもん。
高橋 嬉しい! 俺もそんな感覚だった。
綱 勝手にクールな印象を持っていたけど、初日から明るく会話してくれて距離感をギュッと縮めてくれたので、救われましたね。
高橋 いやいや、俺、扉をゴンゴンゴン叩いて開かせるの、好きなんで。
綱 僕はどっちかというと人見知りで自分から行けないタイプ。でも、来てくださる方に対して、扉を閉じたままにすることはなくて。人によっては何日経ってもあまり上手く喋れないなって人もいたりしますけど、侃くんとは初日からフラットにいられました。
高橋 役の二人だと多分、一緒にいても何かないと会話しないんだろうけど。綱くんとは喋らない時も居心地は良かったです。
――エドとメリオの二人は、対照的なキャラクターです。役の二人はどんな関係性って、特別ですよね。
綱 めちゃくちゃバランスがいいとは思いました。メリオの方が強いのかな。どっちもそれぞれの正義を持っているんですけど、メリオの方が全体を見えているように見えました。お互いがいないと立っていられないし、支えあう関係なのかなって。
高橋 大切なものを守ろうと闘うエドと危うい選択をしていくメリオは、確かに支え合っている関係ではあるけれど、何かのきっかけで崩壊するというか、切れてしまうような関係値ではあるんです。エドって心に傷を抱えたトラウマを抱えているので。僕はメリオとして隣でそのトラウマから抜け出せないことを感じているからこそ、もろさを感じました。
綱くんがあるときから、目の奥が笑わなくなった
――お二人が役どころの関係になれたなと思えた瞬間は?
高橋 僕は、撮影の途中で『綱くんのお芝居がなんか変わったな』って感じた時があって。目の奥が笑わなくなったんですよ。役に深く入るきっかけ、何かあったの?
綱 そうそう。監督にも言われたんですよね。自分では正直、気づいてなかったけど、「変わった」と言われてビックリしました。
高橋 僕も変わったって感じた、ある瞬間から。自分もちょっと変わった時があったんですよ。多分、作品に入って、真ん中ぐらいだったかな。より役に現実味が帯びてきた感覚があって。綱くんも役の感覚を持ち合わせたんだなって伝わってました。
綱 演じていくとやっぱり役とリンクしていって、自分にハマっていくので。飛鳥や日和、メリオの3人と向き合うお芝居をすればするほど、その3人からもらうものがすごく多かった気がします。みんなのお芝居から刺激をもらううちに、自分が気づいたら変わっていたのかなと思いますね。
高橋 うん。そういうのって、あるよね。
――綱さんから見て、高橋さんがメリオのスイッチにより深くちょっと入り込んでいるように見えた瞬間もあったんでしょうか。
綱 とにかく目力がすごいので。それこそ目の奥からのパワーっていうのがあるからこそで、一緒にお芝居するともらえるものがありますよね、めちゃくちゃ。役に寄せた部分はありました?
高橋 メリオは、監督がビジュアルを見せてくれた時に、金髪で目力強い感じのイメージだったんですよ。多分、僕の昔の写真を調べてくれたのか、髪型も昔の僕に寄せてくれていたんです。幼少期にメリオが通って来たカルチャーっていうのは、割とクラブカルチャーで。グリーン・デイというバンドにハマっていたという話を監督から聞いていました。カルチャー好きだけど、暴力的な雰囲気は出したくないよねっていう話になり…。エドとメリオは歌舞伎町の若者でちょっと暴力的に見えるところはあると思うんですけど、中身はそんな暴力性はないと捉えて演じました。
綱 僕の場合、役を作る時、見た目からはいることが6、7割占めていて、ビジュアルは衣装さんとメイクさんのおかげなので自分でできることって限られてると思うんですけど、さっき言った温かみとか、子供たちを相手にしているので親近感みたいな雰囲気を出すように心がけました。『あ、この人といて楽しいな』という風に思ってもらえるような身近さみたいなものを意識して演じましたね。
――この作品は秋葉監督の実体験を盛り込んでいて、とてもリアルですよね。歌舞伎町のトー横を拠り所にしている少年少女がいるのは現実です。今作で描かれる家庭や社会に自分の居場所がない若者たちの姿をどう受け止めましたか。
綱 ここ1年この映画や舞台で歌舞伎町という街を描く題材の作品に携わらせていただく上で、実際に歌舞伎町へ行きました。飛鳥と日和みたいな子たちがいっぱいいましたね。『どんな感じなんだろう』と思ってジロジロ見ちゃっていると、警戒心からめちゃくちゃ睨み返されました。『こっち、来るなよ』っていう防衛本能もあったのかなと思います。歌舞伎町にいる子たちにとっては、そこに居場所があるんだなと思いました。今までトー横の若者たちに対して否定的な感情を持ってしまっていたんですけど、それはダメだなって思いました。僕らには理解できないような、それぞれの背景を持った人間がたくさんいますからね。
高橋 歌舞伎町って電車に乗って新宿で降りたら、すぐ行けるような場所なんですけど。トー横は、ニュースで流れている場所で知っていたけど、自分は海外で起こっている出来事のように見てみぬふりをしていたというか。ちょっと目を背けていたような気がしましたね。遠い異国の話に思っていたけど、この映画に携わって、トー横たちの若者が暮らしているのは現実なんだと改めて感じました。一人ひとりがどういう背景を抱えていて、居場所がそこにしか本当にない子っていうのがいるので、居場所をただ取り上げればいいというものではないと思いました。
――トー横があるから生きていける若者たちもいる、と?
高橋 そう。家に居場所がなかったり、学校に居場所がなかったりする中、彼女たちが見つけた居場所って、とんでもない居場所なんだろうなって。駆け込み寺のような場所を大事にするべきだと思いますね。
綱 あれも1つの形。劇中でも実際にああいうところに何人もの子供たちが来て、居場所になって、そこがその子たちにとっての大切な場所なんですよね。人それぞれ居場所は違うもの。僕にとっては友達のいる場所など、いろんな居場所がありますけど、劇中でエドとメリオが作った居場所っていうのは、たくさんの人を救った素敵な行動なのかなと思いました。
自分の居場所がなくて悩む人へ
――自分の居場所がない、仲間が欲しいんだけどいない…そう嘆く孤独な人がいたら、お二人はどうしたらいいと思いますか。
高橋 難しい問題ですよね。自分の居場所がないって感じるのは、孤独だと思うんで。僕は自分の居場所って、捨てたくないなって思うものが居場所なのかなと思うんですよ。探してみつけるものというよりは、身近にあるものにも目を向けてみて欲しいと思います。
――自分にとって大切だと感じるものに目を向けるということでしょうか。
高橋 誰かに奪われたくないもの、みたいなこともそうですし。仲間がいるってすごい大切な場所ですよね。人は居場所になるなって思います。
綱 居場所……。やっぱり人もそうだし、場所も居場所になるし。いろんな居場所の形があると思いますけど。やっぱりこの世の中にはそれがない人もいっぱいいると思います。それこそ、自分で見つけに行くっていうのももちろんいいけど、無理に見つけなくてもいいんだよっていう選択肢も与えたいなって思いましたね。同じ境遇の人間がいっぱいるので、「あなただけじゃない、1人じゃないよ」っていうのは声を大にして伝えたいです。「自分だけじゃない」って思うだけでも心の救いになるし、心の拠り所になるんじゃないかな。
高橋 この作品は、裏切るのも人ですが、その傷を癒やしてくれるのも人なんだなと教えてくれる映画になったなって。
綱 確かにそう。この作品に出て来る人物はみんな辛い何かを抱えていて。それは観て下さる皆様にも当てはまる部分があるかもしれません。この物語に共感し、皆様の人生に何か力を与える作品になったらいいですね。
――お話を伺って、お二人は本当に素敵なコンビだと思いました。ちなみにお互い、これは相手に勝てると思うものはありますか?
綱 勝てるもの……ボーリングのスコアとかなら、いい時は、200くらいスコアがいったことがあります。でも僕、日によってまちまちなタイプです。
高橋 俺もボーリングのスコアは日による。
綱 スコアが3桁の時もあるし、3桁じゃないときもあってピンキリ。
高橋 調子いい時と悪い時、かなり違うね。
綱 でも、ボーリングで勝負したいです!
高橋 俺は、髪の毛を切る技術を持っているので、それは勝負したら勝てると思います。
綱 そのテクニックはもってないから勝てないなー。
高橋 もうそこだったら負けない。元美容師なので。
綱 それは敵わないっす(笑)。
――ちなみに次にお二人が違う作品でご一緒するとしたら、どんな作品で共演したいか教えてください。
高橋 じつはちょっとラブストーリーをやってみたいなって思っていて。
綱 え、二人でBLはちょっと……(笑)。
高橋 いやいや普通、この二人でラブストーリー一緒にやるってなったら、絶対に俺が恋敵じゃん。ヒロインを狙うライバル役になりそう。
綱 そういうことか。ラブストーリー以外の設定だと何だろう。まぁ、年齢が離れてるわけじゃないから、いろいろ可能性はある。
高橋 俺が3個上なだけだからね。
綱 そんな離れてもない。
高橋 3歳ってこの年になってくるとそんな変わらない。
綱 確かにそうっすね。
高橋 じゃあ、ボクシングを題材とした話は?
綱 いいじゃないですか。ラブストーリーからテイストめちゃくちゃガラっと変わりましたね。ライバル同士でなくても、ボクシングに打ち込む兄弟っていう設定もある。やっぱりお兄ちゃんの方が強くて、弟はそれに追いつこうとするとか。
高橋 身体をちゃんとぶつけて、殴り合うみたいなシーンがあってもいいと思う。「東京逃避行」で共演した二人が今度は兄弟ボクサー役に!?……くらいガラッと変わった作品のほうがギャップがあっていい。多分、最初に共演した作品のイメージがつくわけだからね。共演するたびに毎回違うな、こいつら面白いコンビだなって思ってもらえたらいいね。
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<作品情報>
『東京逃避行』
3月20日(金) 全国公開
https://tokyotohiko.babel-pro.com/
出演:寺本 莉緒 池田 朱那
綱啓永 高橋侃
松浦祐也 深水元基 さとうほなみ
監督・脚本:秋葉恋
主題歌:町田ちま『ネオンと残像』(Altonic Records)
エグゼクティブプロデューサー:藤井道人 音楽:堤 裕介
製作幹事:サイバーエージェント 配給:ライツキューブ 制作プロダクション:BABEL LABEL
©2025 映画「東京逃避行」製作委員会
公式サイト: https://tokyotohiko.babel-pro.com/
オフィシャルX: @tokyotohiko2026(https://x.com/tokyotohiko2026)
オフィシャルインスタグラム: @tokyotohiko2026(https://www.instagram.com/tokyotohiko2026/)
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#東京逃避⾏
■STORY
家や学校に居場所がない女子高生・飛鳥は、"トー横"で暮らす少女が綴った自伝的ネット小説『東京逃避行』に憧れ、新宿・歌舞伎町へ。偶然、作者の日和と出会いすぐに意気投合。トー横に流れ着いた人々を保護し、面倒を見るエドやメリオを紹介され、"集まり"に参加するも、そこで目にしたのは、衝撃的な現実だった…。飛鳥は「一緒に逃げよ」と手を取り、日和と走り出す。しかし、半グレ組織から怒りを買い、街中から追われる2人。一方、閉鎖の危機に瀕していた保護団体という「居場所」を守ろうと戦うエドと、危うい選択を重ねて2人を追うメリオ。やがて警察をも巻き込み、一夜にして事態は急展開を迎える。4人の想いと運命が交錯し、夜明けに出すそれぞれの答えとはー?闇を切り裂くように、命懸けの逃避行が始まった――!
撮影/稲澤朝博、取材・文/福田恵子

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