ボートレース蒲郡(愛知県蒲郡市)
GⅠ開設70周年記念「オールジャパン竹島特別」
10月5日(日)~10日(金)開催
ボートレース蒲郡(愛知県蒲郡市)のGⅠ開設70周年記念「オールジャパン竹島特別」が10月5日、開幕する。ナイターで争われる10日までの6日間開催。秋へと移り、涼しさが訪れた気候の一方で、水面上は今年末のグランプリや来年のSG戦線をにらんだ戦いが熱を帯びるばかり。
■称号を得て「自律と自覚」
――業界でまだ2回しか行われていない、ゴールデンレーサー6人による「ゴールデンレーサードリーム」(初日12R)が今大会の目玉の一つ。そこに1号艇で組まれました。
「ほかのゴールデンレーサーの方々と比べても劣等感しかないし、この称号を背負うのは大変だなという立場なんですけど、地元の周年とあって1号艇に組んでもらえました。責任感を持って挑まないといけないなと思っています」
――平本選手にとってゴールデンレーサーとは?
「(制度開始の)タイミングが良くて、運良くいただけた称号という感じで、正直なところ、僕としては負担(笑)。なんであいつがゴールデンレーサーなんだって思われていそうだなと思ってしまうし、それぐらい負い目を感じてしまいます」
――レーサーとしての心境に変化は?
「ありますね。普段から自分を律することはもちろんですし、レーサーとしての振る舞いに高い意識を持つようにもなっています。この称号がなかったらもっとだらけて、もっと早く成績が沈んでいたかもしれない(笑)。実績を残さないといけないというモチベーションになっている面は間違いなくあります」
――ゴールデンレーサーは今、13人。他の方々の存在も刺激になりますか。
「それはありますね。皆さんすごい人たちばかりなので、何とか離されないように、恥ずかしくないように、という意識でいます。それに、このまま増え続けるばかりなのか?成績が悪くなれば、もしかしたら自分は剝奪されるのではないか?そんな危機感を持ってやらないと、とも思っています」
※ゴールデンレーサーとは
著しく優れた功績のボートレーサーをたたえようと、2019年に創設された「ゴールデンレーサー賞」の制度によって認定を受けたレーサーのこと。
認定されるには、SGの中でも特に格式の高い「GRANDE5」でのメダル(プラチナ、金、銀、銅)や、その他SGやGⅠの優勝戦出場によって授与されるメダルの獲得数が規定に達するなどの要件をクリアすることが必要。メダル表彰制度は2014年のオールスターから始まったため、それ以前の成績は含まれない。
第1号は白井英治で、これまで13人が認定された。平本真之は第8号。
■「厄年のせいにしたい」
――その強い意識の中、今年のここまでを振り返っていかがですか。
「大舞台で結果が残せていない(4月以降は特別戦の優出なし)。賞金も稼げていない(30位台)。気持ちはずっと焦っています。今年はSGの出場もだいぶ逃しましたからね。最初のクラシック(3月)に出られず、ダービー(10月下旬)も出られない。
――エンジン調整面の苦労が原因でしょうか。
「それはないですね。何なら、エンジンは昨年までの方が出ていないし、昨年より今年の方が抽選の引きも良かった。そのあたりは全然問題ないんです。ただ、レースがちぐはぐだし、いろんな面で〝あぁ、やっぱりツイていないな〟と、自己否定してしまうことがありますね」
――気持ち的な面が影響している。
「自分は今年が厄年だということが、頭にありました。年初めは(同い年の)馬場貴也さんや毒島誠さんが厄年っぽいなというふうに、はたから見ていたんですけど、だんだんと自分も〝厄年やってるわ〟みたいな感じにハマって不調になってきて(笑)。そうなると体も何か不安になるんですよ。『あれ?何かおかしいかも』って、病気を疑うようなこともありました。崩れたリズムはもう全て厄年のせいにしたいです(笑)」
■来年の地元SGも視野
――それでも地元の蒲郡周年ならそんなことも言っていられない。この大会は4年前の66周年記念を制しています。
「自分の中では、4年どころかもうだいぶ前だったという感覚ですね。今年3月に優勝はしていますけど、ナイターの蒲郡は(昼間と夜の時間帯の違いが大きく)割と調整が難しいんですよ。自分も合わないときはありますし、そんな記憶が大きいので…」
――ただ、来年の戦いを見据えても大事な一戦。
「来年(3月)には蒲郡でクラシックが開催されます(今年のGⅡ以上の優勝者と一般戦優勝回数上位者が出場)。それを考えたら残りチャンスも少ない(選考期間締め切りの12月末まで残り3カ月を切った)ので、優勝を目標にしないといけないですね」
――滑り出しのドリームから勢いに乗りたい。
「落としたくないのはもちろんです。最近、調子は沈みまくっていますけど、ゴールデンレーサードリームを一つの奮起の材料にしたい。自分は後手に回ると焦って全部駄目にしてしまうタイプ。最初に勝てれば、一節間の流れも違ってくるかもしれない。動揺なく高いモチベーションで予選を戦い抜けるよう、初戦から頑張りたいです」
◆平本真之(ひらもと・まさゆき)
1984年5月5日生まれ。愛知県大府市出身。刈谷工高卒業。