飯塚オート(福岡県飯塚市)

SG第57回日本選手権オートレース

10月29日(水)~11月3日(月祝)開催



 「こんにちは、コンバット満です! オートレースでのインタビューは、昨年12月に飯塚オートレース場で開催されたGⅠ『開設68周年記念レース』で荒尾聡選手を取り上げて以来、2度目です。再び大好きなオートレースの仕事に関わることができて、とてもうれしいです。さて今回は、今月末から同場で開催される、オッズパークpresents SG第57回日本選手権オートレース(10月29日~11月3日、優勝賞金1820万円)に出場する有吉辰也選手(49)=飯塚・25期・S級=にインタビュー。
選手なら誰もが取りたいと願うオート最高峰の大会への意気込みなどを聞きました」







◆有吉辰也(ありよし・たつや)=写真左

 1976年3月17日生まれ。福岡県嘉麻市出身。山田高卒業。飯塚所属の25期として97年4月に選手登録。2008年の浜松オールスターでSG初制覇。10年には最優秀選手賞、賞金王に輝いた。10年後期ランクで初の全国1位を獲得。07年2月の川口全日本選抜から10年11月の飯塚日本選手権までSG19連続優出の記録を樹立。通算優勝回数は69回(うちSGは3、GⅠは14、GⅡは8)。25年3月には史上32人目の通算1000勝を達成した。現ランクは飯塚トップのS級5位。165.7センチ、49.2キロ、B型。




◆コンバット満(こんばっと・まん)=写真右

 1969年8月14日生まれの56歳。静岡県島田市出身。福岡吉本の1期生として博多華丸・大吉、カンニング竹山らとともに芸能界にデビュー。福岡の人気番組だった「ドォーモ」のMCを務め、スポーツ番組、ラジオなど福岡を中心に多岐に活躍中。2022年3月に福岡吉本を退社し、現在はフリー。芸名の由来は自衛官出身の経歴から。174センチ、A型。









<目次>







■肋骨骨折で「肺に穴が開いた」





 ――7月に山陽でけがをして復帰したのが10月初め。どこを傷めたんですか。

 「気胸、肺挫傷とかですね。2カ月半休みました。肋骨(ろっこつ)を4本折った衝撃で肺に穴が開いて…」

 ――えっ、それは重傷です。それなのに早めの退院だったようですが。


 「肺の穴がふさがったので10日間で退院しました。肋骨は家で静養していれば完治するということだったので。その間、奥さんが毎日、骨が良くなる料理を考えてくれました。その休養が良かった。奥さんには感謝しかないですね」



 ――10月2日の復帰戦はどんな気持ちでした?

 「走る前はもう不安だらけ。けがをしたのは、他車を落車させて自分も落車したレースだったので、まずは人に迷惑をかけないようにと思っていました」

 ――それでも試走タイムが出て、人気になりました。

 「そうですね。下手なレースはできないし、でも危ないこともしたくない。それに競走車の腰周り(サドル周辺のセッティング)も変えて臨んだので、とにかくうまく乗れるのか、という不安しかなかったです」



 ――腰周りの調整とは具体的に。

 「十数年前の大ケガで体がうまく動かなくなったので、サドルの位置を他選手がやっていないような傾きにした。それが合ってきて、だんだん成績は良くなってきたんですけど、ある時、整備グループの後輩選手が、そろそろみんなが乗っているようにしたら、と言ってくれたんです。それが頭のどこかにあって、今回の落車を機に、ちょっと元に戻してみようかな、と思ってやりました」

■復帰シリーズで即優出「良かった~」



 ――そんな不安だらけの初戦で見事1着。

 「本当に良かったぁという感じでしたね。
1着じゃなくてもホッとしていたとは思うけど、勝てたのでなおさら。レースには参加できるな、と実感しました。サドルもそれなりに乗れたので安心しました」

 ――そして、いきなり優勝戦まで進みました。一節を終えて感じたことは?

 「晴れ、雨ともに1着で勝ち上がれたことと、変えた腰周りに大きな違和感がなかったことが一番ホッとしました。でも優勝戦はエンジンのセッティングをナイターの時間帯に合わせきれなかったですね。整備面は課題として感じました」



■飯塚1位は「うれしいけど重圧」



 ――10月になって「2025年度後期」の開催がスタート。後期のランクは飯塚のトップです。

 「そうなんですよ。もうプレッシャーです。若ければ、うれしいことなんでしょうけど…。もちろんうれしいですよ。でもこの年になるとその重さをよく知るので、やっぱりプレッシャーの方が大きい」



 ――飯塚勢にとっては今年のハイライトとも言えるSG日本選手権も近づいてきました。大会相性はどうですか?

 「自分はスタートでお金を稼いできた人間。
それなのに、なんで(スタート力が一番に生きるはずの)全レースオープンの選手権が勝てないんだろうと…。優勝戦には結構乗っていてトップSもあったんですけどね…。他のSGで3回優勝しているけど、選手権は〝取れないタイトルだなぁ〟という印象ですかね」

 ――今回は3大会ぶりに飯塚で開催。

 「やっぱり特別な気持ちがあります。飯塚1位で迎える選手権が地元での開催。この大会に間に合うようにリハビリしてきたので、とりあえず間に合って良かった。それに地元のお客さんもいっぱい来るし、負けられません」

■「そっと見守って」



 ――地元ファンの声援は力になりますか。

 「声をかけてもらうのは本当にうれしいんですけど、自分は緊張するタイプなんですよ。そっと見守ってもらった方がいいかも…」



 ――0mオープンは、何号車からスタートを切るのがいいですか。

 「自分は真ん中あたりが好きです。3、4、5枠あたりがベストだと思う」

 ――〝カミソリS〟という異名がありますが。

 「それは以前、自分で付けました。
若気の至りでしたね(笑)。その頃は調子に乗っていたんでしょうね…」

 ――〝カミソリ〟の今の切れ味は?

 「サビまくっています(笑)。今でも十分に速い? そうかもしれませんが、今の時代は本当にタイミングから攻めないといけない。勝負どころではコンマゼロ台の前半で行かないと、極端に言えば出遅れです。それに今のオート界は、雨走路の走り方、エンジン整備のレベルもすごく上がっていますよ」



 ――飯塚勢のSG制覇は、2021年8月のオートグランプリ(伊勢崎)の篠原睦選手以来ありません。

 「自分が取れるよう頑張りますが、選手権を勝つにはスタートと独走力が大きいと思うので、地元の若い選手にも頑張ってもらいたい。まあ、飯塚全員での総力戦ですかね」

 ――最後に日本選手権に向けて意気込みを。

 「選手権の優勝は選手になった時の大きな目標。欲しいタイトルだけど、なかなか手が届かないタイトルです。でも勝手知る地元開催なのは大きい。自分も狙いますが、総力戦で飯塚勢が半分くらい優勝戦に乗れたらいいですね」

 ――有吉さんの車券を毎日買って応援しますが、〝ここは特に買い時〟というのがあれば教えてください。

 「自分はあまり試走タイムが出ないタイプ。
だからタイムが出ていれば、エンジンもタイヤも状態がいいと思ってもらっていいと思います」



有吉辰也選手

ステッカーセットを

プレゼント!


有吉辰也選手の

オリジナルステッカー5枚セットを

3名にプレゼントします。



編集部おすすめ