2025年9月25日(木)~28日(日)の期間に幕張メッセで開催された、ゲームの祭典「東京ゲームショウ2025(以下、TGS2025)」に「阪南大学」が初出展!
今回は「阪南大学」総合情報学部、大学院企業情報研究科の花川教授にインタビューしてきました。
eスポーツを取り入れた教育を実践している「阪南大学」が初出展!
TGSに初出展した「阪南大学」は、大学独自のシステムや研究内容などを展示。
阪南大学総合情報学部、大学院企業情報研究科の花川教授にインタビューしてきました。
「阪南大学」の花川教授にインタビュー!
― 花川教授たちの研究について教えてください
花川教授: 簡単に言うと「おじいちゃんがスマホを使えない」などの、情報弱者問題を改善するための研究をしています。
例えば「ポケモンユナイト」などの市販ゲームを使って少しずつトレーニングしたら、すぐ「使えない」と諦めてた人たちが「忍耐強く使えるようになった」、コツを掴んだら「急にうまくなった」「成長できた」という研究の内容を紹介させていただいています。
― もともと機械などに疎かった人が、市販のゲームを続けていくにつれてだんだん詳しくなったり、慣れるようになったということですよね
花川教授: そういう感じです。
私たちがゲームする時、経験などの説明書なんて何もないじゃないですか。
「これまでの経験でこうなるだろう」という大体の推測や予測で、進んでいくのがおじいちゃんたちはできないらしいんですね。
なので、たくさんの市販ゲームを初心者にプレイさせたら「推測する力が強くなるんじゃないか」ということで始めました。
制作したゲームじゃなくても市販ゲームでできるというのが特徴です。
世の中にすごい数の市販ゲームがあるから、どんどん新しいゲームができるし、教材もネット上の攻略サイトを使って、自動収集して簡単に作れます。
― 皆さん楽しまれてプレイされてそうですよね
花川教授: 操作方法などがわかってきたら、楽しんでもらえるようになりますね。
情報弱者問題を改善するための研究だけでなく、eスポーツを取り入れた教育効果を測る研究も行っています。
小学校や中学校の教育にも取り入れようとしてるんですけど、エビデンスがないので「所詮、ゲーム。遊び。」と言われるのを避けるために「こういう教育的効果があった」というのを明確にしようとしました。
少し話が難しいんですけれど、与えられた問題を解決するというのが従来の学校教育です。
なので生徒たちは「これが課題です」や「これが問題です」などの、与えられたものをするのは得意なんですが、eスポーツを取り入れると不明確で予測しかない問題を解決する能力が身につくということが少しずつ分かってきました。
― 教育効果を測っているとのことですが、テストがあるのでしょうか
花川教授: そうです。PROGテストがあって、定量的にこういう風に測れるんです。
eスポーツを取り入れた競技をやった子とやらない子の差を1年間でどれだけ伸びたか比較できます。
エビデンスがあると小学校や中学校の教育にeスポーツやゲームを取り入れることが可能になって、eスポーツ業界の教育に対する貢献がもっとできるかなと思っています。
― 具体的にどのような能力が伸びるのですか
花川教授: eスポーツ実施教育を受けた子は、対課題基礎力が伸びてそれ以外の学生、システム開発の子は構想力やシステム開発に特有の能力が伸びました。
― こちらに“「ゲームばかりしてないで、勉強しろ!」は古い!!”と書かれているのが印象的でした
花川教授: 私たち阪南大学は、大学教育にeスポーツを取り入れました。
阪南大学は専門学校じゃないので、プロプレイヤーになるわけじゃなくて「e-スポーツ業界で活躍できるマネージャーの育成」を目指しています。
企画運営力などをつけるためにeスポーツイベントや社会貢献、eスポーツ大会などの大きなものを何回もやってます。
また自由選択科目では、eスポーツイベントやeスポーツ実技分析、e-Sports Englishなどがあります。
世界のオンラインでゲームをするときは英語で会話するため、英語の授業を取り入れています。
― 勉強だけでは得られない知識などを、ゲームで得ることができると私も思います
花川教授: そうですね。また私たちは、マインクラフトやメタバースを作ってるんですけど、実は大学でバックエンドシステムも作れてるところが大きいんですね。
マルチプレイするときにユーザーが複数人やってきて、ログインするじゃないですか。
システムとしたらログインしたりとか、マルチプレイするのがすごく難しいんですね。
なのでそれをサポートするバックエンドシステムで、メタバースやマインクラフトを作っても、同じようなマルチプレイが楽に作れます。
バックエンドシステムを作っているのは、ちょっと特徴的です。
― 阪南大学ではバックエンドシステムを作る技術を学べるんですね。研究室にサーバーを置いてるのでしょうか
花川教授: そうです、もう実際に作って研究室にサーバーを置いています。
ちょっとTGS会場のネット環境の調子があまりよろしくないので、研究室に繋げないんですよ(笑)
― こちらはヤマハさんの製品、RTX1200ですよね
花川教授: そうです、完全ローカルで動きます。
― 小さなラックも可愛いですね
花川教授: こちらも全部、学生が作りました。
研究室のサーバーは大きいんですけど、小さくして作っています。
― 「eスポーツといえば大阪」と書かれている展示ポスターについて教えていただけますか
花川教授: 私は大阪府が設立する「大阪eスポーツラウンドテーブル」のメンバーの一員になってるので、大阪府に出してほしい、と言われた展示ポスターです。
「eスポーツといえば大阪」ということで、吉村知事(@hiroyoshimura)を中心に頑張ってるんですよ。
そして上の写真に写っている、吉村知事の2つ左が私です。
― すごいですね。阪南大学は今回がTGS初出展だそうですが、とても興味深い展示でした
花川教授: 実は去年、企業さんに招待されて初めてTGS会場に来て回ったんですけど、ゲームアカデミーブースがあるの知らなくて、行ってみたらすごいたくさんの大学が出してたので、うちも出せるかなと思い、出展させていただきました。
阪南大学は2024年4月に総合情報学部ができて、これから卒業生を出していくんですけど、ゲーミング業界などに就職したい学生もいるので、是非ともこういう場でコネクションを作り就職先の企業さんなどに出会えたら、と思っていました。
おかげさまでたくさんの就職先を見つけることができ、目的は無事達成できそうです。
ゲームを使って人や教育の役に立つ研究が多くの人の関心を引いていました。
「阪南大学」総合情報学部、大学院企業情報研究科・花川教授の今後の研究も楽しみです!
© Hannan University.


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