
子育てに悪戦苦闘するママたちに、ブログやイベントを通して子育てライフハック、持つべき育児マインド、ママに対する偏見への呼びかけなどを発信する“ママ界のエンターテイナー”バブリーたまみさん(通称、バブたま)。後編ではバブたまさんの幼少期についてと、自身の夫婦仲について聞く。
8歳で母親が失踪した過去
――前編で、長男出産の際、「いい母親になろう」という思いから、マタニティブルーになったり、産後うつを経験したというお話がありました。なぜそこまでいい母親になることにこだわったのでしょうか?
バブリーたまみ(以下、同) 私が5歳のときに父の転勤で大阪から福岡に引っ越したのですが、新しい環境に母がなじめず追い詰められたのか、徐々にご飯をつくってもらえなくなって。お腹からぎょう虫が出ても放置されたり、家の中はゴキブリだらけになったりとネグレクトに近いような状態になってしまいました。
そして、8歳のころに母が「すぐに帰ってくるね」と出ていったきり、二度と帰ってくることはありませんでした。

底なしに明るいバブたまさんにも悲しい過去が
――8歳で母の失踪を経験するとは、なかなか辛い……。
私も子どもながらに本当にショックで……。しかもその後、引き取ってくれた父方のおばあちゃんにいろいろなご飯を食べさせてもらったり、歯磨きをしないでいたら叱られたりと、今までの生活が普通じゃなかったことを知って衝撃を受けました。
だから自分の子どもに同じ思いをさせないように、理想の母親になろうとがんばりすぎたんだと思います。
――そこから「LOVE自分」の子育てライフへ。旦那さんもバブリーたまみとしての活動を応援してくれているそうですね。
私はもともと留学関係の企業の営業職をやっていて、「バブリーたまみ」は休日にやろうくらいに思ってたんですけど、だんだん意識がそっちにいって仕事が手につかなくなって。
そんなときに旦那が「たまちゃんの性格的にやりたいことに専念したほうがいいよ」と言ってくれて、バブリーたまみ誕生のきっかけとなる結婚式の余興から3ヶ月で脱サラです(笑)。
あのときの旦那は本当にかっこよかったなぁ。
男性の「子育て参加」という表現がおかしい
――ステキな旦那さんですね。最初から理解のあるパートナーだったのでしょうか?
全然ですよ! 中国の大連で働いていたときの同僚で、同い年の日本人なんて珍しいから意気投合して付き合うことになったんですが、私はエリートの彼に気に入られようとご飯とか服装とかなんでも彼の好みに合わせて。
でも、追っちゃうと男ってダメですね(笑)。つけあがってたみたいで、ある日、私が落ち込んで泣いてるのに見て見ぬふり。
「なんか声かけたりしないの?」って聞いたら「なんて声かけてほしいの? 先に言ってよ」って返ってきたんです。やばいでしょ。
その瞬間に頭プッチーンときて、つくすのがアホらしくなりました。
そこから自分の好きなことを優先してたら、ちょっとずつ歩み寄ってくれて関係もよくなったって感じですね。

――それが「LOVE自分」の源流になったと。
そうですね。当時の私は自信がなかったから彼につくしてたけど、それをやめて自己投資して、自分を愛すようになったら旦那やまわりも変わってくれました。
――そして、結婚して出産。旦那さんも子育てに積極的に参加して?
“子育てに参加”という表現がまずおかしいですね、イベントじゃないんだから。
ただ、一緒にやってると、子育ての考え方でぶつかっちゃうことはありますね。ご飯を楽しく食べさせるか、行儀よく食べさせるか……みたいな。
まぁぜいたくな悩みかもしれませんけど。
女性の「言わなくてもわかるでしょ!」は甘え
――前編で、「妊娠中の一番大変な時期の夫の無配慮を女性はずっと覚えている」というお話がありましたが、旦那さんに関してはそんなことはなかった?
ありますよ! 次男を妊娠中のときです。つわりのときって「カツ丼が食べたい!」となったら、もうそれしか食べられなくなる。だから旦那に買ってきてもらったんですけど、それを嫌そうな顔で怒って私にドンって渡してきたんです。私だってつわりで辛かったのに……。これは一生忘れないですね!(笑)
――旦那さんはその十字架を一生背負っていくと……(苦笑)。
ただ、そのこともちゃんと伝えたから、3人目を妊娠した今も、優しくしてくれてるわけですよ。
妊娠中や生理中は自分がどんな機嫌か、どうしてほしいかっていうトリセツ(取扱説明書)を伝えておくことは大切ですね。

歌手としてママへの応援ソングも歌うバブたまさん。実体験をもとに作詞するため、世のママたちからは多くの共感が寄せられている
――お話にもありましたが、現在3人目を妊娠中で、来年3月に出産予定とのことですね。しかも、長男、次男に続き、またしても男の子!
やっぱりかー!って笑いました。正直、女の子を育ててみたい気持ちもありましたけど、今では3人兄弟も楽しみですよ。ママからしたら人生最高のモテ期到来ですから(笑)。
――男の子3人となってさらに忙しくなりそうですが、今後はママたちに向けてどのような活動を?
今では夫婦で子育てが当たり前になって“イクメン”って言葉も死語になったり、子育てのありかたも時代で変わっていくと思うんですよ。
私もいろいろと情報を発信し続けて、子育ての価値観をぶっ壊していくことに貢献していきたいですね!
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班