2月13日、ホンダ(本田技研工業株式会社)と日産(日産自動車)の経営統合協議の撤回が発表された。当初の予定では、2026年8月に共同の持ち株会社を設立し、そこに2社が参加する予定だったが、日産がホンダの子会社となることに対し、反発の声が上がったという。
わずか2か月足らずで破談
そもそも、いつからこのような議論が進められていたのだろうか? 自動車産業に精通するジャーナリストの桃田健史氏に話を聞いた。
「2社は昨年春から、次世代技術や車両の相互補完など、グローバル戦略の中で技術や実務の協業についてワーキングチームを作り、段階的に議論を進めてきました」(桃田氏 以下、同)
ホンダと日産は、昨年3月15日に戦略的パートナーシップに関する覚書を締結し、8月1日には基礎技術の共同研究契約も締結していた。競合他社ではあるものの、かなり協力的な関係を築いていたようだ。
「そうした中、ホンダの三部敏宏社長と日産の内田誠社長の間で、経営統合にまで踏み込んだ議論が行なわれました。『経営統合の可能性に対するチャレンジ』だったとも言えますが、結果的には2社間の溝が深まった印象です」
そもそも、今回の経営統合の発端は、日産の経営状態の悪化にある。
協議の撤回が発表された会見で、日産の内田社長は、2025年3月期の最終損益が800億円の赤字になる見通しを示した。
2020年には、1年間の純損益が6712億円の巨額赤字となり、それ以降、同社の経営状況を不安視する報道が相次いでいた。
巨額の赤字を計上してからわずか4年程度で経営統合を検討するほど、同社の経営は危機的状況だったのだろうか?
「2020年時点では、事業構造改革計画として『Nissan NEXT』を掲げ、初期的なV字回復は実現しました。しかし、その後の施策の実効性が欠けていたのです。
カルロス・ゴーン体制の『負の遺産』を拭いきれなかったことが、現在の経営難の要因と言えるでしょう」
1999年、資本関係を結んだフランスの自動車メーカー、ルノーから送り込まれたゴーン氏は、経営トップとして一時は日産を破綻寸前の危機から救った。
しかし、2018年には金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)で逮捕・起訴され、翌年には保釈中に中東・レバノンへ密出国を果たした。
内田社長らは、ゴーン氏の影響を排除しようとしたものの、今期800億円の最終赤字という結果を見れば、その試みは十分な成果を上げるには至らなかったのかもしれない。
日産がするべき対応策は?
そんな日産は世界に先駆けて電気自動車(EV)の量産化を進めてきた。ただ、ハイブリッド車の導入ではトヨタ(トヨタ自動車)やホンダに遅れをとった印象がある。
日産の先進技術であるe-POWERは海外でも苦戦していると言われており、このまま経営不振が続けば、日産は次世代の自動車業界の覇権争いから脱落してしまう恐れもある。
「そもそも日産は、トヨタのハイブリッド技術を後追いすることを避け、2000年代後半の時点で、ほかに類を見ない規模でEVシフトに挑戦しました。
しかし、2010年に販売開始した日産EV『リーフ』は当初の計画ほど売上が伸びず、商品展開の戦略も宙に浮いています」
一方で、テスラの成長、中国政府や欧州連合(EU)の施策により、EVシフトは2010年代後半から加速している。
「日産はその波に乗れず、またハイブリッド技術においても、自社EV技術にこだわりすぎた結果、エンジンを発電機として使うEVという位置付け(技術的にはシリーズハイブリッド)となりました。
しかし、ハイブリッドとしては結果的に中途半端な立ち位置にとどまっています。まずはこの状況を抜本的に見直すべきです。
当面は、先の会見で公表された、燃費が向上した第三世代e-POWERが対応策となるでしょう」
岐路に立たされているのは日産の主要取引先も同様だ。
2022年、日産の子会社であるカルソニックカンセイを前身とする自動車部品メーカー、マレリホールディングスが経営破綻。さらに、同社は二次破綻のリスクも報じられている。
「サプライヤーへの影響は計り知れません。肥大化した組織と、それに伴うサプライチェーンのスリム化がうまく進まず、結果的にサプライヤーの経営破綻を招いています」
また、一部では2016年に日産が三菱自動車の筆頭株主になったことが経営不振の要因とされることもあるが、桃田氏は「三菱自動車との連携自体が、今回の件に悪影響を及ぼしたとは言い切れない」とみている。
しかし、注目すべきは台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業との提携の可能性だ。
「内田社長は、マネジメントレベルでの交渉はないと断言しています。これは報道が先行している印象が強く、鴻海による日産への関与の可能性はゼロではないものの、先行きは不透明です。
ただし、ルノーが保有する日産株をどのように処理するのかについては、契約上の制約があるとも言われており、今後の展開は予測が難しい状況です」
日産再建の可能性
13日の会見では、人員削減についても言及された。今後、工場閉鎖の可能性はあるのだろうか?
「会見では、東南アジア(タイが候補)での工場閉鎖の可能性を示唆する一方で、日産自動車九州では生産規模の拡大も検討されています。組織のコンパクト化に伴い、生産拠点の『選択と集中』が進められるのでしょう」
結局、ホンダとの経営統合が破談となった日産に、今後、再建の道はあるのか。桃田氏は次のように予想する。
「会見で内田社長が述べたように、日産単独での再編は難しい状況です。日本国内のみならず、海外の自動車メーカー各社との資本提携を含めた関係構築に動く可能性は高い。
その場合、リーマンショック時のクライスラー(現:ステランティス)のように、投資ファンドが関与することも考えられます。
いずれにせよ、日産が掲げる直近の事業再生計画『ターンアラウンド』の実効性が問われる2026年度までに、同社は組織としての方向性を明確化する必要があります。そうでなければ、企業としての地盤沈下は避けられないでしょう」
世界中が日産の行く末を見守っている。
取材・文/千駄木雄大

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