発生から14年となった東日本大震災。日本では震災以降も日本各地で絶えず地震・台風・大雨などの自然災害が起こっている。
食べにくい乾パン、避難所での深刻なビタミン不足
2024年の能登半島地震の時には、X(旧Twitter)やInstagramなどで、「備蓄生活」「ローリングストック」といったワードが急増。一般家庭にも災害への備えが広がりつつあることがうかがえる。
そんな中、ワンテーブルが開発・販売する水を必要としない備蓄ゼリー「LIFE STOCK」は、製造から6年間の長期保存を実現した世界初の製品だ。同製品は、2011年3月11日に発生した東日本大震災をきっかけに開発が進められたという。
同社取締役の森川氏は、開発の背景について次のように語る。
「弊社は東日本大震災の際、避難所や福祉施設、高齢者施設などで支援活動を行なっていました。その中で、避難されている方々には、赤ちゃんや高齢者、嚥下(えんげ)困難な方も多くいらっしゃることに気づいたんです。しかし、当時の備蓄食の多くは、乾パンやアルファ化米など『水がなければ食べられない』ものばかりでした」(ワンテーブル・森川喜久美さん)
たとえば、歯が丈夫でないと乾パンは食べづらく、水道が断水している状況では食べること自体が困難だ。また、配られた水は飲用だけでなく、歯磨きなどの生活用水としても使用されるため、どうしても足りなくなる状況が生まれる。
さらに、アレルギーの問題で配布された食料を口にできない人がいるなど、子どもや高齢者、要配慮者に対する備蓄が不十分だと感じたそうだ。
また、避難所では炭水化物中心の食事が多く、生野菜が不足しがちで食物繊維の摂取が極端に難しい。配布された食料を食べることができてもビタミン不足に陥ることがあるのだ。
ビタミンが不足すると免疫力が下がり、ただでさえ過酷な避難生活中に風邪をひいたり、健常者にとっても深刻な問題を引き起こす。
「テクノロジーは進化しているのに、日本の備蓄や災害対応はなぜ変わらないのか」
東日本大震災の復興を支援しながら疑問に感じたワンテーブルは、課題を解決すべく行動を起こした。しかし、世界初の備蓄ゼリーとして形になるまでには、さまざまな障壁が待ち構えていた。
失敗した羊羹(ようかん)開発
食事がしにくい人を減らすこと、そして野菜不足を補うために当初ワンテーブルは乾燥化技術を活用し、野菜を粉砕して食物繊維が摂れる羊羹を開発しようと考えた。
しかし、野菜の菌が増殖しやすく、賞味期限のコントロールが困難だったため、この試みは断念せざるを得なかったという。
「『羊羹だと水が必要になるのでは?』と疑問を感じながら開発を進めましたが、結果として失敗しました。その経験から、水がなくても子どもや高齢者が食べられる最適なものは何かと考えたときに、ゼリーという答えにたどり着いたんです」(森川氏)
ゼリーにも菌が増殖しやすいという課題があったものの、研究を重ねた結果、レシピを調整することで発生を抑えられることが1~2年のうちに判明。しかし、実際に5年間の賞味期限を保証するには長い年月が必要だったため、加速度検査を試みることになった。
加速度検査では、高温・高湿度の環境下で保存し、長期保存の影響を短期間で確認する。しかし、この検査ではゼリーが水に戻ってしまうという問題が発生した。そこでワンテーブルは365日×5年間、実際の環境で毎日観察する実測検査を実施。
こうした試行錯誤の末、ついに常温保存で製造から6年の長期保存が可能な備蓄ゼリー「LIFE STOCK」が誕生したのだ。
馴染みのある「リポビタン」が防災備蓄ゼリーに
従来の賞味期限を大きく超える長期保存ゼリーは、「レシピコントロール」「アルミを含む多層構造の特殊フィルムを使用したパウチ型パッケージ」「充填技術」の3つを組み合わせることによって実現された。
そして、このワンテーブルの独自技術「TOKINAX(トキナックス)」は、現在大正製薬が販売する「リポビタンJELLY 長期保存用」にも応用されている。
なぜ、リポビタンブランドを災害備蓄用商品に展開しようと考えたのか、同社マーケティング本部・樋口裕貴氏は、次のように語る。
「大正製薬は、東北エリアを中心に実施している『未来応援プロジェクト』などを通じて、人々の健康を支え、より豊かな暮らしを実現する取り組みを行なっています。また、リポビタンブランドには『すべての人を応援したい』というコンセプトがあり、これまでも震災時にドリンク剤『リポビタンD』を届けるなどの支援を行なってきました。
そんな中で、被災地では通常の茶瓶の飲料よりも求められるものがあると考えた結果、ゼリーの開発に行き着いたんです」(大正製薬・樋口裕貴さん)
中身のフレーバーは「LIFE STOCK」と異なるが、製法自体はワンテーブルのレシピコントロールで作られている。また、パッケージデザインは異なるものの、包装資材は「LIFE STOCK」と同じで、すべてTOKINAXの技術を用いて製造されているそうだ。
樋口氏は、開発時のこだわりについて次のように話す。
「大正製薬としては、馴染み深い味わいで被災した方々に安心感を与え、元気を届けたかったので、“リポビタンと同じような味を実現すること”にこだわりました。また、被災現場ではビタミンB群が不足することが判明していたため、ビタミンをしっかり摂取できるように工夫しています」(樋口氏)
災害時だけでなく、普段のエネルギー補給にも
「LIFE STOCK」や「リポビタンJELLY 長期保存用」は、自然災害時の備えとしてだけでなく、さまざまなシーンでの活用が想定されている。
たとえば、ワンテーブルの「LIFE STOCKウォーターブレイク(ソルティーライチ味)」は、地震や津波だけでなく、熱中症も自然災害のひとつと捉えて開発された商品だ。
近年記録的な猛暑が日本列島を襲う中、毎夏のように部活動や運動会、屋外での作業中に多くの人が熱中症で搬送されている。その背景を踏まえ、塩分と水分を同時に補給できるゼリーを開発。特に、温暖化による真夏日の増加に伴い、ゴルフ場や建設現場、屋外スポーツ、部活動などでの利用が広がっているという。
一方、「リポビタンJELLY 長期保存用」は食事の代替としても活用されており、特に降雪地帯での車のトラブル時の非常食としても利用されているそうだ。コンパクトなサイズでダッシュボードに収納しやすく、水なしでエネルギーをしっかり補給できる点が、降雪地帯のドライバーにとって頼れる選択肢となっている。
また、登山時などのアウトドアアクティビティでは、荷物としてかさばらない商品形態なのでエネルギー摂取目的でも利用されることがあり、活用の幅が広がっている。
こうした備蓄食の広がりを受け、森川氏と樋口氏は今後の展望について次のように語る。
「自治体の備えには限界があるため、弊社製品に限らず、各家庭で防災用品をそろえることが非常に重要です。近年、地震や山火事などの自然災害が世界的に増加する中、災害が多い日本で生まれた『LIFE STOCK』を、世界へ広めていきたいと思っています」(森川氏)
「商品を提供するだけでなく、新たな備蓄食の存在を広く知っていただくことや、防災に関する知識を深めることも大切だと考えています。日頃から災害に備える意識を持ち、社会全体で防災への取り組みを強化していけるよう努めていきたいです」(樋口氏)
災害はいつ起こるかわからないからこそ、日頃からの準備が欠かせない。万が一に備え、日常にも取り入れやすい「LIFE STOCK」や「リポビタンJELLY 長期保存用」を、家庭の防災リストに加えてみてはいかがだろうか。
取材・文/毛内達大

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