〈ヤマザキ春のパンまつりの噂〉白いお皿は「2階から落としても割れない」「余ったお皿を割るバイトがある」…春のパンまつり担当社員に真相を聞いてみた!
〈ヤマザキ春のパンまつりの噂〉白いお皿は「2階から落としても割れない」「余ったお皿を割るバイトがある」…春のパンまつり担当社員に真相を聞いてみた!

1981年から開催されている「ヤマザキ春のパンまつり」は、今年で45周年を迎えた。春のパンまつりや応募してもらえる「白いお皿」について、SNSではさまざまな噂や都市伝説が存在するが、その真偽を春のパンまつり担当社員へ聞いてみた。

春のパンまつりはフランスの村を救う春祭?

山崎製パン株式会社が1981年から開催している「ヤマザキ春のパンまつり」。対象商品を買ってシールを集めると、上質な白いお皿がもらえるというキャンペーンで、毎年高い人気を誇っている。

そもそも、パンのイベントで白いお皿をプレゼントしようと考えた経緯はなんだったのか。

「1981年の第1回目の『春のパンまつり』キャンペーンを実施するにあたり、パンを食べる朝の食卓をイメージして、パン食文化の本場であるフランスのデュラン社製(現在はアルク社)の真っ白なお皿を採用しました」(春のパンまつり担当者、以下同)

この白いお皿は清潔感とスマートさにあふれた、おしゃれなお皿として人気を博しており、以後継続して景品としているという。春のパンまつりが始まって45年経った現在も春のパンまつりは、白いお皿がもらえるキャンペーンとして定着しているそうだ。

今年で45周年となる「春のパンまつり」だが、この白いお皿に関して、インターネット上ではさまざまな噂が飛び交っている。

例えば「白いお皿を作るフランスの街では『日本の奇祭がフランスの村を救う』と喜ばれている」というのも。その真相は?

「例年の白いお皿のプレゼント枚数は、平均1,200万枚です。なので、雇用に多少貢献することはあるかもしれませんが、村を救うほどではないと実感しています」

白いお皿が丈夫な理由は…

また、白いお皿にはその強度に関していくつもの都市伝説がある。「白いお皿を他のお皿とぶつけると、他のお皿が割れる」や「白いお皿は丈夫すぎて2階から落としても割れない」「隕石から獲れた成分でできているらしい…」などの噂は本当なのだろうか。

「白いお皿の材質は全面物理強化ガラスで、一般のガラスに比べて丈夫にできていますが、決して割れないというわけではありません」

一般的な陶器のお皿よりは強度があるため、このような噂が出回ったのだろう。

また、毎年たくさんの応募があるお皿に対しては「余ったお皿を割るバイトがある」など、とても信じられないような都市伝説もネット上で見かけることがあるが、実際に、白いお皿が余った場合の行方も聞いてみた。

「白いお皿は全てフランスで製造し、船で日本に運んでおり、春のパンまつり開始前に一度に運ぶのではなく、期間中も含めて複数回に分けて運搬しています。

さらに、全国各地の20箇所を超える工場の営業スタッフが、各地域の対象商品の売れ行きや交換率を元に算出した予測枚数を本社に集約し、過不足の無い様に努めています」

このように丈夫な白いお皿はキャンペーン参加者の手元へ届けられており、長年愛用されているようだ。

「家族三世代に渡って春のパンまつりに参加しているなど、多くのありがたいお声をいただき大変感謝しています。また、45年間歴代の全種類ではありませんが、90年代からの白いお皿を全て持っている方もいるそうです」

毎年デザインの異なる白いお皿が誕生する理由

同社の定番特典になっている春のパンまつりでもらえる白いお皿だが、お皿のデザインが毎年若干違っているのに驚く人も多いだろう。

白いお皿のデザインはどのようにして考えられているのだろうか。また、白以外の色のお皿にすることや、カラフルな柄を入れるなど、大胆なデザイン変更の案が出たことなどはあったのだろうか。

「1981年の第1回目から約40年以上にわたり、毎年アルク・フランス社の代理店を通じてお皿のデザインを提案いただいています。2025年の特典『白いデリシャスボウル』については、昨年の春のパンまつりキャンペーンがまだ行われている3月頃から流行やトレンドなどを基にデザインの検討に入り、8月頃には10種類程度に絞りました。

さらに消費者モニターからのご意見を参考に、サイズや使い勝手について検討を重ね、11月に決定しました。

また、柄に関して言えば、翌年に長野冬季オリンピックを控えていたことから、1997年の特典は長野冬季オリンピックのマスコットキャラクターをプリントしたお皿です。こちらは柄の入った唯一の白いお皿でした。

1981年の第1回からこれまでの白いお皿の交換枚数は約5億9千万枚を数え、一昨年は約1,120万枚、昨年は約1,280万枚と非常に多い交換枚数を維持しており、45回目を迎えても毎年楽しみにしてくださっているお客様がいらっしゃるものと考えておりますので、今後も白いお皿の特典を続けています」

――今年で45周年を迎える「ヤマザキ春のパンまつり」。日本人に親しみのあるイベントである以上、これからも噂や都市伝説が生まれるかもしれないが、長くにわたりさまざまな世代から愛されているからだろう。

取材・文/十六夜瑠奈(A4studio)

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