
「部活は、無駄か?」そんなシンプルな問いかけではじまる、集英社の『部活やろうぜ!』プロジェクトのキャンペーン動画が話題となっている。少子化などさまざまな要因から一部で「部活は時代遅れではないか」との風潮もある昨今、なぜ今、部活生の背中を押すのか。担当者に話を聞いた。
「部活」マンガ約200作品を紹介&一部を試し読み
現代日本では少子化に加え、将来の進路を重視した受験への早期シフトなどの理由で部活離れが深刻化。実際に、中学生の運動部加入率は2015年から2023年までの8年間で、男子が10.3%、女子が8.6%減少とのデータもある(笹川スポーツ財団 「子ども・青少年のスポーツライフ・データ 2023」より)。
「将来、アスリートやプロを目指す一部の生徒を除いて、今どき歯を食いしばって部活で消耗するのは時代遅れではないのか」
一部ではそんな風潮もある中、集英社では全国の部活生を後押しし、新入部員の募集を手助けしたいという想いから、「部活やろうぜ!」キャンペーンを、「春マン!!2025」に合わせて開始した。
【「春マン!! 2025」特設キャンペーンサイト】 https://haruman.jp/
【「部活やろうぜ!」特設サイト】 https://shueisha-bukatsu.jp/
ここでは「部活」をテーマにしたマンガ約200作品を紹介&オトクに試し読みができるほか、『テニスの王子様』『アイシールド21』『黒子のバスケ』『ハイキュー!!』『アオのハコ』など、大人気部活マンガのキャラクターが登場するスペシャルムービーを公開。見ればきっと部活がやりたくなる、熱いムービーとなっている。
だが、そもそも今、なぜ部活なのか? 担当者である集英社デジタルコミック第1課・伊藤史峻氏に話を聞いた。
「弊社はこれまで、運動部から文化部まで様々な部活の物語を出版し、その結果、部活文化を牽引するような作品も生まれました。昨今、日本ではさまざまな理由で部活離れが進んでいると聞きますが、部活を本気で頑張る学生たちがいなければ、素晴らしい物語は生まれてこないと思います。
そこで部活マンガを通じ、全国の部活生の“部活を頑張りたい”という気持ちを後押ししたいという想いから、このプロジェクトを開始しました。このキャンペーンにより、全国各地で部活の魅力が再認識されるとともに、弊社の部活マンガを改めて読もうと思うキッカケ、そして、素晴らしい物語が誕生するキッカケに繋がって欲しいと考えています」
話題のスペシャルムービーに込められた思い
プロジェクト開始後、すぐにSNSを中心に話題となったのが、『テニスの王子様』『アイシールド21』『黒子のバスケ』『ハイキュー!!』『アオのハコ』など、大人気部活マンガのキャラクターが登場するスペシャルムービーだ。
この動画は、公開1週間を待たずに各種プラットフォームで、100万回以上再生される大バズ動画となっている。その制作の舞台裏を聞いた。
「部活といっても、ニュースなどで注目を浴びるのは、当然のことながら全国大会などで活躍する、プロを目指す部活生ですが、大前提としてほとんどの生徒は栄誉をつかむことなく部活を引退します。
スペシャルムービーの中でも、『アオのハコ』の後藤夢佳や『ハイキュー!!』の月島蛍の発言を引用していますが、実際に現役時代には部活動でネガティブな感情を抱いていた人たちも多いはずです。
ただ、そのような経験をしながらも、悔しさや辛さも含めて部活に対して最後に残る感情は何かと考えたときに、それは『部活をやって良かった』という、どこまでも単純で、そして、本能的な感情だという結論に至りました。
だからこそ、今回は企画を通して部活に入る意義やメリットはあえて説明せずに、シンプルに『部活は、無駄か?』という問いかけに全て託した動画を作成いたしました。ぜひご覧になってください」(伊藤氏)
多種多様な部活を取り扱っている今回の企画を通して、ぜひ部活文化を盛り上げていただきたい。
文/集英社オンライン編集部