
長い地下芸人時代を経て、今年初めて「R-1グランプリ」決勝の舞台に立ったチャンス大城(48)さん。彼の心霊エピソードをまとめた新刊『チャンス大城の霊怖 人怖』が、2025年4月18日にヨシモトブックスより発売された。
幼少期から心霊現象やポルターガイストを体験
ーー自分が“霊感体質”だと受け入れるようになったのは、いつ頃ですか? 初めて「霊的なもの」を見たときのエピソードとあわせて教えてください。
これは書籍にも書いたんですが、小学校のとき、自宅の裏で遊んでいたら、2階の窓から両親がこちらを見ていたんです。「早く帰っておいでー!」って呼びかけられて。でも、よく見るとその両親の後ろに、知らないおじさんが立っていたんですよ。
不思議に思って家に帰ってから「あのおじさん誰?」って聞いたら、「え? そんな人いなかったよ?」って……。それが人生初の心霊体験でしたね。
あと定時制高校時代に、5つ年上の同級生の家に遊びに行ったことがあって。彼の母親が霊媒師だったんですけど、普段から「うちには幽霊が800体いる」なんて言っていたんですよ。
それで実際に行ってみたら、誰もいないはずなのに食器がガタガタ揺れたり、パーンって大きな音が鳴ったり、ポルターガイスト現象がバンバン起きて。
ーー最近体験した心霊エピソードはありますか?
印象に残っているのは、「細かすぎて伝わらないモノマネ選手権」で一緒に優勝した小出真保ちゃんと電話していたときのことですね。
僕当時ちょっといろいろあって、すごく落ち込んでいたんですよ。「ああ、もう僕は生きていけないんだろうな……」みたいな気持ちになっていて。
そしたら途中で、真保ちゃんが「大城さん、その『ううううううううううう』って声、なんですか?」って言い出して。僕はそんな声、まったく出してなかったんですよ。でも、言われてからだんだん、自分の耳にもその声が聞こえてきて……。あれは、ほんまに強烈でしたね。
あと僕って、よく“電磁波”を飛ばしちゃうらしいんですよ。
電磁波の影響でスマホの時間がズレていく!?
ーー電磁波?
はい。たとえば以前、『アメトーーク!』で僕に2台のカメラが密着していたんですが、撮影中に突然1台が使えなくなって、同時に部屋の電気もパチンと消えちゃったんですよ。
それから、元プロレスラーの橋誠さんが世田谷・桜上水でやっているストレッチ専門店にもたまに行くんですけど、この前「大城さんが来ると、有線や電気、時計が止まっちゃうんですよね」って言われました。
それと僕のスマホ、2カ月に1分ずつ時間が早くなっていくんです。
ーーどういうことですか……?
何も設定していないのに、どんどん時計がズレていくんです。(スマホを取り出して)ほら。
ーー今「16時33分」なのに、チャンスさんのスマホは「16時48分」……。
こんな感じで、僕の周りでは機械の調子がおかしくなることが多いんですよ。バンド仲間からも「お前が来たらアンプが動かなくなった!」とか、よく言われますし。まあ、たまたまかもしれないですけどね。
ーーチャンスさんは“生き霊”をよく飛ばしているとも聞いています。
そうなんですよ。自分では出しているつもりはないんですけどね。
たとえば、2020年の『R-1グランプリ』準々決勝のとき。小さなミスで敗退してしまって……。本当は決勝まで行ける自信があったから、めちゃくちゃ悔しくて。怒りの矛先もわからないまま、家でひたすら忘れようとしていたんです。
そしたら後日、友人やスタッフから「大城さん、なんで会場に来ていたんですか?」って言われて。僕、準決勝の会場には行ってないのに、どうやら舞台裏に“いた”らしいんですよね。
あと、これも書籍に書きましたけど、ジャンボたかお(レインボー)も整体院で僕の生き霊を見たって言っていました。行ったことのないお店なのに。
“関西弁を話す悪魔”が冷蔵庫の上に「うわ、殺される!」
ーーこれまで、霊的なことで命を落としかけたことはありますか?
ありますよ。「ピーター」に出会ったときなんか、マジで殺されるかと思いました。あれは本当に怖かった……。
ーーピーター?
さっき話した、定時制高校時代の同級生の家に遊びに行ったときの話です。
その家に行ったら、真冬なのに台所の窓がずっと開いていて。僕が「閉めませんか?」って窓に近づいたら、オレンジ色の影がシュッ! と出てきたんですよ。
びっくりして、「今の、なんですか?」って聞いたら、「お前にも見えたんやな」って。同級生いわく、「あそこは妖精の通り道。妖精ってな、実は人の気を吸う悪魔なんや」と。
で、後日またその家に行ったとき、同級生がちょっと家を離れて、僕ひとりで留守番していたんです。
そいつが、「グァァァァァァァァァァァァ……」って、すごい声で鳴いていて。僕、もう「うわ、殺される!」ってなって、「お前……誰や!?」って叫んだんです。そしたら「ピィーーーーターーーーやぁーーーーー!!!」って。結局殺されずに済んだんですが、「なんで関西弁やねん……」って思いましたね。
ーーピーターは、ご当地の言葉を使うんですね(笑)。
そういうこともあって、当時の軽音部で「ピーター」っていうロック調の曲を作ったんですよ。「ピーター! ピーター! 俺は見たぞ、ピーター!」っていうやつで(笑)。文化祭で披露したんですけど、まったくウケませんでした。やっぱり文化祭はLUNA SEAとか、ベタな曲のほうがいいですね(笑)。
ーー書籍の最後には、なぜチャンスさんが霊に取り憑かれやすいのか、霊媒師の相澤観聖先生が鑑定していましたね。その中で「お母様の先祖に何かある」と言われていましたが、過去について何か聞き出すことはできましたか?
いえ、まだ聞けていないんです。
それで先日、門前仲町の深川不動堂に行ってきました。あそこは、お墓参りに行けなくても先祖の供養をお願いできるって聞いたので。
そしたら後日、知り合いのスピリチュアルな方から「最近、不動明王のところに行った?」って聞かれて。「なんで知っているんですか?」って言ったら、「今、あなたの背中に乗っているよ」って……でも僕、クリスチャンなんですよね(笑)。
取材・文/毛内達大
写真/石田壮一