
主演映画が続々と公開されるなど、俳優業が好調な一方、フィギュアスケーターして活動していることでも有名な本田望結。2軸に取り組むモチベーションはどこから生まれているか、話を聞いた。
本田望結「もしかしたら人生って決まってるのかな」
映画の主演は、2024年11月公開の『カーリングの神様』、そして『きさらぎ駅 Re:』と2作連続。さらには7月4日にも出演映画『愛されなくても別に』の公開が控えるなど、本田望結は俳優業での活躍が続いている。
――映画主演が続くなど、俳優業が好調ですね。
本田望結(以下、同)
タイミングだと思います。「たまたま」って言うと、協力くださった方々に失礼になりますけど、本当にタイミングなので。
それこそ今は良い期間なのかもしれないけど、その後には悪いことは待っていると思っているので、そんなに喜ばないようにはしています。
そういう考えでいると、悪いこと起きた時には「この後どんないいこと待ってるんだろう」って思えるんです。だから、なにか悪いことが起こっても落ち込みすぎないようにしています。
――良いことも悪いことも続かない?
そうですね。最近、「もしかしたら人生って決まってるのかな」なんて思うんです。
お芝居の役を続けていただける時もあれば、そうでじゃない期間もあって。でも、そういう時には、フィギュアスケートの試合に出られるチャンスが巡ってきたり、新しいことに興味を持って、その新しいことがお芝居に繋がったりしたり。そう考えると、人生ってある程度決まってるのかなって思ったりしちゃうんです。
でも、その考えだと「努力しなくてもいい」ってなっちゃいそうなので、それは嫌だなって思ったり(笑)。
――その考え方は、とても前向きですよね。
それこそお芝居の世界でも、フィギュアスケートでもそうですけど、役に選ばれなかったり、優勝できなかったりっていう悔しいことの方が多いと思います。
けど、そのあとで何かに出会えたり、手に入るってこともあって。うまくいかない時こそ、意外とチャンスってあるんじゃないかと思うんです。
――そうは言っても、俳優とアスリートの活動をどちらも手を抜かずに続けるのは、想像ができない大変さがあるのではないだろうか。
続けること自体に意味がある
――俳優業とフィギュアスケート、この2つに取り組むモチベーションは?
これもまた、どちらも3歳から始めさせてもらったことへの感謝というか。この2つがない自分なんて考えられないですし、この2つがあってこそ本田望結が保てている。
じゃあ、お芝居を離れたからといって、フィギュアスケートの試合で優勝できるかっていったら違うし、逆にフィギュアの練習しなくなったからといって、何か作品が決まるかといったらそうじゃない。
――本田さんにお話をうかがっていると精神的な強さを感じます。スポーツをやっていることも強さにつながっていますか?
それはあると思います。
3歳からフィギュアスケートとお芝居を始めさせてもらっていますが、「ただ続けているだけ」という期間もありました。
でも、その続けているという現状維持もすごい大変だっていうことを、最近はすごく感じるんです。続けてるだけかもしれないけど、続けること自体に意味があるというか。
誰にも迷惑かけてないんだったらずっと続けたいし、大好きなことなのに無理に嫌いになるようなことはしたくないなって思います。
――俳優業では、今後の目標は?
こればっかりはタイミングだから、何歳までにこうしたいとかっていうのは、夢というか憧れでしかないんですけど…。
最近思うのは、2027年が芸能の世界に出会ってから20年目になるんです。20年目になった時に「もう20年経ってしまった」って焦らないようにしたいです。あと2年くらいあるので、いろいろと準備をしておく期間にはしたいなと思っています。
――幼い頃から芸能界とフィギュアスケート界に身を置いてきた本田。インタビューに応える彼女はあどけない少女から、一人の女性として凛とした表情であった。
取材・文/羽田健治 撮影/廣瀬靖士