〈衝撃事実〉「シジミやウコン、じつは肝臓によくない」「肝臓に悪い酒とそうでない酒がある」3万人以上の肝臓を復活させた名医が教える肝臓復活へのシナリオ
〈衝撃事実〉「シジミやウコン、じつは肝臓によくない」「肝臓に悪い酒とそうでない酒がある」3万人以上の肝臓を復活させた名医が教える肝臓復活へのシナリオ

肝臓を健康に保つことが長生きに必要な絶対条件だと提唱する、肝臓専門医の栗原毅氏。なかでも脂肪肝はすべての病に出発点になると警鐘を鳴らす。

そんな栗原医師が肝臓を復活させるために知っておくべき新常識を教えてくれた。

 

『肝臓大復活: 100歳まで食・酒を楽しむ「強肝臓」の作り方』(東洋経済新報社)より、一部抜粋・再構成してお届けする。

肝臓に悪い「ヤバイ酒」の見分け方

じつは、お酒の中にも「肝臓に悪いお酒」と「肝臓に悪くないお酒」とがあります。その見極めポイントのひとつはやはり糖質量。なるべく糖質の少ないお酒を選ぶほうが肝臓にかかる負担が少なくなるのです。

広く知られているように、アルコールは醸造酒と蒸留酒に大別され、ビール、日本酒、ワインなどの醸造酒には糖質が含まれています。

一方、ウイスキー、ブランデー、焼酎などの蒸留酒には糖質は含まれません。ですから、「肝臓への負担が少ない」という点では糖質ゼロの蒸留酒を選ぶほうがいいということになります。

ただし、蒸留酒ではあっても、チューハイやカクテルには果汁やリキュールで割ってあるものが多く、果糖ブドウ糖液糖が使われていることも少なくありません。蒸留酒を割って飲む場合には、こうした部分の糖質量にも気をつけるべきでしょう。

また、最近はアルコール度数を低く抑えてジュースのような甘さで飲みやすくした350㎖缶の「カクテルサワー」が数多く発売されています。先にも述べましたが、こうした糖質の多いアルコールを毎日のように飲んでいたら、それだけで脂肪肝が進んでしまいかねません。梅酒や甘酒、甘い缶チューハイを含めて「甘いアルコールは肝臓によくない」と覚えておくべきでしょう。

さらに、肝臓にとってもっとヤバイのが「ストロング系缶チューハイ」です。近年、安いし甘いし、グイグイ飲めて手っ取り早く酔えると人気のようですが、この度数のアルコールを「気軽にグイグイ」と飲んだりしたら、肝臓が大ダメージを被るのは避けられません。

9%の缶チューハイ500㎖の純アルコール量は36gあるのですが、これはアルコール度数43%のウイスキーロック(30㎖)の3.5杯分に相当します。毎日何本も飲んだりしたら、もうアルコール性肝障害まっしぐらではないでしょうか。

しかも、ストロング系缶チューハイには、果汁やフルーツフレーバー、果糖ブドウ糖液糖などを添加して飲みやすくしたものも少なくありません。ですから、肝臓にしてみれば、「アルコール度数」と「糖質量」の両面において「避けておいたほうがいいヤバイ酒」ということになります。

ただ、こうした健康面での懸念に配慮してか、大手飲料メーカー各社では、ストロング系缶チューハイの販売を見直す動きが広まってきているようです。

とにかく、アルコールは「単に酔えればいい」というものではなく、日々の生活の潤滑油として長く健やかに楽しむべきものです。その「原点」から外れることなく、肝臓の健康に影響しない範囲の中で飲むようにすべきなのではないでしょうか。

シジミ、ウコン、レバー、牡蠣が肝臓によくない理由

みなさんの中には「肝臓にはシジミとレバー、それに牡蠣もいいんだ」と固く信じてきた方も多いのではないでしょうか。また、肝臓のためにウコンの健康食品やサプリメントを飲んでいる方も多いかもしれません。

しかし、残念ながら、私からはこれらはおすすめできません。

なぜなら、これらを頻繁に摂っていると、弱った肝臓をさらに弱らせてしまう可能性があるからです。

もちろん、肝臓に対してまったく効果がないというわけではなく、シジミのオルニチンやウコンのクルクミンには、二日酔いの原因となるアセトアルデヒドの分解を促す効果などが期待できます。

ただ、メリットだけでなくデメリットもあるのです。

シジミ、レバー、牡蠣、ウコンに共通するのは鉄分が多く含まれている点。肝臓には鉄などのミネラルを貯蔵する働きがあって、こうした食べ物から鉄分を頻繁に摂っていると、多くの活性酸素が発生して肝臓に炎症を引き起こす原因になることが指摘されているのです。

シジミ、レバー、牡蠣は料理してたまに食べるくらいならまったく問題ありませんが、健康食品で売られているものは成分が濃縮されているので、習慣的に摂取する場合は鉄の過剰摂取にならないよう気をつけたほうがいいでしょう。

鉄の過剰摂取に注意したほうがいいのは、ウコンの健康食品やサプリに関しても同じです。市販されているウコンのサプリの中には、あらかじめ鉄分を取り除いているものもあるようですが、漢方系サプリには効果が強いものが多く、たとえ鉄をカットしてあったにしても効果の強さが肝臓の負担になってしまうことが少なくありません。

実際に、肝臓のためによかれと思って摂ってきた食品やサプリが、逆に肝機能を傷害する原因になっていたというケースもあるのです。

ですから、「肝機能回復」を掲げた健康食品やサプリに対しては慎重な姿勢をとるべき。私はやはり、健康食品やサプリに頼るよりも、日々食事に気をつけたり生活改善を心がけたりしていくのが、健康な肝臓を取り戻すいちばんの近道だと思います。

文/栗原 毅 

『肝臓大復活: 100歳まで食・酒を楽しむ「強肝臓」の作り方』

栗原 毅 (著)
〈衝撃事実〉「シジミやウコン、じつは肝臓によくない」「肝臓に悪い酒とそうでない酒がある」3万人以上の肝臓を復活させた名医が教える肝臓復活へのシナリオ
『肝臓大復活: 100歳まで食・酒を楽しむ「強肝臓」の作り方』
2025/2/191,650円(税込)210ページISBN: 978-4492047880

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~実はこれ、すべて肝臓に悪い習慣です~

NG! 節酒のため、晩酌をジュースに変えた
NG! アルコール度数の低いサワーで我慢
NG! 二日酔い防止にウコンのサプリを摂る
NG! 肥満防止にノンオイルドレッシングを使う
NG! ビタミン豊富なフルーツをデザートに
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