支持率2%と報じられた石丸新党「本当にやる気があるのか?」他党から疑問の声…候補者42人に吹くのは“旋風か逆風”か? ”石丸ファン”の注目はあくまで石丸氏本人のみ 
支持率2%と報じられた石丸新党「本当にやる気があるのか?」他党から疑問の声…候補者42人に吹くのは“旋風か逆風”か? ”石丸ファン”の注目はあくまで石丸氏本人のみ 

まもなく投開票を迎える都議選。都議会自民党による裏金問題が尾を引いている自民党は議席数を減らすと予測され、その議席を取るのは台風の目だと言われた国民民主党だった。

しかし、山尾問題などで国民民主党の支持率は下落し、石丸新党「再生の道」に注目が集まっていた。ところが、蓋を開けると支持率は2%と超低迷。その理由を追った。 

石丸新党42人の候補者 議席獲得なるか

石丸新党による議席獲得の目が消えかけているーー。

6月22日に投開票が予定されている東京都議選をめぐって、朝日新聞社は18~19日にかけてインターネット調査を実施した。「仮にいま投票するとしたら」の質問に対して、自民党が28%ともっとも多く、立憲(14%)、国民(10%)と続くなか、石丸伸二氏が設立した地域政党「再生の道」は、2%と極めて低い数字を記録した。

石丸氏といえば、去年7月に投開票が行なわれた都知事選で160万票を獲得し、小池都知事と大差で敗れたものの、2番目に多く票数を獲得したことから注目を集めた。その躍進は「石丸旋風」とも呼ばれた。

都政担当の記者が語る。

「都議選が始まる前には、石丸旋風が“また”巻き起こるのではないかと噂されていました。都議会自民党は今年1月の裏金問題を受けて批判が殺到。都議選では議席数を落とすと予測されていました。

それを拾うのが国民民主か、石丸新党の『再生の道』と言われていたのですが、実際に始まってみると、国民民主は山尾元衆院議員の不倫問題(による公認見送り騒動)で支持率が落ちる始末。

では再生の道ではないかと言われていたものの、そうでもなかったようです」

期待外れの裏には、いったい何が起こっていたのか。某区の立候補者は、再生の道は敵ではないと言い切る。

「本当にやる気があるのかが疑問だった。告示日の1週間前にやっと街頭演説を始めたり、告示日当日には夜になってもポスターを貼り終えていない候補者もいた。再生の道から出ているのは、会社員とかでしょ? 夜しか街頭演説ができない人もいた。また、街頭演説を毎日しない人もなかにはいて、SNSで勝負するのかな。

候補者自身は石丸さんのようにSNSでバズっているわけでもなく、街頭演説のYouTube再生回数も多くて数万回の再生で、東京都在住の割合は2割程度だと聞く」

再生の道からは今回、計42人が出馬。石丸氏は今年1月、再生の道の公認候補を公募し、全国から約1100人が応募した。今回の42人は3回の選考を経て選ばれた人たちだ。彼らは、現職や元を含めた政治経験者は一人もおらず、会社員や経営者、教授などさまざまな経歴を持つ。

東京都板橋選挙区を見てみると、東京電力ホールディングスで働きながら政治家を目指している船本優月氏(33)が出馬している。

新宿選挙区から出馬するのは、元みずほ銀行勤務で現在はスタートアップ役員の平良雄大氏(38)、世田谷選挙区からは元アナウンサーでIT企業に勤務する鳥海彩氏(37)。

他にも通信会社社員や東京大学名誉教授など、さまざまな経歴の持ち主が集まっている。

候補者、SNSでは石丸氏のようにはバズらず…

石丸氏は1日に6カ所、多いときには10カ所の応援に駆けつけている。石丸氏の演説はどれも10分程度で、候補者が話す前に行なわれることが多く、「実力で選んでいます」「仕事がしっかりできるだろう。その目線で選んだ」と力説するケースがほとんどだ。

再生の道の街頭演説を聞きにきたというZ世代の20代男性は、演説が始まる前に記者に対して「石丸さんのファンで演説を見にきた」と明かす。

「SNSで石丸さんの動画が回ってきて、都議選へのイメージがクリアになった。スマホヘビーユーザーの若い世代にとってみれば、石丸さんは一番距離が近い政治家で、ヒーローみたいな感じ。今の政治のダメなところにとことんツッコんでいく姿がカッコいい。

自民党は裏金問題があって悪いイメージだし、ほかは何をしているのかがわからない。政治は腐った印象があって、それを変えて新しい風となるのが石丸さんだと友達とも話し合っています」

そう語るものの、石丸氏の演説が終わって候補者の演説になると男性の姿はどこかへ消え去っていた。

石丸旋風は、候補者にとって逆風となってしまうのか。石丸氏は今夜も都内各所の応援へ回る。

 

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班 

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