「これほど後味悪いとは…」地上波との決別か？『ダウンタウンDX』異様な最終回から感じた二人の決意と『ダウンタウンチャンネル』の行方

お笑いコンビ・ダウンタウンによる新配信サービス『ダウンタウンチャンネル（仮）』が、今秋にスタートすると報じられている。地上波から松本人志が姿を消して約1年半。

最終回なのに本人ナシ「ダウンタウンDX」幕引きの違和感

6月26日に放送された『ダウンタウンDX』（日本テレビ系）最終回。32年続いた長寿番組の幕引きだったが、その終わり方はとても長く愛された歴史ある番組とは思えないほどにあっけないものだった。

最終回は事前の内容予告がなく、当日になってその全貌が明らかに。過去の名場面集、浜田雅功と松本のお別れの挨拶といった予想が主だったが、結果は、なじみのゲスト出演者が4組に分かれて車に乗りこみ、車中で番組に関する振り返りのトークをするだけ。

ダウンタウンの姿は“シルエット”で出たのみ。最終回にMCの顔すら見せないという異例の構成は大きな物議をかもした。

ネット上には驚きと戸惑いの声が多く並んでいる。

〈ダウンタウンDX最終回、予想を裏切るオモン無さ…切ない最終回でした〉

〈今までさまざまな番組の最終回を見たけどこれほど後味悪い最終回はなかった。正直ウソだろ…〉

〈ダウンタウンDX打ち切りに腹を立てたダウンタウン側の態度に、よみうりテレビが最終回で長年続いた番組を台無しにするって復讐かな、これ〉

最終回直前の放送では浜田が休養中ということで今田耕司が代役を務めたが、実はその時点で浜田はすでに他番組に復帰済み。つまり、最終回には出ようと思えば出られたはずなのだ。

「松本さんだけを“出せない”という扱いになるくらいなら、自分も出ない――、浜田さんはそう判断したのかもしれない」とテレビ局関係者は話す。

32年間の歴史ある番組の最終回ですらこのような扱いということを見ても、松本の地上波復帰が難しい現状がわかる。

ダウンタウンとなじみの深い放送作家で、ダウンタウンDXではトスポの声も担当していた倉本美津留氏は、最終回放送後に、トスポが怒っている画像を自身のXに投稿。その裏でなにかあったことを感じさせている。

ダウンタウンチャンネルが延期になった背景

そしてもうひとつ、ダウンタウンにとって象徴的な出来事が報じられたのはその前日だった。

『ダウンタウンのガキ使いやあらへんで！』などを手掛け、番組にも度々出演していた名プロデューサー・中村喜伸氏が代表を務める会社が、6月17日に東京地裁より破産手続き開始決定を受けたと報じられた。

「中村プロデューサーと松本さんは旧知の仲ですが、倒産が直接『ダウンタウンチャンネル』に影響を及ぼすことはないでしょう。

ただ、当初は春スタートの予定だったが、浜田さんの体調不良や盟友・中居正広さんの問題などの影響からなのか、延期を繰り返し、ようやく秋に目処が立った中で、また近しい人のネガティブなニュース。不穏な空気を感じさせますね」（同・関係者）

ただ、『ダウンタウンチャンネル』のスタート時期が延期になった背景には、それらの件だけでなく、所属する吉本興業の思惑も無関係ではないようだ。

「大阪万博の開催中（～10月13日まで）にスタートするのはもともと避けたかったのでは、という見方もあります。復帰が注目される松本は、吉本にとって大きなビジネスチャンスでもあるし、同時にリスクにもなりかねませんから」（在阪テレビ局スタッフ）

テレビよりも自由度の高いネット配信。松本が活躍できる場所は、今やそこしかない。

「昨年末、Yahoo!ニュースに掲載されたインタビュー記事で松本は、『テレビへの決別だとか、反テレビだとか、そういうものではない』と語っており、テレビ業界への配慮をしていました。しかしここまで時代が逆風で復帰の見込みもまったくないとなれば、その姿勢も変わってくるかもしれません。

松本は放送作家など裏方との話し合いを大事にして、自分がリーダーとなってチームで番組を制作してきましたが、そういった信頼ある仲間を集めて、配信という場で最後の大勝負にでようとすると考えられます」（同・スタッフ）

相方・浜田雅功はどう決断する？

そしてそのためなら、浜田も芸能人生を懸けて、松本についていく、となるのか。

「浜田さんは義理固く、特に相方・松本さんのためなら、地上波のレギュラー番組だって降板するくらいのことをするでしょう。今回、ダウンタウンDXの最終回に1秒も姿を現さなかったのは、浜田から松本への最大限のリスペクトであり、最後まで運命を共にするという覚悟とも感じられました。

『ダウンタウンチャンネル』のプレミア感を出すには、浜田さんもいっそ地上波から姿を消す方がいい。そのほうが、有料会員をより多く集められますから」（前出のテレビ局関係者）

『ダウンタウンチャンネル』は、テレビからの“撤退”ではなく、“新しい始まり”なのだろうか。この活動の動向いかんによって、日本のテレビビジネスも大きく姿を変えていくかもしれない。

取材・文／集英社オンライン編集部