「洗濯物干すヤバい客おる」女性サウナを閉鎖した老舗銭湯の投稿も話題…盗難、嘔吐に大ゲンカ、“ととのう”はずの全国のサウナで起こっている迷惑行為の実態
「洗濯物干すヤバい客おる」女性サウナを閉鎖した老舗銭湯の投稿も話題…盗難、嘔吐に大ゲンカ、“ととのう”はずの全国のサウナで起こっている迷惑行為の実態

大阪の老舗銭湯がX(旧Twitter)で怒りの告知をしたことが話題となっている。それは「マナー悪い一部の人間のせいで、苦渋の決断ですが、ご理解の程宜しくお願い致します。

我慢の限界です」という張り紙と共に女湯サウナを閉鎖するというものだった。利用客による迷惑行為とは、いったいどんなものなのか。当該の老舗銭湯のほか、全国の温浴施設担当者に聞いた。 

「風呂屋続ける気力無くなってきたわ」老舗銭湯、苦渋の決断

今回Xで怒りの告知をしたのは大阪八尾市で昭和39年に創業した「恩智温泉」。

老舗のこの銭湯はXやInstagramを頻繁に更新し、その投稿に反応する声も多く、近隣住民だけでなく全国の「サウナー(サウナ好き)」にも愛されているさまが見てとれる。

その女湯コーナーに関する警告のようなものが投稿されるようになったのは7月初旬からだった。

7月11日の投稿にはこうある。

「女性側サウナのリモコン行方不明。」

そして7月27日にはこんな投稿も。

「女サウナで洗濯物干すヤバい客おる」

さらに7月30日にはこのように投稿された。

「風呂にビーチボール持ってきて、子供水風呂占領。サウナで洗濯物干す。サウナに持込禁止やのに持込。貼紙貼っててもこれ。

風呂屋続ける気力無くなってきたわ」

 この投稿後、「女性サウナの休業」に関する告知の投稿がなされた。

ビーチボールや洗濯物を持ち込むなど、度を越した迷惑行為の詳細について「恩智温泉」に取材の申し入れをすると、「ああ…すみません、取材とかは結構なので。Xで言ったことがすべてなので。すみません」とのことだった。

サウナでの迷惑行為の実態を調べるべく、別の施設に取材した。

都内サウナのスタッフは「騒がしい男子大学生が多いです」と苦笑いする。

「最近は若者の間でサウナブームが広まっています。男子大学生らしい5人くらいの集団が来た時に、サウナの中で『あとどれくらい耐える?』みたいな会話で騒いでいるという報告を他の利用者から受けました。

サウナの中では静かにするよう掲示もしていますが、夏休みの時期は改めて注視したいと思います」

盗難被害に遭った温浴施設もあった。「サウナ横綱本川越店」では今年6月にドライヤーが盗まれる被害に遭った。スタッフは言う。

「6月4日にダイソンの約6万円のドライヤーがコードを切られて3台盗まれました。

また、8日は女性利用客専用のレディースデイだったのですが、2万円のヘアアイロンを盗まれました。

ドライヤーについては別メーカーの代替品を用意しておりますが、ヘアアイロンはなくなったままです。お金などの問題もありますから、今は新しいものを補充はできていないです。

レディースデイはアメニティなどを充実させているのですが、過去にはシャンプーボトルや無印良品のホホバオイルなどが盗まれていました。

利用者の方からは慰めの声をいただいたり、来店頻度を増やしてくれたりなど応援して頂いていますが、すぐ次のものを補充できるほどの余裕があるわけでは無いです。今後のことは慎重に判断したいと思います」

「女性客同士の喧嘩はしょっちゅうです」

盗難被害は物だけに留まらない。都内の繁華街のど真ん中にあるレディース専用サウナとカプセルホテルが併設された施設では客同士の現金の盗難被害が絶えないという。

「以前から盗難被害が多く、10年ほど前からロッカー内に複数台のカメラを設置しました。抑止のためでしたが、未だに月1回は『財布を丸ごと盗まれた』『財布から現金を抜かれた』などの声はあり、カメラを確認して警察署に被害届を出してもらっています。

あと、お客様でホストクラブに行かれた帰りに泊まる方も多いので、トイレで吐いたり、仮眠室で寝ながら吐いている方もいます。申告してくれたらいいのですが、申告してくれない方もいるので困ります」

また、こちらのサウナでは「女性客同士の喧嘩はしょっちゅうです」と言う。

「声がうるさいだのなんだの、喧嘩して騒いでいたり、その数が増えて大騒動になったりと、従業員が間に入ってなだめることはしょっちゅうあります。

何かお仕事の合間の休憩で入る人が多いのですが、お金を払わず逃げる人もいます。お代金は回収できたりできなかったり色々ですが、なんとか経営は成り立っている状態です」

担当者は「喧嘩の仲裁をしたり客同士の盗難トラブルに巻き込まれたりと、いったい何のお店だかわからなくなる」とも嘆いていたが、やはり繁華街近くのサウナはそのような迷惑行為は多いようだ。

愛知県名古屋市内の繁華街内にあるサウナの女性用コーナーではこんな迷惑客も出没した。

「泥酔したまま入店されて、そのまま休憩スペースのリクライニングチェアやご自分のお部屋で失禁されていたお客様が過去に3人ほどいました。

当然臭いもしますし、椅子も掃除しなければならなかったので迷惑でした。スタッフが起こした時に謝ってくれる方はまだいいのですが、逆ギレみたいな感じでそのまま部屋に戻られたりする方もいます」

さらに、最近のインバウンドの影響で外国人女性によるこんな迷惑行為を訴えるのは、大阪のカプセルホテル従業員だ。

「海外から来られた女性2人組がサウナの中でキスしていたことがありました。その姿を見たお客様が驚いてサウナに入れなかったというご意見をいただきました。

あと、大浴場やロッカーの中に血のついたカミソリやナプキンが放置されていたこともあります。そういった迷惑行為をやめてくださるよう、英語と日本語での掲示を始めました」

男性客同士の同様の迷惑行為も複数の施設から聞こえてきた。さらに…

「常連の50~60代の女性が男性客を相手に勝手に“商売”しているんですよ。夜遅い時間に、酒飲みながら互いに盛り上がってね、3000円くらいで小遣いほしさにトイレとかに入ってこっそりおっぱじめるんだ。

ウチはファミリー客を相手に営業してるから本当に勘弁してほしいよ。出入り禁止にしたいんだけどかなり気が強い女性で、現行犯で見てないからなかなか強く言えない」(関東の大型入浴施設・清掃アルバイト)

サウナは“ととのう”場所であり“休息する”公共の場だ。誰もが落ち着いて過ごせるよう、迷惑行為は絶対にしてはいけないことである。

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班

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