
空港の搭乗アナウンス、電車の遅延情報、バスの運行案内――。日本にいて日本語で言われれば何も怖くはないのに、これが海外旅行中で英語だったらと考えると、身構えてしまう人が多いのではないだろうか?
ただ、海外でも日本でも、公共交通機関には共通点がある。
何をどんな順で言うのかは予測できる
大勢の方が利用する空港や鉄道の駅、バスターミナルなどでのアナウンス。結論から言えば、何をどんな順で言うのかは、日本と似ています。ですから、次に英語で何が言われるのかが予測できるのです。
例えば日本国内の空港では、どんなアナウンスが流れているでしょうか。たいていの場合は、大きくふたつに分けられると思います。
・予定どおりです
・少し変更があります
さすがに分析したり、実測したりしたことはありませんが、このふたつで、おそらく7~8割のアナウンスをカバーできるのではないかと思います。
予定どおりの場合のアナウンス
変更なしの「予定どおり」の場合を考えてみましょう。通常の日本の空港でのアナウンスは次のようなものではないでしょうか。
「お客様にお知らせします。◯時◯分発、△△△行き、□□□便にご搭乗の皆様、◎時までにXゲートへお集まりください。」
英語だと?
細かい部分には違いがあると思いますが、内容としてはおおむねこのようなものになるでしょう。そして、何をどんな順で言うのかは、英語でもあまり変わりません。そう思えば、言われる内容が予測できますね。英語だとこうなります。
Attention,please,ladies and gentlemen.
すみません、皆様。
This is a boarding announcement for passengers of XX,Flight 38,to New York,departing at 5 pm.
ご搭乗のご案内を申し上げます。XX空港会社のニューヨーク行き、午後5時発の38便にお乗りの皆様。
All passengers,please go to Gate 12 by 4 pm.
ご搭乗の皆様は、午後4時までに12番ゲートへお越しください。
Thank you.
ありがとうございました。
聞き逃したところを尋ねればいい
だいたい日本国内と同じような順番で、アナウンスが流れます。もし聞き逃したところがあれば、この会社(この場合はXX空港会社)のデスクで詳細を聞きましょう。聞き逃したところとフライト名、時間を言うといいですよ。
Hello. I missed the announcement.
すみません、放送を聞き逃しました。
About 5:40 Flight 38 to New York. what time will I go to the gate,please?
ニューヨーク行きの38便ですが、ゲートに行くのは、何時でしょう。
変更があった時のアナウンス
今度は、変更のあった時のアナウンスです。「強風で飛行機が1時間ほど遅れるので、出発時間が変わる。適宜示されるスケジュールに対応してほしい。」という内容です。
嵐や強風は英語では storm,bad weather,thunder storm(雷雨)などと言われます。例で見てみましょう。
変更アナウンスのだいたいのパターン
Attention please. Passengers of X 6:40 pm Flight 35 for Miami
ご案内いたします。X会社の6:40発35便、マイアミ行きのお客様、
due to some bad weather, your flight will be delayed by about one hour.
悪天候のため、あなたの便は約1時間遅れます。
The exact delay time is not known.
どのぐらい遅れるのか、わかっていません。
So please stand by and wait for further announcements.
ですから、そのままお待ちになり、今後のアナウンスをお待ちください。
Thank you for your understanding. And we apologize for the inconvenience.
ご理解ありがとうございます。そしてご迷惑をお詫び致します。
主語と動詞を聞き取れればおおよそはわかる
いかがでしょうか。
アナウンス自体は長くて、難しく感じるかもしれません。けれど、主語のYour flight(あなたの搭乗便)と動詞のwill be delayed(遅延する)を聞き取れるだけで、全体の文意をつかむことはできてしまいます。
旅行先という設定なので英語のアナウンスでご紹介しましたが、国内で悪天候によるフライトスケジュール変更があったとしても、同じような順番で日本語のアナウンスが流れることでしょう。
もし本当にこのような状況に当たった時は、どうしたら良いか。それは日本と同じです。状況は刻々と変わるので、スケジュールが出るデジタルボードをチェックし、アナウンスを聞いて対応することになります。もちろん、エアラインのデスクで聞く必要も出てくることでしょう。
ご紹介した例文では、むしろ「日本語の訳文」のほうを注意して見てみてください。要するに、日本でも海外でも、会話の中身は、ほとんど変わらないということに気付いてほしいのです。海外だからといって、非日常だと身構える必要はありません。日本にいる時と同じように、楽しんでください。
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中学英語でけっこう話せます。
高橋まき
「え? この英語力で話せるの!?」
──はい、話せるんです。
ネイティブにも話し方を教えてきた
「コミュニケーションの先生」が
すでに知ってる単語を
【とっさに使える神フレーズ】に
変えるコツを伝授!
・道で困っている旅行者に声をかけてみたい
・海外旅行をガイドさんなしでも自由に楽しみたい
・ボランティアとして外国人に接してみたい
長年、【英語が話せる人】になりたいと憧れてきたのに
「言葉がスッとは出てこない」
「単語が思い出せない……」
「文法も発音も、自信がない……」
なぜか日本人には尻込みする人が、とても多いもの。
そんな方こそ、この事実を知ってください!
「英語を話すために必要な知識は
すでに十分、あなたは持っています──」
そう、英会話なんて全然ムリ! と思っているあなたでも、
中学で英語を学んでいれば、
じつはもう“話せる側”に入っているんです。
そう言われても、信じられないかもしれませんが、
たとえば!
魔法のフレーズ「Like this(こんなふうに)」を使えば、
いろんな単語をスッと思い出せなくても
「道案内」から「ショッピング」まで、
堂々と英語で会話が続けられます!
日本人が英語を話せないのは、
勉強が足りてないのではなく、
ただ「本当の使い方を教わっていない」から。
本書は、アメリカ生活18年&英語指導歴4000人、
日本人がつまずくポイントを知り尽くした著者だからこそ書けた、
「英語が話せない理由」から抜け出す、超実践的なメソッドです!
「中学英語でも、けっこう話せた」
そう思える日が、もうすぐやってきます。
***目次より***
【リスニング編】
第1章 単語をたくさん覚えなくてもいい
第2章 口で話さなくてもいい
第3章 お行儀よく聞かなくていい
第4章 英語は全部聞き取らなくていい
第5章 1回でわからなくていい
第6章 スラッシュリスニングに挑戦しよう
第7章 海外は非日常と思わなくていい
【スピーキング編】
第8章 英語を話せる場所を見つける
第9章 「1回で伝わらない」を恐れなくていい
第10章 話したいことは「細切れ」で言えばいい
第11章 相手に話を盛り上げてもらえばいい
第12章 「受け身」を使わなくていい
第13章 英会話中でも「あなたはあなたのまま」でいい