〈天下一品〉ラーメンにGが混入…大量閉店報道に続き“泣きっ面にハチ状態”運営会社の見解と常連客の反応は? 混乱当日の都内の「天一」にも行ってみた
〈天下一品〉ラーメンにGが混入…大量閉店報道に続き“泣きっ面にハチ状態”運営会社の見解と常連客の反応は? 混乱当日の都内の「天一」にも行ってみた

「こってり一筋」のラーメンチェーン店「天下一品」の新京極三条店で提供されたラーメンにゴキブリの死骸が混入していたという信じられない事案が発生した。全国に199店舗を展開し、ケンドーコバヤシ氏など多くの芸人からも愛され、世界的ギタリストでLUNA SEAのSUGIZO氏に至ってはCM出演するほどの愛食ぶりを見せている。

ゆえに世間に与えたその衝撃は大きい。いったい何が起きたのか、本社に取材した。 

「大きさ1㎝ほどのゴキブリで種類は判明していません」 

最盛期は全国で240店舗ほど展開していた「天下一品」。だが、最近は今年6月時点で都内23店舗のうち渋谷や恵比寿などの7店舗が閉店し、昨年6月にも6店舗が閉店するなど大量閉店が報じられ「経営不振か」とも囁かれていた。

運営会社の株式会社天一食品商事の公式ホームページでは9月4日付で「経営不振による事実はない」「いずれもフランチャイズ加盟店様との契約期間満了に伴う、予定通りの閉店」と発表していた。

今回の「ゴキブリ混入」は、その矢先の出来事だ。運営会社は9月8日付で「8月24日(日)に天下一品 新京極三条店にてご提供した商品に、異物(害虫)が混入していた事案が発生いたしました」と発表。

同社にこの件について問い合わせると、担当者より電話があった。

――8月24日に「天下一品 新京極三条店」で20代女性が注文した「こってりラーメン」にゴキブリが混入していた件ですが、その当時の状況を詳しく教えてください。

担当者(以下同) お昼頃の時間帯で、20代女性のお客様が注文した商品の中にゴキブリの死骸が見つかり、女性の申告により発覚しました。提供してすぐではなく食べ進めている途中で気づかれたようです。

お客様には謝罪するとともに返金を申し出ましたが、辞退されました。お客様には多大なる不快な思いとご迷惑をおかけしたことを心よりお詫びします。

――ゴキブリは死骸だったということで、どのように混入したか、その種類などは判明したのですか。またその日はそのまま営業されたのですか。

大きさ1㎝ほどのゴキブリで、種類は判明していません。その日はその店の閉店時間である午後8時45分まで営業したようです。

――その後も通常営業され、9月2日に害虫駆除を行なったとのことですが、「対応が遅いのではないか」といった声もSNSではあります。どう考えられていますか。

当該店から本社への連絡は24日当日にあり、その後、事実確認を行ない最速で駆除専門業者依頼し、実施できたのが9月2日でした。その日はいつもより早い午後4時30分に店を閉め、その日から当該店舗は営業停止をしております。

――同時に「河原町三条店」も営業停止されたのはなぜですか。また、再開の目処についてはどのようにお考えですか。

「河原町三条店」は当該店と同じオーナーさん経営の店なため、同じ措置ということです。これらの2店舗の再開の目処は現時点では未定です。

当該店舗へ害虫駆除の実施を行なうだけでなく、9月3日に保健所にも連絡を入れ、原因調査と衛生管理体制の見直しを行なっています。

もちろんこの件を踏まえ、全店舗への衛生管理徹底の強化と再発防止策の指示を行なっています。

 ――これまでこのような異物混入などの事案はあったのでしょうか。 

いえ、創業以来そのような報告は受けたことはありません。今後はより一層の衛生管理の強化と従業員教育をしてまいります。 

天一ファンの声は? 「もちろん自分のに入ってたらそりゃ嫌ですけども…」

お客や他店舗の反応はどうだろうか。

8日、都内の繁華街の某店に足を運ぶと夜8時というゴールデンタイムだからか、男性の単体客やグループ客、学校帰りの学生、カップルらしき男女と客はひっきりなしに訪れ、異物混入の影響は一切感じない。

店主に今回の騒動について聞いてみると、「はい、当店にも衛生管理徹底と再発防止の注意の連絡が入りました。まあ、うちはまだ内装も新しいですから、厨房でも今のところ1匹も見かけていません。それに報道でお客さんが減ったなどの影響も、ありがたいことに受けていませんね」と回答した。

食後もおしゃべりを楽しむ“天一ファン”の女性客二人もこう話してくれた。

「恵比寿店は通うのに便利だったんで、もう2週に1度くらいのペースで行ってました。

でも閉店しちゃってめっちゃショック、渋谷店もなくなっちゃうし…。今日はこの店舗に初めてきました。“G混入”ですか? ぜんっぜん、気にしないです! 自分に出されたものに入ってなければ大丈夫です(笑)!」

同席していた女性も「だよねー」と言いながらこう語った。

「いやー。まあ、飲食店だから致し方なしですよね。牛丼店はネズミとか、けっこう大きな異物も混入しちゃったりしてるし。ゴキブリはまあ…そりゃ入ってしまうこともあるんだろうと。もちろん自分のに入ってたらそりゃ嫌ですけども」

カウンター席に座っていた男性客も気にする様子はなかった。

「あー! そんなニュースありましたね。でも今日は『天一』気分だったので。ラーメンってそういう『今日は二郎気分だな』とか『いや家系か』みたいな気分で食べるものじゃないですか。『天一』気分なのに『家系』を食うわけにはいかないでしょ。

それは唯一無二ですから強いですよ」

『天一』はもはや日本を代表するラーメンチェーン店のようだ。常連客は「ラーメンを食べに来ているのではなく、『天一』を食べに来ている」と話す。店内には『こってり極まる』といったキャッチフレーズでSUGIZO氏が写ったポスターが貼られている。

SUGIZO氏は30年以上「天一」を愛食し、普段はストイックなグルテンフリー&セミ・ベジタリアンの食生活を送りながらも「月1回の『天一』通いがご褒美」と公言している。

そういった「こってり信者」のためにも、今後ますます衛生管理には気をつけ、変わらない味を届けてほしい。

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班  

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