
愛知県警は9月11日、すでに逮捕されている“変態教員グループ”の2人を再逮捕したと発表した。再逮捕されたのは、森山勇二容疑者(42)と小瀬村史也容疑者(37)。
逮捕されてからも6割に減額された給与が…
県警関係者によると、森山容疑者は、①去年10月ごろから今年5月までの間、自宅で女児7人のリコーダーに体液を付着させたとして器物損壊の疑い、②今年6月に、着替え中の女児の画像などで組み合わされたポルノデータを所持していた疑い、があるという。
小瀬村容疑者は、去年6月から10月までの間、神奈川県内の施設で女児の下着姿を3回にわたり盗撮、体を触るなどのわいせつ行為を撮影した児童ポルノを製造した疑いがある。また、そのデータを“変態教員グループ”らで構成されたSNSのグループチャットに共有したとされている。
「グループには約10人の現役の教員が参加していたと見られており、これまでに4人が摘発された。一連の事件で、被害児童はこれまで25人以上になると見られている」(社会部記者)
名古屋市教委の関係者によると、名古屋市教委の幹部らは8月20日、森山容疑者と留置場の面会室で15分程度にわたって話したという。
「私たちが『伝えたいことがあれば』と聞くと、森山は『今回の件で、子どもや職員の仲間に迷惑をかけてしまい、非常に申し訳なく思っています』と話しました。会ったときの様子は疲れている表情で、目に力が入っていませんでした」
一方で、「留置場の面会ということもあり、事件のことは話せないと警察官から指示を受けていたので、具体的な本人の言い分を聞くことはできませんでした」とも明かした。
森山容疑者は現在、「起訴休職」という扱いになり、逮捕されてからも6割に減額された給与が支払われているという。一連の行動は、市教委が定めた内規では免職に該当する可能性がある。ただ、本人から主張を十分に聞き取れていない状況であることから、処分の確定まで時間がかかっているとのことだ。
児童のリコーダーに体液を付着させたもう一人の変態教員
名古屋市教委の幹部は森山容疑者の今後について、こう語った。
「なんとか9月末までには処分を確定させたかったのですが、今回で3回目の逮捕となり、さらに時間がかかる見込みです。彼が起こした問題は、子どもたち、保護者の信頼を裏切る行為。
また、横浜市教委(南部学校教育事務所)の担当者は、
「小瀬村教諭については、欠勤という形で給与は発生しておりません。ただ、逮捕後、本人に一度も接触できておらず、処分には時間がかかっています。事実関係を確認したうえで、厳しい処分を出します」
と述べた。
森山容疑者は、主任教諭という学校内でナンバー3の立場だった。校長や教頭を補佐するほか、教員の取りまとめ役でもあり、学校行事では記録用の撮影係だったという。
そのため、保護者に学校の様子を知らせる「学校だより」を作る担当でもあった。子どもの写真を撮影できる立場を悪用して盗撮した可能性もあると見られ、保護者たちの間では「隠しカメラなどで撮影していた可能性もあるのでは」といった心配の声も上がっていたことが、集英社オンラインの取材で浮かび上がっている。
妻は地元の資産家で、子煩悩だった森山容疑者は保護者から「親身になってくれる先生でした」という評判もあったものの、隠された顔は“変態教員グループ”のチャット管理人だった。
森山容疑者が作成したSNSの“変態教員グループ”チャットのメンバーではすでに、児童のリコーダーに体液を付着させるなどの行為をしたとして、器物損壊などの罪で水藤翔太被告(34)が起訴されている。
水藤被告はほかにも、①15歳の少女のリュックサックに自分の体液をかけた、②路上で自らの隠部を複数回露出した、③児童の給食に体液を入れたりした、とされており、今年7月の初公判では内容を認め謝罪した。なお水藤被告は6月30日に、名古屋市教委によって情状酌量の余地はないと判断され、懲戒免職の処分を下されている。
ゴールをガンガン決めていた“コセムー”
いっぽう再逮捕された小瀬村容疑者は、プライベートでは友人から「コセ」と呼ばれていた。
「当時すでに結婚していたし、小児性愛者のような発言を聞いたこともなかった。チーム内で問題を起こすこともなかったし、ウチの社内の人間とも普通に仲良くしてました。クラスにいれば『友達になりたい』って感じのヤツですよ。明るいし、コミュニケーション能力もある」
身長は160センチ台後半と小柄ながら足が速く、フットサルの技術も高かったという。
「試合でもゴールをバンバン決めていたし、昔、サッカーをやっていたと聞きましたよ。普通に友達付き合いしている分には、悪い人には見えない。まさかこんな事件を起こすなんて、想像もつかなかった」
いっぽうで保護者からはこんな話が聞こえてくる。
「一部の生徒からは『コセムー』と裏で呼ばれていました。逮捕された当時は、小学校中学年のクラスで、『コセムーがなにかヤバいことをした』と騒がれていたそうです。ただ、コセムーが何をしたかの具体的な内容は理解しておらず……。悪いことをしてしまったけど、いつかまた戻ってくると思っている子もいると言われています」
そんな小瀬村容疑者は、勤務先の小学校で発行されたPTAの広報誌のアンケート調査で、子どもの頃なりたかった職業は「小学校の先生」。
愛知県警は7月22日、熱田署内に捜査本部を設置した。生活安全部長をかじ取り役とした異例の内容だった。社会部記者が語る。
「動員された捜査員は70人超で、森山容疑者が作成したチャットの解析に力を入れています。背景には、これらの事件が文部科学省大臣が言及するほどの国レベルの大きさになったことから、警察庁から相当な圧力がかかったことがあるのでしょう。今月1日、小瀬村と同じ神奈川県内に住む石川勝也容疑者(28)を逮捕しています」
愛知県警は残りの6人の変態教員メンバーの摘発を急いでいるという。
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班